練馬区役所新庁舎「北庁舎」、最大553ヶ月の心身障害者福祉手当の未支給・過少支給…他【2025/6/17,19企画総務委員会】
2025年6月17・19日、企画総務委員会のレポートです。
民間ビルへの一部組織の移転「練馬区役所北庁舎(仮称)」
現在、練馬区役所で働く職員は、2700人。
会議室を執務室に移転したり等対応していますが、
スペースが不足している状況です。
そこで、新たに民間ビルを借り、
区役所の北側、現在工事しているビルに、
一部機能を移転するとのこと。
移転する組織はこちら
部署が多岐にわたりますが、
部単位、課単位で移動できるところを選んだ、との説明です。
2026年3月に使用開始となります。
■家賃は月額1500万円
- 月額:1547万円
- ㎡単価:6500円
- 不動産鑑定士2社が鑑定「賃料は妥当」
- 正式には今後の賃貸借契約
- 契約期間:10年間
- その後も必要があれば更新
仕方ないこととも思いますが、かなりの高額です。
■区民情報ひろば
情報公開請求などを行う部署も、移転に。
こちらはあまり、人が増えて入りきれない、というイメージがないため、確認をしました。
- 区:狭隘な部署を移転するところもあるが、それだけの観点ではない
- 庁舎全体が不足
→部単位化単位でまとまって移転可能な組織 - 必要な執務面積をヒアリング
→フロア面積を検討・調整 - 区民情報ひろばは駅からも近くなり、1Fでアクセスしやすくなる
とのこと。
区民の方が情報公開などしやすくなるのは、よいことかなと思います!
(よく議会中に情報公開に行っていたので、議員的にはちょっと遠くなりますが…)
■シルバー人材センターも同ビルに
現在、環境まちづくり公社と同じビルのシルバーさん。
環まち公社が業務拡大
+シルバー側の意向
+フロアが同程度
…という理由が重なり、今回の移転となるそうです。
2025年度平和祈念コンサート、パネル展の開催等
毎年8月に開催する、練馬区の平和推進事業。
今年の内容です。
■平和祈念コンサート
- 8月1日(金)18時〜練馬文化センター
戦時体験の講演
- 西村昭彦さん
- 小竹図書館での語り部経験あり
- 4〜12歳まで小竹町に居住され(現在は他区在住)、戦争を体験
私が住んでいる地域での戦争体験談を聞けること、貴重な機会です。
■複数の方に、語り部を
高口Q:語り部のできる方が年々減っていくなかで、
1人に決めず、一度に複数の方に語っていただいてもよいのでは?
- 区:多くの方にお聞きいただくため、コンサートとあわせて開催
- プログラムとの関係からおひとり30分程度
- 現時点ではこのかたちに
被爆者にもぜひ語り部をしていただきたい、
と、改めて強く要望しました。
■パネル展、新たに、東京都に借りての映像展示も
高口Q:内容は?
A:戦争体験者の証言、東京大空襲、戦時下の様子、生活の様子など
→新しい内容、少しずつですが充実させることは重要です。
シグフィーで学校保護者への周知も行うとのこと。
たくさんの保護者、お子さんに、戦争について知り、考える機会になればと思います。
「練馬区心身障害者福祉手当」の未支給・過少支給→見舞金の支払いへ
「練馬区の心身障害者福祉手当」の未支給・過少支給が発生。
支給するとともに、遅延損害金相当額を「見舞金」として支払いした……という案件。
対象の方は、15名です。
(参考)東京新聞「練馬区が心身障害者への福祉手当を過少支給 15人に計1700万円、最大は46年で計290万円」
https://www.tokyo-np.co.jp/article/368818
■経緯など
- 対象:身体障害者手帳、愛の手帳、精神障害者手帳、脳性まひ等難病の方
- たとえば、身体障害者福祉手当と脳性まひの両方がある方
→確認をせず、止めた事例がある - 未支給の方には福祉事務所お一人おひとりに連絡をとり、説明し、謝罪
- 1月に速やかに支給を行った
■46年以上未支給のケースも!
高口が、「いつからいつまでの未支給・過小支給か?」を確認したところ、
A:8ヶ月〜最大553ヶ月
→553……
なんと、最大で46年……!
