3/5文教児童青少年委員会レポ~児童相談所、教育評価、学校改築、組体操、学力調査、教員の働き方改革、ニーズ調査etc..
3/5文教児童青少年委員会、ご報告です。
今回は、選挙前最後の委員会ということで、案件たっぷり! ファイルが1回で埋まってしまう分厚い資料がどーんと渡され。とてもその場で渡されて読み込めるわけがなく…
- 案件、資料も事前に公開し、準備してよりよい議論ができるようにしてほしい。
- 区民に広く知らせて、たくさん傍聴してもらえるような議会に変えていきたい!
……と思いつつ、前日は、昨年の議事録や資料を見て、「たぶんこういう話になるからこれを言おう」などと準備をしました。
というわけで、報告です!
1.練馬区の相談行政は、「普遍的」? ~第2次みどりの風吹くまちビジョン、素案→案へ
「区民からの意見と区の考え方」「案」の2点、資料が配られました。
子育て分野での変更は
★児童相談行政「練馬モデル」という言い方をやめた
★児童数を0-2、3-5歳と年齢別で表記(小さな変更)
の2点のみ。
特に、区民からも、「児童相談所を作るべきではないか」という意見が多数寄せられたのですが、それには応えず……でした。
練馬モデルという言い方をやめたのは、「区が考える新たな児童相談体制は、他の区市町村にも共通する解決策であり、普遍的なもの」←ここを強調したいという意図によります。
★高口の提案!
- 児童相談所に対し、多数の意見が寄せられている。「作らない」という結論ありきではなく、真摯な検討を。
- 「こうのとりのゆりかご(通称・赤ちゃんポスト)」が示すように、どの国にも、どの時代にも、産み育てることが困難な母親がいて、誰にも相談できず、追い詰められてしまう。
→母親を責めるのではなく、匿名性を確保しつつ、相談しやすい体制を。 - 「子育てを選択できる社会」を議論する前に、「保育園も学童も入れる」「父親も母親も育休がたっぷりとれる」「男女格差のない働き方」が実現できなければならない。男女格差や、働き方の問題にも踏み込まなければ、「子育てを選択できる社会」にはならない。
- 「家庭で子育て」をしているお母さんたちも、悩んでいる。小学校に入ったら働きたいけれど、学童に入れないから働けない、など……。そういったお母さんたちにも、寄り添うこと。
- ある練馬こども園は、インフルエンザで2週間、学級閉鎖になった。働くお母さんたちにとって、よりよい制度なるよう改善を
2.練馬区の教育の評価は? 「教育に関する事務の管理および執行の状況の点検・評価報告書」
「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」に基づき、点検評価を実施し、議会に報告、公表されるもの。
*↓こちらに最新版がUPされます。
https://www.city.nerima.tokyo.jp/kosodatekyoiku/kyoiku/gakko/tenken_kyoka/index.html
★高口の提案!
- 学識経験者・広岡守穂中央大学法学部教授の指摘「SOGI(性的指向とジェンダー・アイデンティティ)の問題は、「人権教育」の言及にとどまっている
→別の項目としてしっかり立てるなど、時代にもあった取り組みを進めるべき - 不登校対策…先日の予算委員会でも質疑したとおり、「HSC(Highly Sensitive Child)」(ひといちばい敏感な子)の問題は知られていない。もっと周知を
中身は本当に、すべて気になるところだらけですが……時間がないのが、本当に悔しい!!
3.改築の判断基準は…?「学校施設管理実施計画(案)」
↑2018年12月に発表された「素案」が、1mmの変更もなく、「案」となって出てきました。
パブリックコメントの3分の1は、「小竹小の統廃合反対」に関する意見でした。引き続き理解を求めるという区ですが、何年も理解が得られていない現状なのです。
★高口の質疑!
- パブリックコメントの3分の1は、「小竹小の統廃合反対」→重く受け止めるべき
- 「長寿命化の適否の判断基準」を「H31年度までに検討」とあるが、ここが肝心!
→区は「今後20-30年の建築年数、機能面、費用財政など総合的に検討」
「委託専門業者により、基準を策定」
「確定次第、議会に報告する」答弁
→”区の事情”ではなく、公平・中立な判断基準にするように! - 調査の判断基準は、区の改修データのみの場合もある?とのこと。
コンクリートに穴をあけると強度が落ちると言われているが、穴をあけるかは決まっていない
「躯体に影響のある調査はしない」と区
4.組体操問題、その後…
2011年、中学生が組体操の練習中に落下し、前歯を折った。成長期、差し歯の入れ替えが必要で、8年たってようやく損害賠償が確定……という案件。
組体操の現状や対策について伺ったところ、
区「校長会や体育部会で、事故防止に努めているが、ゼロには至っていない。技ごとにケガをしやすいタイミングなどがある。事故ゼロに取り組む」
とのことでした。
5.~学力調査研究委員会研究報告書
小6、中3で行われる全国学力・学習状況調査の報告です。
https://www.city.nerima.tokyo.jp/kusei/tokei/kyoiku/kugakuryokuchousa.html
★高口の問題意識1 その子の成長を図るテストこそ大事!
