一般質問(3)「みんなの学校」をつくりたい!(発達障害/教員の働き方改革)

*9/12(水)の一般質問の続きです。
(2)はこちらから→http://koguchiyoko.net/report/20180912ippanshitsumon2/

テーマ2:教育のあり方について(続)

2-3:発達障害への対応について

学校は、第一に子どものためにあります。子どもが学校に合わせるのではなく、学校が子どもに合わせて変わるもの。しかし現実は、多くの子ども達が、画一的な指導のもとで多様性や特性を軽視されがちで、機械的に「みんな一緒」の対応を求められ、苦しんでいます。結局は、どの子にも合わない教育だと言われるゆえんです。

そのひとつの例が発達障害です。「障害」とくくられますが、感覚や認知機能の部分的な偏りや、未発達として理解すべきであり、適切な配慮や補助で、環境に適応する可能性が広がると言われます。たとえば、じっと座るのが難しい子は、無理に座らせるのではなく、回転いすで回る等の感覚刺激を与えれば、落ち着きや集中力が増します。すぐ教室から飛び出していた子が、回転いすを用意しただけで教室にいられるようになった、という実例を聞いています。

大人だって、45分じっとしているのは難しく、座りやすい椅子を選ぶ等、工夫しているはずです。感覚や認知の仕方は、どの人も一人ひとり異なるのです。その子に合った環境の用意は、ワガママではありません。海外では、教室内にソファやハンモック、落ち着くスペースを用意する国もあります。

視力の低い子がメガネをかけるのと同じように、たとえば、聴覚過敏の子にはイヤーマフ等を。多動傾向の子は、シリコンの噛むグッズ、バランスボール等の刺激を。学習障害の子には、タブレット等の持ち込みの許可を。その子に合った「合理的な配慮」で、一緒の教室で共に学ぶ可能性が大きく広がります。

(質問)

しかし、そのような対応をとる学校や教員は、多くはないと思います。現場の先生方が正しい対応を知らないことが、理由の一つと考えられます。発達障害が1クラスに2、3人いるとされる今、研修内容を見直すと共に、初任者研修など必修研修のメニューに「合理的配慮」を追加するよう求めます。お答えください。

(質問)

発達障害の子が、先生から「薬を飲むように言われた」「病院に通うようすすめられた」という相談があると聴いています。「薬を飲まなかったら学校に来るな」とまで言われた子どももいるそうです。処方される薬に対し、副作用や依存性の心配を指摘する声もあります。

2005年11月7日の文教児童青少年委員会で、「やたらに、あるいは不用意に、あるいは無理解に薬の服用等を学校自身から勧めるということはあってはならない」と、当時の指導室長が答弁しました。この答弁が生かされていないのではと危惧します。投薬は医師が専門的に判断すべきです。まして学校の管理のために服薬を迫ることがあるとすれば、二重に子どもの人権を侵害しています。私が聞いたような事実はないのか。あるとすれば教育委員会としての対応について、併せてお答えください。

(質問)

合理的配慮がしづらい別の理由として、学校の体制自体の問題が考えられます。これは発達障害の問題に限りません。平均的な基準に当てはめ、画一的な指導や管理のもとに、子どもを従わせようとし、適応できない子ども達を「分ける」教育。それでは、多様な個性を学び合い、認め合う機会も奪われてしまいます。

『みんなの学校』という映画があります。大阪の公立小学校のドキュメンタリーです。障害等のあるなしに関わらず、どの子も同じ教室で関わりあい、共に育っていけるよう、多様な合理的配慮にもとづくインクルーシブ教育を実践し、不登校0を達成した学校です。教育長はご覧になりましたか。練馬区でも、このような「みんなの学校」をめざすべきです。見解をお聞かせください。

2-4:教員の働き方改革を

また、先生が子ども達に向き合う時間的、精神的な余裕が持てるよう、働き方改革が急務です。区は、都の方針をもとに、今年度計画を策定、来年度から実施予定です。

しかし区は、都の方針に従い、教員の在校時間を週60時間までとする方向ですが、これは過労死ラインです。先生の精神疾患も増えるなか、人間らしい勤務時間を設定すべきです。

(質問)

また、外部スタッフの管理や、地域との連携事業は、新たな管理業務を発生させる矛盾も引き起こします。外部スタッフだけでなく、正規雇用の教員を増やしてこそ、負担軽減になります。区自ら正規教員の増員に取り組むと共に、正規教員増員の財源を、国や都に要望すべきです。お答えください。

 

以上の問題の根底には、子どもの人権が見過ごされがちな現状があると考えます。子どもの人権を守るため、「子どもの権利条例」の制定を要望しつつ、次に移ります。

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