昭和後期から気付かないままでした。
*委員会後に所管に確認したところ…
- 15500円と1万円の2種類の支給額がある
- 変更時、手帳をくまなく見ないとわからず、通常はちゃんと見るが、見落としがあった
- 15500円を1万円にしたり、0円にしたり…等のケース
- 昔は人の手で入力
- 今システムは導入されたが、人間が入力するのは変わらない
- チェックリストやWチェックで再発防止に努める
とのことでした。
■他区での報道から発覚
高口Q:なぜわかったのか?
- 区:他の区で未支給がわかり、報道され
- 再度チェックをし、発覚した
報道がなかったら、発覚さえしなかった、ということですね……
あまりの長期間に呆気にとられる程でしたが、
しっかりとした再発防止を求めました。
困難な問題を抱える若年女性支援事業の実施
いわゆる「困難女性支援法」を踏まえて事業を実施する、
えーる(偶数月)や民間カフェ(奇数月)での居場所事業や、
LINE相談を実施。
とてもとても必要な事業です。
高口からは、複合的な課題、背景を抱えている難しいケースもあり、
各所管で連携しながら、ぜひ全庁で力を入れて取り組んでいただきたいと伝え、
後押ししました。
実績
- 4月:えーる→9名(10代6名、20代3名)
- 5月:カフェ→4名(20代)
- 6月:えーる→8名(10代5名、20代2名、30代1名)
*カフェの場所は参加者のみにお知らせ
居場所事業は時間や回数、増やせるように…
今は始めたばかりですが、居場所は月1回のみ。
順次増やしていってほしい、と求めました。
- 区:他の自治体では例がないなかで事業を始めた
- 事業実績、参加の声をふまえ、日時回数は今後検討する
- 水曜→近隣民間団体の居場所がお休みの日で設定
- 近隣とも連携して実施
LINE相談は、夜も検討を
現在は、16-20時。
もう少し遅い時間帯のほうがオンライン相談は需要があるのでは、と聞きました。
- 区:開始は7月から
- まずは事業実績をみながら、時間帯曜日、今後検討
民間施設とも連携を
民間施設との連携も重要。
今後の連携強化を求めました。
- 区:豊富な支援実績にもとづき、運営のアドバイスをもらっている
- 対象者に周知→参加を促すなど協力頂いている
- 協力できること、現在協議中
- 引き続き、連携しながら進める
他会派への答弁より
- 行政につながりにくい、行政の相談のハードルが高い方も多い
- 相談につながってほしいと、始めた事業
- つながっても離れてしまうことが課題とあげられている
- 切れてもまたつながる支援
- つながった後も継続して、その方の意思にそって支援
- 各所管と連携して取り組む
- 福祉部で重曹的支援事業も
- 調整困難なケース→コーディネート
- 「支援調整会議」を今年度から行う
- 実務担当者会議、個別ケース検討会議など
- その方に最適な支援に連携して取り組む
- 啓発:知っていただくことが重要
- 繁華街に職員で声かけ、個別にカードを渡す取り組みもはじめた
- カフェにカードを置いてもらう
- 若い方に届く周知方法検討する
- 事前申込
- 区HPやカードのQRコード→申込フォームにアクセスしてもらう
- カフェ→ごはんの提供があり、事前の数やアレルギーを確認するため
令和6年度公文書の公開状況および個人情報保護制度の運用状況(報告)
いわゆる情報公開請求に関わる案件です。
毎年度の状況をまとめた報告があり、こちらは昨年度(2024年度)の報告です。
(参考)練馬区HP:https://www.city.nerima.tokyo.jp/kusei/johokokai/unyo/
気になった以下の点を質疑しました。
「保護者にメール送信した会計報告書に誤って個人の未納情報を掲載」
「個人情報に係る事務処理ミス」の項目。
「未納」ということなど、絶対に知られたくない情報です。
なぜこのようなことになったのでしょうか?
