【議案】職員の給与UPはいいけれど…議員・区長・教育長らの給与も増額(2025/12/4企画総務委員会②)
2025年12月4日、企画総務委員会に付託された
議案・条例改正について、解説します。
(2025年第4回定例会)
給与に関する条例が、先に議決されました。
議案数は多いですが、大きくわけて2種類、
一般職員と、特別職です。
①職員給与
②議員、区長、教育長、監査委員、行政委員の給与
的外れな発言があり、
それに対する反論もしているので、
ぜひ最後のほうも見ていただけたら、と思います。
【1】職員給与
第177号 練馬区職員の給与に関する条例の一部を改正する条例 第178号 練馬区会計年度任用職員の給与および費用弁償に関する条例の一部を改正する条例 第179号 練馬区立幼稚園教育職員の給与に関する条例の一部を改正する条例
概要
特別区人事委員会勧告等に基づく改正です。
177号→区職員
178号→会計年度任用職員(非正規公務員)
179号→区立幼稚園職員
で条例が分かれますが、基本は同じ内容です。
①月額、期末手当・勤勉手当の引上げ

>公民較差を解消するため、給料月額を引き上げるとともに、期末手当および勤勉手当の年間支給月数を引き上げる。
↑とある、「公民較差」ですが、具体的には
月額:平均で月14860円(3.8%)
給与が低いほど上がり幅が多く、
管理職は少なく(3.4%)なっています。
期末手当・勤勉手当=計0.05月
期末手当0.025月+勤勉手当0.025月=0.05月
という計算です。
質疑
これを踏まえ、以下、高口から質疑をしました。
高口Q:平均でいくらあがる?
区A:給与変更の比較、モデルケース
- 1級職・22歳のケース
- 改定前:26万4000円
- 改定後:27万8400円
- 月17000円、年257000増額
- 課長級5級・45歳のケース
- 改定前:62万7000円
- 改定後:64万4640円
- 月17640円、年35万5000円増える
高口Q:管理職が「3.4%」の理由は?
区A
- 今回、若年層に給与改定の重点を置きつつ、それ以外の職員も昨年を大幅に上回る改定
- 昨年度は若年層で、部課長級(管理職)は少なかった
- 今回大幅に上げた
高口Q:物価高に追いついていないのでは?
職員の給与が上がる今回の改正は、必要なことと思っています。
一方で、物価高の割合に対し、給与の上がり幅が不足している、という声もあります。
実際、実質賃金は下がり続けています。
組合などから、どのような意見が出ているのか、伺います。
区A
- 組合交渉(で、以下の意見が出ている)
- 物価高の上昇、上昇率が低い
- 物価高には見合っていない
以上を踏まえ
生活実態にあわせた給与の上昇が行われるよう、
区として取り組んでいただくよう、質疑の最後に、要望しました。
②給料表を超える会計年度任用職員にも引上げを適用する
変更2点目。
>給料表の適用を受けない会計年度任用職員の給料および報酬の額の上限を引き上げる。
約20人と、ごく一部ですが、特別な技術職、専門家などで、
給料表の上限をこえる会計年度任用職員(非正規公務員)がいます。
その方達にも、引上げが適用されるようにする、という内容。
ただし、その額は平均5000円前後。
管理職で+17000円と比べたら、大きな差があります。
「全体的に非正規公務員の給与が正規職員より低いなかで
給与の引き上げ、休暇や手当の向上など
引き続き取り組んでいただきたいと要望します」
と、議会で求めました。
③区立幼稚園職員にも給特法の改正を適用
変更3点目。
>教育公務員特例法の一部改正に伴い、教員特別手当について、規則で定める事項に校務の種類を加える。
国のほうで、小中学校の先生にプラスして手当を出すという改正が行われました。
公務の種類を設定し、たとえば担任にプラスする、といった内容。
区立幼稚園の職員も、それにあわせた改正をします。
ただし、区立幼稚園では、担任と担任外の区別などが公務内容としてないので、
実際の影響はなし。
つまり、この改正による給与の増額などはない、ということです。
実際には、幼稚園には担任がいるわけなので、
担任とそれ以外で変わらないというのは違和感があります。
実態にあわせて、改正内容が適用すべきと思います。
④医師および歯科医師に対する初任給調整手当の限度額を引き上げ
最後の変更点。
こちらは、医療職の初任給に関わる引上げですが、
練馬区の医師職員は2名のみ。
保健所長・保健予防課長の管理職2人で、
実際の影響はありません。
【2】議員・区長・教育長他の給与
第180号 練馬区議会議員の議員報酬および費用弁償に関する条例の一部を改正する条例 第181号 練馬区長等の給料等に関する条例の一部を改正する条例 第182号 練馬区教育委員会教育長の給与、勤務時間その他の勤務条件に関する条例の一部を改正する条例 第183号 練馬区監査委員の給与等に関する条例の一部を改正する条例 第184号 練馬区行政委員会委員の報酬および費用弁償に関する条例の一部を改正する条例
概要
続いての議案は、特別職の給与増です。
180号→議員
181号→区長・副区長
182号→教育長
183号→監査委員
184号→行政委員
と、それぞれ分かれますが、基本の内容は同じです。
先ほどの職員の給与増にあわせて、
特別職の公務員についても、
月額+期末手当の年間支給月数を引き上げる、という内容。
上がり幅は、区職員の管理職の給与の上昇率(3.4%)に合わせます。
職員は4月まで遡り、議員は12月から適用されます。
以上を踏まえ、議会で意見を述べました。


高口の論点
①議員の報酬は、「議員提出議案」にすべき
そもそも、議員の報酬なのに、
「区長提出議案」というのはどうなのでしょうか?
