待機児童「14人」なのに、なぜ保活に苦労するの…?/6/24文教児童青少年委員会

6/24文教児童青少年委員会の案件です。

待機児童数、公称14人の”マジック”

区長がつねに、「全国トップレベルの保育所増設」を謳ってきただけあり、保育園自体が増えているのは、確かにあります(練馬区は「全国トップレベル」に子どもが多いので、地方などと比べても、あまり意味がないわけですが……)。

↓まずは下の画像の、「保育所等へ入れなかった者786人」と、「特定園のみ希望451人」に注目してください。

特定の園を希望していなくても「特定園希望」

「特定園希望451名」の内訳は……

①単願:135名
②ほかに利用可能な保育所あり:266名
③求職活動休止:50名

まず、「保育園に入れなかったから就活をあきらめた人」が、50名いますが、これも「特定園希望」にされてしまいます。

「ほかに利用可能な保育所」とは、練馬区の場合、「1分80m×25分=2km」以内、という計算。最大で往復4km、50分。すべて距離が理由で断ったわけではなく、事情は様々です。

実態に合った数を出さなければ、根本的に待機児童を解決する策はとれません。

実態が見えなくなる数の出し方について問うと、区は「昨年の統計との連続性を加味」との回答。であれば、別の数字にして出せばよいだけです。

また、「育児休業中62名」も、待機児童から抜かれてしまいます。「入れなかったから育休を延長した」という状況は、数に反映されません。

1&3歳児保育も40名

緊急的な対策と言っていたはずの1&3歳児保育も、まだ40名もいます。

いまだに、1歳の壁、3歳の壁が高いことがうかがえます。

このまま、緊急が、常態化してしまうのでしょうか……。

希望する園に入れてこそ、「多様なニーズ」に応えている

こども家庭部長「最も尊重されるべきことは、それぞれの家庭の思いです。その思いに寄り添い
~さまざまな保育・教育サービスを選択できるようにすることこそが行政の責務だと考えています」(平成31年第1回定例会2月6日)

区は最近、「多様なニーズ」「保育・教育サービスを選択できるようにする」と繰り返していますが……

親は、いろいろな園を見学し、「我が子をこの園に入れたい」と悩みながら選び、13園までの用紙に書きこむわけです。「保育・教育サービスを選択できる」というのなら、第一希望、少なくとも上位希望の園に入れるべきです。

「特定園希望」は、まさに、「その園に入りたい」という思いも込められた数のはずです。

実際には、全然「選択」できていない。「多様なニーズ」といいながら、今ある根本的なニーズを満たせていない。「行政の責務」が果たせていない。

近所の園、保育理念の合う園、ベテランの先生がいる園、兄弟が通う園……
私たちは、入れればどこでもいいわけではありません。
それは決して、「ワガママ」などではありません。

「入れる園があったのに断ったから自己責任だ」といわんばかりの、待機児童の数え方。
「多様なニーズ」「選択」という区の言葉を聞くたびに、「ちがう」と私は思います。

また、当然ですが、数だけ増やせばいいのではありません。
先日、大津市で園児の死亡事故がありましたが、練馬区は、昨年増やした保育園のうち、園庭のある園はたった1つ。

園庭など、質の高い保育をめざすべきではないでしょうか。まだまだ、これからです。

保育園別在籍・待機児童数はこちら

待機児童数のマジックに関しては、市民の声ねりま・池尻成二のブログに詳しく書いてありますので、あわせてごらんください。
https://ikejiriseiji.jp/news-21/