子どもの事故予防議員連盟①品川区児童見守り「まもるっち」視察 ②総会・講演会「科学的な傷害予防の考え方と常識化に向けて」
2025年10月30-31日、「子どもの事故予防議員連盟」の研修会、総会、講演会がありました。
子どもの安全をどう守るか――。
議会で提案するためにも、大変有意義な学びとなりました。関係者の皆様、ありがとうございました。
以下、レポートします。
①GPS・通話機能付き防犯ブザー「まもるっち」@品川区役所
品川区では20年前から、
全児童にGPS・通話機能付き防犯ブザー「まもるっち」を配布。
通報を受けた区のセンターが即応し、
警察や学校、協力者などと連携する仕組みが整っています。
子どもの声かけ事案が23区で最も少ないという成果も!
実際のセンターも視察し、「地域と行政が一体で子どもを守る」体制を学ばせて頂きました。

■概要

「まもるっち」とは、
GPS・通話機能付き防犯ブザー。
導入からなんと、20年。
池田市の事件を受けて
議論となり、導入したもの。
20年も使われているので、
区内に浸透しており、
それがより使われやすい制度に
なっていると感じました。
↓詳しくはこちら
https://www.city.shinagawa.tokyo.jp/PC/bosai/bosai-bohan/hpg000000978.html
■基本的な機能、流れ

- 全児童に配布(新1年約4000台)
- ストラップを引っ張ると、品川区役所の「まもるっちセンター」に通報
- ハンズフリーでオペレーターと通話できる(月〜土、7:30-20時)
- 状況確認→緊急の場合、
→生活安全サポート隊(警察OBOG等19名)、保護者、学校、警察、協力者(約1700名)に連絡
現在は、オペレーターも含めて委託事業(KDDI)で、
端末の中身は、品川区オリジナル!
■オプション
月約千円、保護者負担で
メール機能なども使えます。
ほとんどの家庭が利用されています。
■学校との連携
練馬区では、GPSを学校に持って行く際に許可がいる等の状況ですが、
品川区が配布しているものなので、
問題なく学校に持って行けます。
協力者や保護者には定期的に通信を出しており、
学校からという安心感や、
学校との連携や、学校の理解を得ることも
重視なさっています。
■サポート隊
サポート隊は、セーフティ教室で区内の学校をまわっており、
その際に「まもるっち」の使い方や、
不審者を想定した通報の仕方も教えているそう。
■状況、実績
昨年度93896件の発報のうち、
ほとんどが誤報。
「いいんですよ」と優しく応対し、
通報しにくくならないよう、配慮しています。
緊急事案は、昨年度14件。
すべて110番、警察の対応に。
(虐待や暴力を受けた等)
■効果
「子どもの声かけ事案が
発生割合が23区で最も少ない」
と、統計上も効果が出ているとのこと!
■相談機能
虐待、友達とのトラブル、いじめなどで
「相談したい」という件数も増えており、
相談機能としての役割も担っているとのこと。
この点は、今後も大事になるだろう、
との所感でした。
(約6000件のうち、コア相談200件)
「児童に一番身近な相談窓口」
とのお話は、なるほどと…。
■まもるっちセンター見学
緊急事案を想定した流れを
実際に見せていただきました。
発報があると、
地図画面に、発報地点が表示され、
どこにいるか瞬時にわかります。
家なのか学校なのかもわかるのは、
区独自のデータならでは。
今回は、写真を撮られたというケースを想定。
独自の緊急事案用の聴取メモがあり、
必要な事項を確認。
その間も、子どもを安心させるための声がけも欠かしません。
学校やサポート隊が到着するまでは
通話をつないだままに。
安全が確認できてから対応を終えます。
オペレーターの方のお力や
「子どもたちを守りたい」という思いも、
とても重要だと感じました。
■予算
年間予算は、1億5千万円。
この費用の高さが、他自治体に広がるにはどうしてもネックになりそうです。
(国や都が補助金を付けてくれたらやるところも増えそうですが…)
だからこそ、区費で続けている品川区さんは、すごいなと思いました。
お忙しいなかご対応くださった
品川区職員の皆様、
ありがとうございました。

②品川子育てメッセ2025
ちょうど
『品川子育てメッセ2025』
が開催されていて、
議連の皆様とご一緒に
回らせていただきました。
練馬でも昔「ねりま子育てメッセ」がありましたが、
それぞれの自治体の特徴もあり、
とても参考になりました。

③『子どもの事故予防地方議員連盟』2025総会・研修会
10月30日は、『子どもの事故予防地方議員連盟』
2025総会・研修会に参加しました。

■保育園・幼稚園等対策室 室長、2年目
力不足で大変恐縮ながら…
昨年度から
「保育園・幼稚園等対策室」の室長を拝命し、
今年度も引き続き担当させて頂きます。
子どもの悲しい事故が減らせるよう、
去年以上の活動ができたらと、
頑張ります!
■研修会
NPO法人 Safe Kids Japan理事
北村 光司氏による
『科学的な傷害予防の考え方と
常識化に向けて』
根性論ではなく、
データに基づいて、
特に環境を変える、
環境をコントロールすることによる
事故予防の重要性を
教えて頂きました。
建築基準の柵の高さでも、
4歳位の子どもが軽々登ってしまう
検証映像には驚き…
多方面から連携する大切さも、
おっしゃる通りですね。
■コドジコアワード2025
新たに始まった
『子ども事故予防推進 AWARD 2025』
受賞された自治体の皆様の
先進的で画期的な取組み、
とても参考になりました。
練馬区にも
提案していきたいと思います!
議連の皆様、今年度も
どうぞよろしくお願い致します。