「子どもの事故予防地方議員連盟」で、保育園幼稚園等対策室の室長に&研修レポート

「子どもの事故予防地方議員連盟」にて、
保育園幼稚園等対策室の室長を
務めることになりました。

通称「コドジコ」
私はヒラ会員だったのですが、
お声がけ頂き、お引き受けさせて頂きました。

副室長の皆様に助けて頂きつつ、
子どもの事故予防促進に努めたいと思います。

本日は総会の後、研修会。

【研修① こどものケガを減らす-地方議員ができること】
NPO 法人 Safe Kids Japan 理事長 山中龍宏 先生

■労働災害や交通事故は数値化、データ化され、法制化され、実際に減ってきた
・子どもの事故は同じようなことが同じように起きている

■Accident (事故)ではなくInjury(傷害)

■親の不注意、親の責任にされてきた
・起きてからの話ばかり

■科学的な分析、データ収集と評価が行われていない
・加害者を罰しても、事故予防につながっていない

■傷害予防の理論、事故制御理論
・変えられないもの→子どもの年齢、親の注意度、天気など
・変えられるもの→床の材質、家具の高さ…など

■3E’s
①環境・製品→Environment
②教育→Education
③法律・基準→Enforcement

不可能なこと
(「目を離さないで「二度と起こさないように」等)
→予防に効果はない

1️⃣ 環境・製品→Environment
(例)電気ケトル
・かかる力の実験→簡単に倒れ、火傷が多い
・濡れる面積と時間の関係を検証

➡️転倒流水防止機能のついた電気ケトルが開発
❗️変えられるもの=製品

2️⃣教育→Education
(例)ボタン電池誤飲事故
・アニメーションを作ったが、保護者に見せても
・実験画像→効果あり
❗️伝え方にも科学(評価)が必要

・製品改善案いろいろ出ている
(唾液と反応して色がつく、ハネが出る…など)
→パッケージではなく、製品そのものを変えないと行けない

3️⃣法律・基準→Enforcement
(例)ベビーベッドの柵に足をかけ、転落
→小児科学会
→対策委員会?立ち上げるも、に変えたくない」意見ばかり(メーカー→シール貼ればいい、おまんまの食い上げになる、等…)
→4年?かかって変わったが…

社会全体がまだ、安全にルーズ

⭐️メカニズム解明
→予防策
→製品に活かし
→データ評価

■社会システム、考え方、技術で支える

(例)節分の豆で保育園児窒息、50年前からある
→パッケージに表記する企業も出てきた
「4歳未満のお子様には食べさせないでください」

(例)「ミニトマトを切って与えてと言っても、保育園が聞いてくれない」
→市や都道府県に言ってもなかなか…
→変えるまでに4ヶ月かかった

■東京都「こども未来アクション」
https://www.kodomoseisaku.metro.tokyo.lg.jp/jigyo/kodomo-mirai-action

■窓ガード
・名古屋市で窓ガード配布、でも…
・親は知っていてもやらない
・消費者の責任にしても効果はない
・やらないなら、外部でやらせる

(例)アメリカ→50年前から対策
・貸主に対する窓ガード設置義務化
→貸主の反対はあったが、転落事故激減

■しない理由を調べて解決する
(例)補助錠を取り付けに行くところまでやる

■ベビーベッドの転落が約10年、1位
→政治の力で、データを収集できれば…

■日本学術会議 2023/9/28
『こどもの傷害を減らすための データ収集および利活用の促進』
https://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-25-k230926-21.pdf

⭐️リーフレット配る、は予防じゃない!

■予防のためには、自らの役割を認識することが必要
地方議会議員の役割とは:
1. 地域で起こっているケガの情報を知る(救急搬送データ、日本スポーツ振興センターのデータなど)
2.重傷度が高い事故が起こった場合、警察から情報を得る
3.議会で質問する(調査依頼、対策など)
4.議会の場で、行われた対策の効果について質問する
5.EBPMで取り組み、その活動を地域に広げる

⭐️日常生活事故対策基本法の制定を!
・国の基本方針が必要

■日本の社会通念を変える
・注意しましょう、ではない
・人は間違える
→注意しなくても目を離してもいい環境、製品に

【研修② CDR について~推進してきた医師の立場から~】
国保旭中央病院小児科部長 仙田昌義 先生

■CDR=Child Death Review
・予防のためのこどもの死亡検証

■子どもの死因、子ども虐待、発達障害に取り組んできた

■教育、保育での事故でないと、検証されない
(参考)公園のため池で2歳ぐらいの男児溺れ 意識不明の重体
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240319/k10014396191000.html
(参考)こども家庭庁
「教育・保育施設等における事故防止及び事故発生時の対応のためのガイドライン」
https://www.cfa.go.jp/policies/child-safety/effort/guideline

→狭間にある事故の検証

■2021年度、子どもの死亡は0.24%
→少なく、検証の必要を感じないように見えるが…

⭐️子どもの死亡の1/4は、予防できたかもしれない
・2011年データより
→2021年なら883名が予防できた

■海外の動き
・アメリカ→1972年ロサンゼルス→2022年国立CDRセンター
・イギリス→2006試行、2008年立法化

■海外での効果
・アメリカ→7431提言が実行
(例)プール周囲へのフェンス義務化、車内置き去り厳罰化…など

■日本の動き
・2010年〜
・2011年〜日本小児科学会で取り組み
→小児死亡時対応講習会

・CDR法はない
・日本各地でいずれ開始されると考えているが、
・現在は各地域でモデル事業

■多角的な検証が必要

■実現可能な提言を、効果的に訴える必要
・「保育園の先生頑張ってください」ではない
・変えられるものを探す

■現在、以下の自治体でCDRモデル事業開始!
北海道 福島 群馬
東京 山梨 三重 滋賀
京都 香川島取
→人口の多い東京都が入ったことは大きい

■各自治体でやる意義
・自分事として考える
・実際に検証しないと、 CDRの「文化」が根付かない

(例)香川県
・ライフジャケットのレンタルステーション

■提言の検討
(架空ケース)5歳児が水路で溺水
→水路への対策
→発達の問題
→グリーフケア…など

■自治体議員にできること、すべきおと
・子どもの事故・死亡に関して様々な情報をいろいろな機関が持っている
・その情報が活かしきれておらず、毎日同じような子どもの事故・死亡が発生
・CDRは全てのお子さんの死亡を検討し、予防に繋げる制度
・モデル事業を行っていない府県の議員は、実現できるように応援を
・小児科医、救急医、法医学等で指導的立場にある医師、やる気のある医師にアプローチを

。。。

コドジコの皆様、未熟者ですが頑張りますので、よろしくお願いいたします。

講師の先生、大変勉強になりました。
ありがとうございました。