高口一般質問1~子育て支援制度「ネウボラ」で、相談しやすい行政に!

一般質問とは…議員1人につき年1回、自由なテーマで45分質疑できる貴重な機会です(質問25分、区の答弁20分)。

高口は、今回の議会で登壇。

いろいろな人にヒアリングしたり、文献を調べたり、他自治体の事例をあたったり。1カ月半以上かけて、準備をし…(子どもの夏休みが挟まり、苦労しました…)。

野党には、ヤジやイヤミがつきものの練馬区議会なので(このあたりの状況は、議会によって違うようです)、どうしたらいい質疑ができるか、修正に修正を重ねて、臨みました。

何より、私に託された皆さんの思いを、限られた時間のなかで(25分8500字ほど。長いようで短い!)、どう届けていくか。精一杯取り組みました。

区の答弁は、(いつもどおり)残念なところも多かったのですが、これを受けて、今後の委員会などで取り組んでいきます!

10回に分けて掲載しますので、ご意見など、お寄せくださいませ。

★動画もご覧ください!

★当日録画全体→2:45くらいから…
https://smart.discussvision.net/smart/tenant/nerima/WebView/rd/speech.html?year=2019&council_id=62&schedule_id=3&playlist_id=0&speaker_id=0

★議員別「高口ようこ」
*9/10現在更新されていませんが、そのうち追加されると思います。https://smart.discussvision.net/smart/tenant/nerima/WebView/rd/speaker_minutes.html?speaker_id=85&search_index=99

1.はじめに…一人ひとりが尊重されるまちをめざして

初当選から1年半、「区政を身近に」をモットーに活動し、これまで区政とは縁遠かった区民からも、様々なご相談を頂きます。

その声を受け止め、一人ひとりが尊重されるまちにするには、どうしたらよいか
…との思いで、質問します。

よりよい練馬区をめざす気持ちは、皆、同じ。
誠実な答弁を期待いたします。

2-1.子育て支援制度「ネウボラ」について

ワンオペ育児で時間に追われ、つい子どもにイライラ。保育園も学童も入れるか不安、入っても質が心配……ママたちの声は、私自身の経験でもあります。今の子育ての悩みが、私には痛いほどわかります。

★行政に相談する割合が、とっても低い…

練馬区の「子育てニーズ調査」によれば、子育ての相談先として、パートナー、親、友人が70~80%を占めるのに対し、行政に相談する割合は、子育てひろばで8%、保健相談所で4%、子ども家庭支援センターで2.6%と、わずかです。

行政がもっと相談しやすくなれば、安心の子育てにつながるはず。

★子育て支援のヒントが、フィンランドに!

そのヒントが、「幸福度ランキング」で、2年連続世界1位に輝いたフィンランドにあります。フィンランドでは、虐待で亡くなる子どもが、なんと数十年、一人も出ていません。

先日、フィンランド大使館の方を招き、「ネウボラ」という子育て支援の講座を開きました。

ネウボラとは、「相談する場」を意味しますが、単なる相談所ではありません。「どの家族にも問題は起こりうる」との予防的観点から、すべての親子を支える制度です。

厚生労働省は、「日本版ネウボラ」として、「子育て世代包括支援センター」を推奨。練馬区でも、各保健相談所と子ども家庭支援センターを指定し、フィンランドの育児パッケージにあたる「妊娠・育児応援品」をプレゼントすることで相談のきっかけをつくり、妊婦全員面接や赤ちゃん訪問を行うなど、努力されています。

★「ネウボラおばさん」がすごいワケ

一方で、本場フィンランドに及ばない点が多々あり、特に違うのが「ネウボラおばさん」と呼ばれる保健師制度です。一人の保健師が、健診、出産、産後、入学まで一貫して担当。健診に1時間もかけ、対話と傾聴を重視し、ゆっくり信頼関係を築くことで、ささいなことでも相談しやすく、問題を早期に発見・防止できます。

父親、きょうだいを含めた家族全員と面談することで、家族の状況を深くつかむ、家族支援という観点も重要です。

主役は当事者で、専門家はあくまで伴走者として、家族の力を引き出します。

(質問)面接の充実を!

