文教児童青少年委員会視察@西成区こどもの里&ジャガピーパーク、大阪市インクルーシブ教育推進室
10/30-31、文教児童青少年委員会視察で、大阪市へ行ってまいりました。
にしなりジャガピーパーク ~廃校をプレーパークに!~
廃校を利用して、土日にオープンするプレーパーク。ちなみに「ジャガピー」というおいしそうな名前は、西成区のキャラクター「スーパーポンポコジャガピー」にちなみます。
↑理念がイイ!
↑さすが校庭。この広さが魅力的!
↑手作りの遊具も
↑かまどを作って、火を起こせる。「ドラム缶風呂」が名物!
↑木工コーナー
↑併設された幼稚園内に、「まなび場」がある。パソコンのメニューも!
放課後もあけてほしいところですが、予算の関係で現状は土日のみ。また、プレーリーダーは、受託している社団法人の理事で、20代の若者! ここだけでは食べていけないので、アルバイトをしているそうです。
プレーリーダーという新しい職業に対し、社会的な”後押し”が必要。それは、プレーパークに力を入れている練馬区でも同様だと感じました。
こどもの里 ~地域に、親も子も逃げ場があること~
1977年、荘保共子さんが始めた「こどもたちの遊び場と生活の場」。今は「学童」「つどいの広場」の2事業で補助金を受けながら、ファミリーホーム、自立援助ホーム、緊急一時保護、障害児者居場所事業など、様々な事業を展開しています。
ステップハウスは、あのイケアが家具などを全て寄附してくれたとのこと(さすが北欧…!)。
ちなみに、もともと学童は、大阪が発祥!
子どもの生きる力を奪うのは、“差別”
日雇い労働者が多く住んでいた、西成区。荘保さんの当時のお話が胸を打ちます。
子どもは大人の生活を、全部知って育つ。親が「仕事にあふれた」日は、お金がないことも知っている。
遠足にお弁当を持っていけないから、朝からこどもの里へやってくる子。
親のために一生懸命パチンコ玉を拾って集め、お金にかえて、親に渡す子。
体操服がパツパツでも、親に「買って」と言えない子。
みんな、親を助けて生きる、優しい子。
その「生きる力」を奪うのが、「差別」であること……。
子どもの力が、地域を変える
田植え、どろんこあそびに美術館……今、こどもの里は、こどもたちが様々な体験ができる場でもあります。「UPSスタディツアー」という事業で、海外に行く機会まで!
私がいいと思ったのは、こども食堂。みんなで作ってみんなで食べ、そして片付ける。こどもたちが「お客様」じゃないところが、素敵です。
感動したのは、運動会。日雇いのおじさんたちと一緒になって、公園でよーいどん! こどもたちを見つめる、おじさんたちの目の優しいこと。まさに、子どもが地域を変えていく。子どもの力を見せつけられ、じーん……。
こどもの里のような場を、練馬にも!
そんなこどもたちを支えてきた、こどもの里の理念すべてに、心から共感します。
- 必要とする人は誰でも利用できる場
- 愛されているという実感があり、失敗しても大丈夫な自由な場
- 生きているだけですばらしい!という自信と自己肯定感を育む場
- こどもや保護者の抱える課題に耳を傾け、受け止めてくれる人がいる場
- 弱い立場の友達や社会の谷間におかれている友達と共に助け合って生きていける場
30分という短すぎる時間(涙)。3時間は聞いていたい!と思いましたが、最後に荘保さんが強調した
「小学校区に一つ、緊急一時保護が必要。地域に、親も子も逃げ場があること」
という一言が、ずしり。
西成区のように、貧困などの課題が「可視化」されていなくても、練馬区にも、追い詰められている親子はいるはずです。地域の中に、こどもの里のような「逃げ場」を……!
大阪市インクルーシブ教育推進室
同和問題が根強かったこと過去から、人権教育が進んでいた大阪。その背景から、インクルーシブ教育も一歩進んだ自治体です。
「地域の子どもは、地域で学ぶ」
「共に学び、共に育ち、共に生きる」
「本人、保護者の意向を最大限尊重」
という理念がすばらしい……本当に、その通りだと思います!!
2015年より、特別支援教育の充実に力を入れ、なんと予算を「1.5倍」に。
- 特別支援教育サポーターと、インクルーシブ教育推進スタッフ(有資格者)を配置
- 臨床心理士、作業療法士、理学療法士、言語聴覚士という専門家を配置(巡回相談スタッフ)
- 医療的ケア児のために、看護師を配置
- 医療的ケア児が通学するタクシーに、看護師が同乗
- ICT機器の普及と推進(タブレットを全校に40台ずつ。各学級に1台授業用PC。電子黒板、プロジェクタを1台ずつ)
専門家の配置が、特に印象的。本気度が違います。
「大阪市とは予算規模が違う」で済ませずに……練馬区も、本気で取り組まないといけない!と、高口は思います。
↑充実した書庫
↑「保護者支援講座」が人気とのこと