令和6年度一般会計、国民健康保険事業会計、介護保険会計、後期高齢者医療会計に反対討論【2024/3/15第1回定例会最終日】

練馬区議会2024年第1回定例会、3月15日の最終日、予算に反対の討論で、議場に立ちました。

5分という規定があり、文字数換算で1800字位しか話せないのですが
思いを詰め込みました。

練馬区議会HPの録画配信で、後日見られます。
(時間は正確ではありませんが、3時間半~4時間の間くらいです)

↓以下、討論です↓


4予算に反対討論

インクルーシブな練馬をめざす会を代表し、令和6年度一般会計、国民健康保険事業会計、介護保険会計、後期高齢者医療会計に反対の討論をします。

来年度一般会計予算は前年度比で8.2%増、過去最大の3,230億8千万円です。
しかし、物価高や重税に苦しみながらも、地域で必死に暮らす一人ひとりに
寄り添う予算になっていません。

こどもの権利を侵害する施策の数々

その代表が、子どもの最善の利益から程遠く、
子どもの権利を侵害する施策の数々です。

保育事業では、区も新たに待機児童対策の2歳児1年保育を行い、
1・2歳児の保育ニーズが特に高いにも関わらず、
谷原保育園の1・2歳クラスを閉じようとし、
保護者に多大な負担を敷いています。

こども家庭部長は、予算質疑で「谷原保育園における保育の継続性を担保」と答弁。
これは谷原保育園の引継ぎ以外の何物でもありません。
にも関わらず、引継ぎだと認めず、
労働組合との「引継ぎは1年かける」という労使交渉にも反しています。

4月には、慣れ親しんだ谷原保育園を追われ、
新しい環境で一から始めなければならない子どもたちを思えば、
なぜ「子どものことを第一に」などと言う答弁ができるのか、怒りさえ覚えます。

同様に、『学校適正配置基本方針』では、
適正規模の根拠も、有識者の「知見や経験則」程度しか語れず、
友達とバラバラ、通学距離が遠くてもよしとする上、
区の思いのままに統廃合できる、区に都合のいい方針です。

大泉第二中学校は補助135・232号線の計画で分断しようとし、
さらに子どもの遊び場も奪おうとしています。
地域に親しまれる三角公園、けんか広場のほか、
白子川源流、大泉南小、大二小も
計画にかかります。
「子どもの環境を残してほしい」
という声にこそ、区は答えるべきです。

不登校の生徒には、適応指導教室で髪の毛の色までルールを課し、
しかも議会では「健康のため」と非論理的な答弁。

自分らしくいる権利も認めないのに
「誰1人取り残さない」とする不登校の方針を、
子ども自身はどう感じるでしょうか?

防災、財政の課題

能登半島地震を受け、「攻めの防災」と声高に叫びながら、
区内で最も古い小竹小学校の改築改修は放置。

交付金補助金頼みのハードの施策には前のめりで
地域の反対を押し切ろうとするショックドクトリン的手法を危惧します。

財政面では、前川区政10年間で膨れ上がり、
人件費の10倍の増加額となった、委託にかかわる物件費についても、
10年の長期スパンでの影響について議論もできません。
財政面の効果すら不透明な委託化民営化も見直すべきです。

ジェンダー平等施策から目を背ける区政

少子化対策としても不可避なジェンダー平等施策ですが、
非正規公務員に代表される男女不平等の区政からも
目を背け続けています。

兵庫県豊岡市の中貝宗治前市長は、
「市役所でも長い間、女性は補助的な仕事に甘んじてき」
たと、率直に認めました。

さらに、
「多くの女性職員は、これまでさまざまなものを断念してきました」
という職員の言葉にショックを受け、
「断念せざるを得ないような思いをさせてきたのかという自責の念にとらわれ」
たと語っています。

私たちは、こういう真摯な反省をこそ、首長に望んでいますが、
今の区政では期待できません。

女性支援の新法で「婦人相談員」から名称変更される女性自立支援員は、
女性が抱える様々な困難を解決するスキルの求められる仕事であり、
区の会計年度任用職員は平均7.5年もの勤務経験があります。
会計年度任用職員が、今後も練馬区で安心して働き続けられる取組みを求めます。

社会保険料は増額なのに、美術館に巨額をつぎこむ…

介護保険では、訪問介護の報酬が減額となり、
自分らしい尊厳ある最期を支える在宅介護も、風前の灯火です。

国保会計も、制度上、所得の低い方が多く、抜本的見直しが必要ですが、
国保料は一人あたり平均13000円の増額に。

区民の暮らしをますますひっぱくさせながら、
一方で、区長・副区長・教育長、そして議員の報酬は引き上げ、
練馬区立美術館の改築には93億円以上も継ぎ込もうとしています。

美術館は「バリアフリー」を改築理由としながら、
ワークショップに車いすユーザーの参加もなく、
富士塚というコンセプトなのに1階から頂上まで階段でしか登れない設計。

誰もが楽しめるインクルーシブなデザインにできない以上、
バリアフリーを口実にした改築だと言わざるを得ません。

10年前に1.4億円かけたばかりの美術の森緑地も、
美術館のメインの入り口への動線を変えるためだけに、1.5億円もかける予定。
保育園のお散歩や親子づれにとって、使い続けられる環境こそ必要です。

区民の暮らしに寄り添い、
真にインクルーシブな練馬区となるよう求め、討論とします。