これまで
「議員報酬については、議員提出議案にすべき」
という意見も出ています。
実際、以前は、区長の給与の上げ下げとは別に、
議員提出議案にしたこともありました。
現在は、区職員の給与の人事院勧告に連動し、
自動的に議員にも適用されるという形に変わっていますが、
二元代表制を取っている中で、
勧告に従って区長が議員報酬を提案するよりも、
議会が自分たちで決める方が望ましいと思います。
一方で、議員報酬について、
昨年の改定の際に議員提出議案にしたのは、
豊島区1区のみ。
特にプラスの改定の時は、
議員提出議案にはしづらいこともあると思います。
どのぐらいが適切なのかも難しいところがありますが、
だからこそ、議会や議員の活動のあり方も含め、
議員が主体的に意見を出し合い、議論し、
「こういう理由でこの報酬にした」
と議員自身が説明できるように、
議員提出議案にすることを、検討する必要があると考えます。
↑
…以上を、議会の場で述べました。
議員が主体的に考え、議論していくことが、重要です。
議案の反対理由
会派として、行政委員以外の増額については、
以下の意見を述べ、反対をしました。
↓
職員条例のほうでは、管理職3.4%の理由については、
前回上げ幅が少なかったから今回大幅に上げたという理由だと、
説明がありました。
それをそのまま議員に横引きしていいのか、疑問がありますし、
少なくとも、議会のなかで議論が必要だと思います。
そこも含めて、議員提出議案とする検討を、改めて求めたいと思います。
そもそも一般職員と異なり、私たち議員や、
区長といった特別職の公務員は、
もともとの給与が高すぎるのではないか、という批判が、
区民からはあがっています。
議員の給与増も続いていますが、その間、
特に公務が増えているわけではありません。
実質賃金が下がり続けるなか、区民感情にも配慮し、
行政委員以外の特別職の給与の増額については、
私たちの会派としては反対の立場です。
反対する議員は、増額分を貰うな??
別の議員からは、
「SNSで声高に反対と言っている議員も、増額分を受け取っている」
「返納したらよい」
などと、議案に反対する会派への批判的な発言がありました。
では、増額分を受け取らないことができるのかというと…
区A
- 返納は公職選挙法上の寄付に該当する
- 国会では法律の改正を受けた措置が必要
- 条例は、定額で定める必要がある(条例で報酬の上限額を定めることはできない)
と、区から説明がありました。
制度の議論をしよう!
つまり、受け取らないことはできないのです。
その発言をした方は、私たちに、法律違反をすすめてでもいるのでしょうか?
そもそも私たちは、制度のあり方を議論しています。
受け取る・受け取らないの話は関係ありません。
全く的外れな批判です。
また、何をもって「声高」と言っているのかもわかりません。
単なる受け取り手の印象を、議会で発言されるのは大変残念です。
そもそもWEBやSNSなど様々な場を通じて、
議会での報告をするのは、議員の重要な仕事の一つです。
そのため、政務活動費でも広報活動が認められているわけです。
それさえも否定するようにもとれる発言は、大変残念です。
↑
以上のことも、議会の場できちんと述べました。
建設的な議論ができるような練馬区議会にしていきたいなと思います!
他質疑より
Q:もともと額が高い特別職が3.4%だと、多く上がる
3.4%に合わせることについて、審議会で議論はあったか?
区A
- 報酬額の算定にあたり、審議会で原則を定めている
- R6年2月の審議会
- より客観的で透明性の高いものとするため、人事院勧告をもとにすることがふさわしいとの答申を受けた
- 今回もそれを受けて答申をいただいた
- 22区で同様に、人事院勧告に基づき、改定を行う
Q:会議は非公開。千代田区は公開している
区A
- 処遇に関わるものであるため
- 審議会の『答申書』は記載し、HPで公開
高口Q:22区→人事院勧告に従っていない区があるのか?
区A
- 残り1区は対応が未定
- 審議会→各区、議論進めている最中
Q:なぜ区長と副区長が一緒なのか?
- 区A:執行機関ごとに規定している
Q:監査委員は議員が2名。常勤・非常勤の状況、人材確保は
Q:行政委員会の人材確保は
区A:
- 一般職と特別職は職務が異なる
- 一般職は公募による採用
- 特別職と同一に論じることは難しい
賛否結果
先議
こちらは「先議」、
つまり他の議案より先(質疑翌日の12月5日)に、
急ぎで議決されました。
*他の議案は、議会最終日の12日に議決
賛否結果は以下のとおりです。
委員会で賛否の分かれた議案のうち、
「討論」の申し出があった議案のみ、
本会議で起立採決をします。
ですので、これ以外の議案
(区長、教育長等)も、
反対はあったという前提です。
※練馬区議会HP
https://www.city.nerima.tokyo.jp/gikai/kaigi/r7/dai4teirei/074giketugian.html#cms05427
反対した会派、それぞれ
第180号 練馬区議会議員の議員報酬
反対
共産党、インクル(高口所属)、
つながる、みどりの風、維新の会
第183号 練馬区監査委員の給与
反対
共産党、インクル(高口所属)、
みどりの風、維新の会
第184号 練馬区行政委員会委員の報酬
反対
みどりの風
すべて賛成した会派
自民党、公明党、練馬会議
立憲民主党、生活者ネットワーク、
福祉ループ、参政党、れいわ
※条例名は長いので省略しています