- 区:メール送信の際、学校徴収金の未納情報が入っていた
- 謝罪した
- 原因→Wチェックしなかった、確認し忘れ
エラーを防ぐシステムに
その他にも、個人情報にかかわるミスがいくつも報告され、同じような状況(Wチェック漏れなど)で起きています。
たとえば、先日の委員会では、
「BCCにすべきアドレスを、CCで送ってしまい、BCCでしか送れないシステムに変更した」
という答弁がありました。
参考:https://koguchiyoko.net/nerima/20250618iinkai_midori/
ヒューマンエラーは起き得るものなので、
システムとして、再発防止の手段をとっていくべきではないでしょうか?
委員会で、そのように提案しました。
委託事業者への不正アクセス3件
卒業アルバム制作会社への不正アクセスの問題が記憶に新しいですが、
他にも、練馬区の委託事業者に、不正アクセスが起きていました。
高口Q:対処や再発防止策などは?
- 区:サイバー攻撃に係ること
- 上2件は同じ事業者(ねりっこクラブと私立保育所)
- サーバーがランサムウェアの攻撃→暗号化された
- 個人情報が閲覧された可能性があるが、データの持ち出しそのものは現時点で確認されていない
- 再発防止策→委託事業者のサーバーの脆弱性→対処
- 事業者に指導
練馬区はもちろん、委託事業者も含め、今後このような状況が続くことを踏まえ、対策を、と求めました。
■データ提供が85%に!
まさにこの報告の年、2024年度から、
情報公開請求をかけた資料の、
データでの提供が始まりました。
ただし、媒体は、CD-R。
報告書にも割合を記載して頂くよう求めつつ、
紙とCD-Rの割合を聞きました。
- 区:2024年度3500件のうち、3000件、85%がCDR
と、一気に、CD-Rが圧倒的多数派に!
■USBやクラウドで提供を!
データで提供できるようになったのは一歩前進です。
一方、CD-Rは、もはやドライブを持っていない人も多く、
ノートパソコンも別売りの付属というケースがほとんどではないでしょうか。
また、CD-Rはごみにもなります。
USBやクラウドでの提供をしてほしいと求めました。
- 区A:仮にUSBで交付した場合、実費が千円
- 他区で1区USBで提供しているところがある
→千円でやっている - 今後、ご要望をふまえ、検討進める
USBはコスト面で課題がありそうですが、クラウドについては答弁がありませんでした。
指定管理者制度適用施設のモニタリング「要改善」の施設
毎年行われる、指定管理施設のモニタリング。
ほとんどが「良」、「優」が少し。
通常、「要改善」はまずない
……のですが、今回
「光が丘体育館他2施設」で「要改善」が付きました。
指定管理者は、「オーエンス・NTTファシリティーズグループ」。
■「要改善」の理由
- トラブルが発生した際、施設からの連絡がなく、区が事後把握することが複数回あった
- 責任者不在であることが多い
- 再三にわたり指導を行なっても改善されず
- 現在、体制再構築を本社主導で進めている
“再三”指導しても改善されない、責任者がいないなど、かなりの問題です。
■次回選定への影響は?
高口Q:次回、契約の更新の際、この「要改善」は考慮されるのか?
次回特定(公募なし)での更新はなしとか、公募に参加できないということはあるのか?
- 区から改善指示→改善報告書を受けている
- 改善に向けた取り組みを進めている
- 要改善をもって次回以降の選定ができるかというと、
指定管理の期間5年のところ、今年4年目 - 「要改善」が改善できたかをあわせて、1〜4年目で総合的な評価
つまり、改善されれば、次回選定もあり得る、という答弁。
改善はしていただきたいですが、厳しく見ていただきたいと、求めました。
工事請負契約
1/31-6/3の期間で行った工事の契約24件について。
平均落札率91.4%/24件平均
いくつもある中で、一つ、向山小の昇降機(エレベーター、エスカレーター)について、質疑をしました。
高口Q:昇降機の契約が厳しいという話がこれまでも出ているが、
昇降機はやはり工事、契約は厳しい状況なのか?
- 区:適正に見積りながら業者との状況のヒアリングもし、問題なく落ちた(契約できた)
「問題なく」と……
一方、練馬区立美術館の昇降機は、
工事の3-4年前も前に、契約をしました。
(参考)https://koguchiyoko.net/nerima/20240918hoseiyosan_koguchi/「問題ない」状況なら、なぜ、美術館だけ、
こんなに早く契約をしたのか、大いに疑問です。