9/13文教児童青少年委員会/学校用務&給食の民間委託、下石神井小学校の校舎改築工事、全国学力・学習状況調査結果ほか
9/13、議会中に行われた文教児童青少年委員会。議案に加えて、案件がいろいろ出ています。お伝えします(ざっとのご報告ですみません…)
練馬区版総合戦略重要行政評価指標(KPI)およびみどりの風吹くまちビジョンアクションプランの平成29年度末の進捗状況
長すぎますね……。これは、区が進める事業プランなどの状況を報告するもの。毎年行われます。
子育て支援サービス、保育サービスの拡充などが、文教委員会の担当。
これがまあ、ほとんどが「A」「A+」……。実際に、子育てで苦労する日々のなか、「何がAなんだろう?」と、自分たちの思いと区政が離れていることを、感じてしまうわけですが……。
だからこそ目立つのが、「B」評価。
2017年度までに「30園」をめざしていた「練馬こども園」は、「16園」にしか届かず、この評価。
今年度は、「20園」に目標が大幅下方修正されました。
高口も練馬こども園に通わせているので、この練馬こども園が「保育園のかわりにはならない」というのが実感なのですが……
区の答弁では、「教育理念に合わない」などが理由とのこと。それはもう、練馬こども園を増やしていく根本の理由が問われているのではないかと思います。
また、旭丘小中、小竹小の一貫校の遅れから、その基本方針策定が「B」。学校適正配置や、学校施設実施計画も「B」となっています。
本当に大丈夫!!? 学校用務&給食の民間委託
<学校用務の新規委託>
小学校…旭丘、豊玉、早宮、南町、上石神井北、橋戸、南が丘
中学校…旭丘、中村
<給食の新規委託>
小学校…春日、大泉第三、大泉北、南田中
「民間でできるものは民間で」の方針のもと、現場がどんどん民間委託にまわされています。
用務員さんは、1校につき2人で、人件費は1人800万ずつ、1600万円(*この数字は、福利厚生や税金を抜く前の額なのか?年代などによって大きく変わる可能性もあり、後日調査してアップします)。
これが委託になると、1校2人で1100万円……マイナス500万円。
給食費は、学校規模で幅がありますが、だいたい3割のコスト減となります。
委託業者が中抜きすることを考えたら、同じ仕事をして、もらう給料だけががっつり下がるわけです。区は「質の低下はない」と言いますが……皆さん、自分に置き換えてみてください。給料が3割以上下がって、同じモチベーションで、同じ仕事を、同じ責任をもってやれるでしょうか?
何よりも、「公務員は人件費がかかる。事業者が採用などを工夫するので、コストが下がる」と言い放つ、区の偉い課長さんたちは、みーーーんな公務員なわけです。なんとも思わないのか、不思議でならないのですが……。自分たちの仕事は、「民間でできること」ではないと思っているからでしょうか……。
私は、現場の人を大切にしてこそ!教育の質、こどもたちの環境が守られると思っています。
現場を、人を、人が働く環境を守らずに、実現できるわけがない。人こそ、すべてと言ってしまうくらい、大切です。
たとえば、用務員さんの仕事は多岐にわたります。日々、いろいろな出来事が起こる学校。臨機応変で、細やかな対応が求められる仕事です。学校の一員として、子どもたちを見守り、関わるのも、大きな役目でしょう。
しかしこれが民間委託になると、大きく変わるのです。
何かイレギュラーなお願いが出たとき、学校長が「これお願い」というのは、「偽装請負」といって、違法となります。民間委託の場合、委託先の会社からしか業務命令が出せません。
変更があるとき、学校長が委託会社に連絡し、そこから命令を出す……というのは、ほとんど現実的ではありません。
「ガラスが割れるなどの、起こりうる事態は、すべて記載している」と区は言いますが、
「今回問題になった、『ブロック塀の点検をしてください』とお願いするのはどうですか?」と高口が質問したところ、「それは偽装請負になる」とのことでした。
すべてを記載するなんて、無理なのです。
縁の下の力持ちとして、いざというとき、どんな場面でもきちんと責任を持って行動し、対応のできる用務員さんがいるかどうかは、子どもたちにとって大きな問題。そしてそれは、民間委託では難しいのです……。
目の前の経費削減で、何が失われるのか。大切なものは何なのか……きちんと見てほしいと、切に願います。
下石神井小学校の校舎改築工事で、問題が発生……
現在、全面改築工事が進んでいる下石神井小学校。
- 施工業者が、当初契約をしていた鉄骨業者から契約解除の申し出があったため(従業員の大量退職により。原因は確認中)
- 鉄骨の柱の脚部を基礎に緊結するためのアンカーボルトの位置にズレが生じ、修正作業に時間を要したため
の2つの理由で、工期が遅れることになりました。
2期目の工事と同時、2019年3月に完成見込みとのこと。
2.に関しては「施工管理が不十分」だったとの説明。
工期のズレによる影響はもちろんですが、何より、安全性に対して、保護者や地域の方々、子ども達はとても不安なはず……。区に、丁寧な説明を求めました。
施工業者は、向山庭園などを建てた業者ですが、学校工事は初とのこと……。今後は、学校の建築の実績のある業者を選ぶといった見直しも、必要ではないでしょうか。
実効性は……? 全国学力・学習状況調査結果
毎年小6と中3で行われるテスト。
趣旨としては、「分析し、教育施策の成果と課題を検証」「教育指導の充実や学習状況の改善に役立てる」とありますが、4月にテストを行い、生徒のもとに帰ってくるのが7月下旬。
また、区の分析が終わるのは来年2月とのこと。本当に実効性ある指導に役立てられるのでしょうか……。
そもそも、学力は、その子が伸びればよいのであり、テストはその進度をはかるためにするものです。一律の中間・期末テストではなく、再挑戦可能なテストに切り替えた、他区の中学校の事例もあります。
一人ひとりの子が、入学から卒業までに、自分の課題を把握しつつ、克服しながら、それぞれの速度で伸びることが重要だと思います。ある教科のみで、全国の児童と点数を比べ合うことに、意味を感じないのですが……。少なくとも、国が50億円、生徒一人につき2500円もかけるほどの意味があるとは思えません。
高口は「本当に頭がいいことは、テストの点数じゃない」と言われ続けて育ったのもあります(父は教員です!)。
ちなみに、「全国調査のための指導をする」「成績の悪い子をやすませる」というニュースや話を実際に聞くので、練馬区ではそのようなことがないか(念のため)確認したところ、「ない」との返答でした。
幼児教育・保育の無償化による影響調査
来年10月の無償化にそなえ、区がアンケート調査を実施する、というもの。
一方で、6/15に国が示した骨太方針概要以外、まだ詳細は不明。詳細がないまま、ニーズを正確に反映できるアンケートを作り、正確なアンケート結果をとることができるのか、疑問もありますが……。
残りの案件は、次回9/18にまわされます。重要な案件が山積みなのに、当日しか資料がみられず、苦労しますが……引き続き、頑張ります!