練馬区議会2024年第2回定例会、議案解説!

練馬区議会2024年第2回定例会(6月議会)に提出された、議案について解説します!

今回は数も少なく、大きな議案は1つくらいかな、という印象です。

新たな教育委員が任命(小林三保氏)

選任第3号 練馬区教育委員会委員任命の同意について

教育委員の中田尚代さんの任期がおわり、教育委員が交代することになりました。

今回、新らたに任命された小林三保さんは、いわゆる保護者枠です。

保護者枠ということで、インクルは賛成をしました。

【参考】練馬区教育委員はこちら↓
https://www.city.nerima.tokyo.jp/kosodatekyoiku/kyoiku/kyoikuiinkai/shimei.html

 

国の定額減税(専決処分)

第44号 区長の専決処分事項の承認について(練馬区特別区税条例の一部を改正する条例)

国の決定が、昨年度の議会の会期に間に合わなかったため、専決処分(議会の決定を経ずに行う)というかたちに。

定額減税については、「給与明細に所得税の減税額を明記するよう義務づけ」されたことにより、自治体や企業の負担も問題になっていますね…。

【参考】毎日新聞 社説:定額減税のアピール 首相の露骨なご都合主義

↑練馬区でもこんなふうに、定額減税の内容が記載され、ちゃっかりアピールされています。

【参考】練馬区HP「特別区民税・都民税(個人住民税)の主な税制改正【令和6年度住民税から適用】」

区立高野台デイサービスセンター、認知症対応型を廃止に

第45号 練馬区立デイサービスセンター条例の一部を改正する条例

練馬区立高野台デイサービスセンター では、現在、

①一般型
②認知症対応型
の2種類のデイサービスを行っています。

そのうち、②認知症対応型のほうを廃止する…というのが、今回の議案です。

今定例会で、最も賛否の分かれた議案でもあります。

■練馬区の主張

廃止の理由を、練馬区はこう説明しています。

  • 民間の通所介護で、認知症の受け入れが進んできた
    • 高野台デイ開設当時は区内に6か所
      →ピークで19か所
      →現在は11か所(高野台含む/うち民間10)
    • 他に認知症グループホーム18→39に
    • 小規模多機能型居宅介護→15
    • 看護小規模多機能型居宅介護→8
  • 利用率
    • 11か所全体50%
    • 高野台60%
  • 指定管理者任期満了の今年度(2024年度)で廃止
  • あいたスペースに、街かどケアカフェ&地域包括支援センターを併設

【論点1】民間も減少傾向

練馬区は、民間が増えてきたと説明していますが、一方で、ピークの19か所から、現在は11か所。

民間の認知症対応型デイサービスは、減少傾向にあります。

しかも、全体の利用率50%に対し、高野台は60%と、高い利用率です。

【論点2】小規模多機能で十分か?

練馬区は、代替サービスとして「小規模多機能型居宅介護」(通称・しょうたき)をあげています。

しかし、この小多機の利用率は、50%台。

看護小規模多機能型居宅介護(通称・かんたき)の利用率も、50%台。

利用率が高い=デイサービスの代替になっているとは言えない状況です。

【論点3】必要な人が使えていない課題があるのでは?

以上から、今回廃止しようとする認知症型デイサービスが「余っている」という状況ではなく、必要な人が利用できていないのでは?という状況が考えられます。

廃止するよりも、本来利用できる人に利用してもらう、その課題のほうに取り組むべき

……という考えから、私たちの会派では、この議案に反対しました。

※会派インクルの所属委員は、かとうぎ桜子さん

2つの地区計画、決定 ①羽沢・桜台 ②上石神井駅周辺

第46号 練馬区地区計画の区域内における建築物の制限に関する条例の一部を改正する条例

1 羽沢・桜台地区地区計画区域内における建築制限を定める。
2 上石神井駅周辺地区地区計画区域内における建築制限を定める。

これまで様々手続きを経てきて、最終的に条例改正をし、地区計画を定める…という内容です。

※詳細はコチラ→練馬区HP
https://www.city.nerima.tokyo.jp/kusei/machi/toshikeikakuzu/r5index/r6_chiku_kokuji.html

盛土・切土の規制

第47号 練馬区都市計画法の事務に係る手数料に関する条例の一部を改正する条例

■経緯①国の法改正

熱海の土砂災害(熱海市伊豆山土石流災害)を受けて、法改正が行われ、「宅地造成及び特定盛土等規正法」に改められました。

危険な盛土を包括的に規制する法律です。

【参考】国交省HP「宅地造成及び特定盛土等規制法」(通称「盛土規制法」)について

■経緯②東京都の改正

この法律に基づき、東京都が規制区域を指定(2024年7月末)。

さらに、規制区域内の宅地造成等の工事の許可等の事務を、23区に移譲することに。

■今回の議案

簡単に言うと、法律が変わり、規制が強化されました。

その流れで、盛土の事務の一部を、各区が行うことに。

そのための手数料等を定める、というのが、今回の条例改正です。

■変更内容

①宅地造成等工事区域

宅地造成等により、崖崩れや土砂の流出による災害のおそれが大きい区域。
練馬区内は全域が指定される見込み

②特定盛土等規制区域

練馬区内は指定の見込みなし

規制内容

↑このうち⑤が練馬区内で一番申請が多い予想

解体工事2つ ①田柄中学校 ②ベルデ下田

契約に関する議案は2つ。どちらも解体に関するものです。

①田柄中学校校舎解体工事

第61号 練馬区立田柄中学校既存校舎等解体工事請負契約

〔契約金額〕 327,470,000円
〔相手方〕  阿世知・金房 建設共同企業体
〔工期〕   契約確定の日の翌日から令和7年3月21日まで

②ベルデ下田解体工事

第62号 旧下田少年自然の家解体工事請負契約

〔契約金額〕 272,140,000円
〔相手方〕  丸広・常陸 建設共同企業体
〔工期〕   契約確定の日の翌日から令和7年3月21日まで
〔工事場所〕 静岡県下田市須崎73番地

すでに廃止となっているベルデ下田、ついに解体工事が始まります。

工事は下田市ですが、練馬区内の事業者が落札。
元請けは、現場で借家を借りて作業をするそうです。
内装などは、地元業者と調整中。

解体後どうなるか?ですが、2025年度に入札の予定。

事前に地元に打診しましたが、購入の申し出はなかった、とのこと……。

世田谷区では、以前、三浦に保有していた施設をなくす際、同じように買い手がつかなかったので、現在は再生エネルギーを設置し、区内施設の電力として利用しているそうです。

練馬区も、買い手がつかなかった場合、再エネの利用を検討してはいかがでしょうか。

 

学童、ねりっこ、保育基準引上げの条例改正

第49号 練馬区立学童クラブ条例の一部を改正する条例
第50号 練馬区ねりっこクラブ条例の一部を改正する条例
第51号 練馬区家庭的保育事業等の設備および運営の基準に関する条例の一部を改正する条例

この3議案の説明は、別ページでしていますので、そちらをご覧ください↓

高野台保育園民営化、どうなる?光和小・橋戸小・大泉桜学園がねりっこに…他【文教児童青少年委員会・2024/6/14】