みどりを守る難しさ…「学芸大付属大泉中のヒマラヤスギ並木」と、区立中学校の”伐採”問題

※2021/12/7、練馬区議会、都市農業・みどり環境等特別委員会のレポートです。

ねりまの名木、学芸大大泉の「ヒマラヤスギ」

★「ねりまの名木」とは?

東京学芸大学附属大泉中学校に、
「ねりまの名木」に指定されたヒマラヤスギ
11本あります。

(11本で1か所の指定です)

「ねりまの名木」というのは
その名の通り、大きくて
歴史のある、価値のある樹を指定する制度。

【参考】ねりまの名木はコチラ(練馬区HP)

最初は107件あったものが(1994年)、老朽化、開発などで減っていき……
今は83件(2021年)。

★学芸大大泉から「切りたい」と申請が

貴重な名木ですが、
学芸大の方から
このヒマラヤスギを
「切りたい」
という話がありました。
(ねりまの名木の解除申請)

背景には、他大学でヒマラヤスギが倒木する事故があり
大学全体で、伐採していく動きがあったようです。

それに対して練馬区は、
「切らないでください」
と交渉していた中で

練馬区議会からも
「切らないでください」
という要請書を送ることになりました。

【参考】「ねりまの名木」ヒマラヤスギ並木の保全を求める要請書

監査で、新たな問題が発覚…

そこでまた、別のトラブルが発生しました。

もう要請書は、委員会に図り、決定し、12月7日に送付した後だったのですが……

その後に、なんと

練馬区立関中学校で
勝手に木を切ってしまっていた

ことが発覚しました。

学芸大には「切らないでほしい」と言っておきながら
練馬区の施設では、勝手に切ってしまっていた……

というわけです。

実は、切ったのは去年でした(2020年)。
しかし、明らかになったのは、今年(2021年)の監査。

しかも、その監査でも、3点問題がありました。

①期間外に作業をした

契約した期間外に、作業をしていたのが、問題の一つ目。

原因は、学校行事や事業者の日程調整のために、ずれたとのこと。

②支出が二重だった

  • まず剪定=枝を落とした
  • そのすぐ後に伐採をした

直後に伐採をするのであれば、そもそも剪定は不要。
無駄な二重の支出をしたことになります。

それぞれ、約30万円ずつ払ってしまいました。

③作業完了前に支払った

本来なら、履行確認(現場の写真を確認など)をしたのちに支払うべきところ、

作業が終わっていないのに、請求書が届き、
終わったものと思い込んだために、作業完了前に、支払ってしまいました。

……以上の3点が、監査の指摘で分かりました。

★監査とも連携がとれていなかった

もう一つの問題があります。

監査から指摘があったのは、11月末でした。
区議会は12月に、先述した要請書を送りました。

もしこの問題が分かっていれば、区議会が要請書を送ることはなかったでしょう。

しかし、監査の情報が、みどりの担当部署に、すぐ伝わらなかったのです。

つまり練馬区の、各部署の連携不足も原因にあります。

★部署間の連携不足

そもそも、昨年の時点で、連携不足がありました。

昨年、その学校でも、伐採する前に、みどりの担当部署(みどり推進課)に相談をしたのです。

みどり推進課は、学校に「切らないで」と伝えました。

しかし、現場の判断で、伐採してしまったのです。

その後、みどり推進課は、伐採したことは把握していたものの、特に問題にはしませんでした。

これまでも、レアケースではあるものの、伐採されたケースはいくつかある、とのこと。

今年監査の指摘があったので、問題が浮上した……という経緯です。

みどりを守る難しさ……対策は?

★体制の変更

今後は、伐採はすべて、みどり推進課の許可を得る、というかたちで、制度の変更をしていく、とのことです。

そうなれば、みどり推進課に負担がかかるわけで、あわせて体制などの見直しも必要ではないかと思います。

★落ち葉等の苦情も踏まえた対応を

また今回、学校が伐採した裏側には、近隣からの落ち葉の苦情もあったからではないか、とも言われています。

みどりを守る、樹をきらない……というのは、ほとんどの方が同意するでしょう。

一方で、落ち葉の苦情が続いたら?
施設としては、「伐ってしまうほうが楽だ」という判断になってしまうかもしれません。

みどり部署だけでなく、区のすべての部署に、みどりを守る意識を浸透させることが重要です。

それだけでなく、木は生きていて、落ち葉等も出ることを、区民の皆さんにも、丁寧に説明し、ご理解いただくこと。

もちろん、清掃等を含めた維持管理をしっかりやっていくこと。
そのための予算を確保することも必要です。

「みどりを守る」
というのは、実はとても大変なこと……。
時間も予算も手間もかかる。

ということが、今回の問題でよくわかります。

各部署で連携をしっかり取り、区民にもご協力いただきながら、みどりを守る体制を構築することが重要です。


まどぐちは、こうぐち!
高口ようこでした。