- 先日の予算委員会で質疑した「国連子どもの権利委員会」の日本政府への勧告「極度に競争主義的でストレスフルな学校環境」
→このような新自由主義的な学力テスト、学力調査のことをさしているかと思う。 - 平均との比較より、一人ひとりのスピードで、去年より、数か月前より、昨日より、授業を理解して、成長しているかが重要
- たとえば、イエナプランで有名なオランダの「習熟度モニター制度」
→非公開。学力比較ではなく、その子がどのくらい伸びたかを見るためのテスト - 麹町中では、定期テストをやめ、何度でもやり直し、その子の成長のなかで伸びていくテストに切り替えた
- 競争主義的な取り組みより、その子自身の成長を大切にする点にこそ力を入れるべきだと考える
★高口の問題意識2 自己肯定感を、どう育む?
- 自己肯定感に関わる「自分には、よいところがあると思う」という質問→低い傾向
- 「先生は、あなたのよいところを認めてくれている」と思うかという質問→2割が「当てはまらない」と回答
- →この2点は、毎年低い傾向にある。
- 昨年の委員会でも、区が「今後も引き続き、自己肯定感が持てるような指導のあり方を研究してまいりたい」と答弁
- →「どう指導してきたのか?」と質問したところ……
「評定ではなく、価値を評する、評価の問題。道徳の評価をどうするか。道徳で、いかによいところを見つけて伸ばすか、各学校で取り組んでいる」 - →……と言われたので非常に驚き、道徳で個人の内面を評価する問題点、そもそもの道徳教科化の問題点、一定の価値観を教え込む問題点などを指摘。
- 自己肯定感を育むためにも、全国平均と比較するより、その子自身が、以前より成長していることが実感できるような制度にすべき
6.過労死ラインすれすれ?…教員の働き方改革推進プラン
検討委員会での検討を受け、策定したもの。
★当面の目標「小学校、幼稚園の在校時間は週55時間以内」、中学校は「週60時間以内」
- 週60時間も、過労死ラインと言われている、「当面」はいつまで?と質問したところ…
→来年度把握し、小学校50、中学校55と減らしていけるかも?判断する、とのことでした。
★区立幼稚園の副園長は、在校時間「週66時間34分」と最長!
- 理由を質問したところ
→「人員不足」「一人ひとりの業務負担が多いこと」 - 「園長が危機感を持って対応」と区
- 危機感も大切だが、そもそも人手不足が問題なら、人員増員も検討すべき、と指摘しました。
★「教員の意識改革」も大切だけど……
- 「教員の意識改革」という文言が目立つと感じました。意識より、そもそもの業務が多すぎることが問題ではないか、そうしないと、「在校時間の縮減」をしても、持ち帰りの仕事が増えるだけではないか……
と質問したところ - 「意識改革だけではなく、環境を整えるべき。改善は両輪」と区が答弁。
★「教員定数増員」を求める先生たち
- 自由記述による回答では、「教員定数増員」を求める声が多数。中学校では、52%も!
- 「採用は都」と一貫して拒む区ですが、教員増員にも取り組まないかぎり、働き方の問題は解決しない、と高口は考えます。
7.一時預かり、認可保育所のニーズ増加! ~ニーズ調査報告書
H32-36年度の「練馬区子ども・子育て支援事業計画」の策定のもととなる、ニーズ調査の集計結果です。
この数字が根拠にされるので、本当に大切なもの!
★教育・保育の利用希望1位は……
- 1位は、0-5歳までの全年齢で、「延長保育のある認可保育所」に!
- 0-2歳の2位は、「延長保育のない認可保育所」
- 認可保育所の高いニーズが伺えますが……
- 区は「認可保育所のニーズが高いことはわかっているが、全体を見て検討する」と答弁。
★一時預かりの利用希望、5%UP!
- どのくらいの数を見込んでいるか質問したところ…
- 区「枠は十分あると考えている。今後は(今ある枠の)活用に取り組む」
- このニーズ調査の結果を、しっかりと受け止める必要があると、高口は考えます。