練馬区の場合、妊婦全員面接はおおむね30分程とのことです。面接は最低1時間とし、回数を増やし、対話と傾聴に力を入れる。家族面談を推進するなど、面接の充実を求めます。そのために必要な、保健師等への研修、支援、増員についてもあわせて、区の検討をお聞かせください。

★「人と人との信頼関係」を作れる支援体制を

相談しやすさとは、組織よりも、人と人との信頼関係にある。「困ったら助けてくれる専門家がいる」「子どもの成長をともに見守る人が行政にいる」と、区民が実感できることが重要です。

しかし、担当保健師が数年で異動する、妊婦全員面接を担当保健師が行うとは限らないなど、現状の仕組みでは、人同士の信頼関係を維持しづらく、健診以外での支援が途切れやすい課題があります。そこで提案するのが、チームによる支援体制です。

★渋谷区の場合…1か所に統合、連携しやすく

渋谷区では、中央保健相談所と子ども家庭支援センター、こども発達支援センターを1か所に統合した「渋谷区子育てネウボラ」を、今年5月に設立。担当者からは、「お母さんを動かすのではなく、職員が動き、すぐ別の部署につなげられる」と、連携のメリットを伺いました。

練馬区には、母親学級に子ども家庭支援センター職員が出向く事業がありますが、連携事業はそれのみとのことです。貴重な妊婦全員面接での情報も、虐待等が心配な場合しか共有されていません。

(質問)「どの親子にも問題は起こりうる」との予防的観点から、連携強化を

「どの親子にも問題は起こりうる」との予防的観点から、担当保健師を軸に、保健相談所と子ども家庭支援センターとのチームによる支援体制を構築。必要な場合しか作成していないケアプランを全員に作成して共有する、また、赤ちゃん訪問での連携を強化するなど、すべての親子を支える体制を整えるよう提案します。区の検討をお聞かせください。

★どの家庭も見守る体制づくりを

どの家族も、それぞれ悩みながら、子育てを頑張っています。私が、夫をがんで亡くし、ひとり親となったように、誰もがいつ課題を抱えるかはわかりません。どの親子のこともしっかり見守り、いつどこで相談しても対応しやすい体制づくりを求めます。

★区の答弁(区長)

核家族化や地域コミュニティの希薄化等を背景に、子育てにおいて孤立する保護者が増えており、子育て相談の重要性も高まっています。区、学校、地域団体等、関係機関が連携して子育てを支える仕組みが欠かせません。

区はかねてから、妊娠期から子育て期まで切れ目のないサポートを充実するため、関係部署が連携して、子育てに関する相談体制を強化してまいりました。引き続き、努力を続けてまいります。

★区の答弁(健康部長)

区では妊娠期から子育て期までの切れ目のないサポートの一環として妊婦全員面接を実施しています。

面接では、現在の体調、家族の支援の見込みや経済的なことなどを妊婦や一緒に来られたご家族の方にお伺いします。その上で、あかちゃんの成長発達等についてお話しています。

今後も面接時間の長短にかかわらず、内容をよく聞き取り、妊婦の方に寄り添った相談を心掛け、信頼関係の構築に努めてまいります。

保健師については、研修等の受講に加え、区独自の保健師人材育成プログラムに基づき、専門的な知識・技術を習得できるよう育成しています。人員体制についても、妊婦全員面接の開始に伴い、妊娠子育て相談員を7名配置しました。今後も充実に努めていきます。

次に、保健相談所と子ども家庭支援センターの連携についてです。

妊婦全員面接や赤ちゃん訪問、乳幼児健診などあらゆる事業において得られた情報については、必要に応じて子ども家庭支援センターと共有し、支援が必要な家庭のサポートを行っています。

今後、母子健康電子システムの構築に取り組み、関係部署が迅速に情報共有することにより、きめ細かい支援につなげてまいります。

【*目次*】