「練馬区みどりの総合計画」(素案)にパブコメを送ろう!
2023年12月7日、「みどり・環境等特別委員会」のレポートです。
「練馬区みどりの総合計画」(素案)
2024年1月15日まで、パブリックコメント募集中の「みどりの総合計画(令和5年度改訂)」の「素案」。
練馬区HP「練馬区みどりの総合計画(令和5年度改定)(素案)へのご意見を募集します」
https://www.city.nerima.tokyo.jp/kusei/pubcom/oshirase/midorir5_kaitei.html
こちらは、「練馬区環境基本計画2023」が大元で、その「個別計画」として位置付けられています。
その名のとおり、みどりの総合的な計画です。
大切なみどりを、どう守り、増やしていくのか?
ぜひぜひ、パブコメを送っていただきたい…!!!
そのための、ポイントをお伝えします。
課題は?
★計画の前提=目標があいまい
この「みどりの総合計画」の一番の問題は……
目標を変えてしまったこと。
2022年度、みどりの実際の量(緑被率)ではなく、みどりの「満足度80%」という、とてもあいまいな目標に変えてしまいました。
その結果が、今回の素案にも如実に表れています。
★課題1:「見えるみどり」へのこだわり
見えるみどり(緑視率)が高まると、満足が高くなる。
その結果、今回の「素案」でも、実際のみどりの量ではなく、「見えるみどり」に固執しています。
見える部分のみどりも必要と思いますが、やはり、そもそものみどりの量(緑被率)があってこその、満足度ではないでしょうか?
★課題2:気候危機対策との関連性が不明
大元の「環境基本計画2023」の大前提はゼロカーボン、脱炭素、気候危機への対策です。
しかし、この計画には、CO2の削減効果がどのくらいなのかの記述がありません。
具体的に踏み込んで書くべきではないでしょうか?
全体を読むと、ふんわりと、みどりは大切だということが伝わります。
それは誰も否定できません。
しかし……具体的な数値的目標があいまいだから、ふんわりした計画になっている、と感じます。
★課題3:「生物多様性」の位置づけを!
そもそも、「みどり」とはなんでしょうか?
たとえば、ごく限られた種類の樹木だけが植えられればよいわけではなく、
虫、微生物、菌類、動物、鳥など…
みどりと密接に関わる、様々な生物が、みどりには不可欠です。
「生物多様性」が、今、重要なキーワード、考え方です。
国は「生物多様性基本法」を制定し、
東京都は「東京都生物多様性地域戦略」を策定。
一方で練馬区の計画では、「環境基本計画2023」にも、コラムとして補足があるのみ(P42)。
今回の「みどりの総合計画」でも、P60に用語説明があるのみ。
P34-37で、イラストとフキダシのイメージの中で、虫や鳥などが描かれてはいますが、計画のなかでどのように位置づけるかは全く不明です。
みどりとは何か、どのようなみどりを増やすのか。
それは、「みどりの質」に関わります。
そのためにも、「生物多様性」を、計画の中に位置付けるべきです。
★課題4:イラストの位置づけは?
P34-37で、イラストとフキダシは、あくまでイメージに過ぎないものだと思います。
(そのあたりもあいまいです)
イラストにはサラリといろいろなことが書きこまれていますが、
たとえば、
「練馬に昔からあった植物を植えよう」
というセリフ。
どういう植物を在来種とみなすのか?
練馬に昔からあった植物とは何か?
……漠然としていて、全くわかりません。
★課題5:道路=みどりのネットワーク、の欺瞞
古い道路計画に固執する練馬区。
この計画にも、(無理やり)道路を位置付けています。
道路=みどりのネットワークであり、「みどりの軸の形成」と記述しているのですが……
↓その「みどりの軸」の写真が、コチラ(P19)↓
……この写真の、みどりの少なさ……
アスファルトとマンションが広がり、まだ小さい1種類の木が等間隔に、ポツポツと植えられるだけ。
みどりは添え物、主役は道路だということが、ありありと伝わる写真です。
これが、道路のみどりの現実でしょう。
ちなみに人気の桜ですが、ソメイヨシノが管理しづらいため、最近はこのカワヅザクラやジンダイアケボノが代替となっているそうです。
道路をみどりの軸として位置付けることの無理筋に、いい加減練馬区は向き合うべきです。
他にも、住民大反対の稲荷山公園計画も、計画に位置付けています。
住民の反対の声にも、練馬区は向き合うべきです。
★課題6:こどもの森にツリーハウスは要らない!
練馬区が誇る「こどもの森」は、実は道路公園課ではなく、みどり推進課の管轄です。
それもあり、この計画にも、こどもの森についての記述があります(P27)。
練馬区がずっとこだわっているのが、ツリーハウスなのですが……
そもそも、何のためのツリーハウスでしょうか?
こどもの森は、練馬区が書いているとおり「自由に遊ぶことができる」ことこそが最大の魅力であり目的。
備え付けのツリーハウスがあるよりも、
子どもたちが登れる木があること、
木の上に何か作りたいと思ったとき、チャレンジができること。
そのための”遊ぶ力”を、子ども達自身がつけていく、そのサポートがあること。
「子ども達自身が望み、考え、つくっていく」環境を保障することこそが、必要ではないでしょうか?
大人からは、ツリーハウスがパッと見でいいカンジに思ったとしても、
それを大人が用意してしまっては、
私はそれは、大人の自己満足になりかねないと危惧しています。
また、そのための安全管理など、別の問題も生じます。
こどもの森はプレーパークの発想に由来していますが、プレーパークにはそもそも備え付けの遊具自体がなく、その時来ている子どもたちの遊びに合わせて、プレーリーダーが作ったりします。
子どもの自主性、遊びを伸ばす。
“大人が用意しすぎない”。
こどもの森本来の目的に立ち返ることが、必要です。
パブコメを送るポイント、まとめ!
- みどりの量(緑被率)があってこその、満足度。緑被率の数値目標を復活させるべき!
- CO2の削減目標など、ゼロカーボン、脱炭素、気候危機との関連性を、具体的に書き込むべき!
- みどりに不可欠の「生物多様性」を、計画の中に位置付けるべき!
- あいまいなイラストやセリフがどういう意味を持つのか、しっかりと説明を
- 道路=みどりの軸にはならない!みどりを守るため、問題のある道路計画は見直しを!
- 稲荷山公園計画も見直しを!
- こどもの森に、作りつけのツリーハウスは要らない!こどもが自分で自由に思い切り遊べて、こども自身が望んだことが実現できる環境の整備を!
パブコメ、メールやフォームから送るだけと簡単です!
ぜひぜひ、あなたの声を、練馬区に届けましょうー!