大泉第二中学校の『取組方針』に対する請願・陳情…学校・子どもを守る立場で討論!
陳情・請願の概要と結果
2025年3月11日の文教児童青少年委員会にて
請願第3号『大泉第二中学校の大きな校庭と桜の木を残すことを求めることについて』
陳情第98号『大泉第二中学校の教育環境向上と地域のまちづくり推進の両立を求めることについて』
の質疑・審査が行われました。
簡単にいうと、
大二中の『取組方針』について、
請願3号は反対(大二中を守る、道路反対)、
陳情98号は賛成(道路賛成)、
という、正反対の陳情です。
請願3号は不採択
陳情98号は採択
という結果に。
*質疑の内容は後日レポートします。
高口の討論
そして、3月14日、練馬区議会・2025年第一回定例会最終日。
高口は、
請願3号に賛成
陳情98号の含意に反対
の立場で討論をしました。
以下、討論です
↓
■子どもアンケートの結果
請願第3号『大泉第二中学校の大きな校庭と桜の木を残すことを求めることについて』に賛成、
陳情第98号『大泉第二中学校の教育環境向上と地域のまちづくり推進の両立を求めることについて』の含意に反対の立場で、討論をします。
こどもの権利条約に基づくこども基本法では、こどもの意見を聞くことが明確化され、
今回の大泉第二中学校に関する『取組方針(素案)』でも、
関係する学校の児童生徒へのアンケートが行われました。
結果、「新しくなる大泉第二中学校についてどう思いますか」という質問に対し
最も多かったのは「普通」で52件、48%。
「とてもよい」「よい」を合わせた25件23%の倍以上となりました。
これについて、3月10日に開かれた有識者委員会(※下記参照)の委員は、
「普通」が改善する学校づくりが必要と述べました。
つまり、子どもが「普通」と感じる方針では不十分だということです。
陳情98号は、「教育環境の向上」を求めていますが、
現状の「普通」の案では、陳情の含意に沿うことができません。
■既存道路の改善・対策に取組もう!
また、道路事業が長期にわたることは他道路事業の進捗を見ても明白な事実であり、
学校を早期に改築したとしても、道路が長年開通しない可能性は高く、
陳情者が求める「まちづくりの両立」も見通しが持てません。
陳情者が仰る既存道路の課題はこの先10年以上続くこととなり、
都市計画道路の整備如何に関わらず、区は問題を放置せず、
既存道路の一部拡幅等による改善・対策に、力を入れて取り組むべきです。
■子どもの理解は得られていない!
こどもアンケートについての問題はまだあります。
「とてもよい」の項目はあるのに、「とてもよくない」の項目はなし。
誘導的、恣意的と言われても仕方のない設問設定です。
7件7%を占める「その他」の回答は、
「昔からある学校がなくなる、がっかり」「よくわからない」という否定的な意見。
今回の方針案で、子どもたちの理解は得られているとは言えません。
■桜の木は残すべき
請願3号が求める桜の木については、委員会資料で、
伐採対象となる腐朽空洞率50%以上の木が1本もないことが明らかになり、
桜の木を保全する必要があります。
しかし、今のイメージ図で何本伐採する想定かと聞いても、具体的な数の答弁はなく、
請願者の思いを汲んだ方針になっていません。
■子どもへの影響、デメリットを直視せよ
方針案には、工事中の騒音等は追記されましたが、
工事後の子どもへの問題は、記載がないままです。
新たな道路をつくれば、その道路での交通事故等、新たな課題が生じるのは必定。
排気ガスによる健康への影響、第二運動場までの安全で教職員の負担もない移動方法はあるのか等、
次々と懸念がわきます。
そのため、予算質疑では、計画にデメリットも記載すべきだと問うたにも関わらず、
区は
「方針を策定しないこと、もしくは策定までに時間を要することが最大のデメリット」
と答えました。
私たちが聞いたのは、学校・子どもへのデメリットです。
意図的な論点ずらしは、まさに区の大二中への姿勢そのものです。
子どもへの影響は大したデメリットではないという言い分にも、
練馬区は子どものことは二の次で計画を進めようとしているのだと、強い危機感を抱きます。
■用地買収の実態…「あとをつける」
用地買収の実態も、予算質疑で明らかになりました。
他の道路整備において、区職員と会うことを拒否する地権者に対し、
自宅を3ヶ月間、週1回訪問しつづけ、
さらには食品業者の「あとをつけて」接触に成功した、と答弁。
とても行政とは思えない強引な手口を、悪びれもせず披露する姿に驚きました。
区は4月に組織改正を行い、用地取得専門の職を新設しますが、
このような悪質なやり方で用地買収を進めていると思うと、
「区民に寄り添う」どころか、
あとをつけてまで立ち退かせるなんて、「こ わ い」
…というのが、率直な感想です。
■「ベスト」な案ではない
さらに区は予算質疑で、現在の方針案が「ベスト」とも答えましたが、
有識者委員会では、委員長が、この計画は「100点ではない」と発言。
決して「ベスト」な計画ではないと、有識者委員も認めています。
また、文教児童青少年委員会では、今までのような体育祭はできないのではないか?
陸上トラックもフェンスギリギリではないか?
との疑問の声を届けましたが、具体的な数字も出てきません。
災害時に停電でエレベーターが止まったら、車いす等で2階通路をどう行き来するかも
「検討」という答弁のみです。
■学校を、子どもを守る姿勢を取り戻そう!
どうしても道路が必要と言うのであれば、
小竹小学校のように、学校の地下に道路を通してはいかがでしょうか。
かつての練馬区は、道路から小竹小を守りましたが、
その気概はもう失われたのでしょうか。
練馬区には、道路より学校を、子どもを、子どもの最善の利益を最優先で守るよう求め、討論とします。
※3月10日「第24回有識者委員会」
3月10日、「有識者委員会」が、初めて公開されました。
24回目にして、初。
これまで非公開で、長年公開が求められてきて、ようやく、です。
傍聴したところ、委員からいくつか重要な発言が出てきていました。
今回の討論で参考にしたところもあり、以下、記しておきます。
委員長
「きわめて稀で、非常に厳しい状況から始まった」
「100点ではない」
「かなり合格点に達したものと認識」
委員A
*子どもアンケートの結果で、「普通」が過半数を占め、圧倒的多数だったことについて
「『普通』が改善する学校づくりを」
「中長期的な展望と、直近の課題に対応を」
委員B
*工事中の課題について
Q「学習の集中力が奪われる懸念。想定以上の細かな配慮が必要」
「聞こえない音も気になる生徒もいる」
「騒音だけでなく、粉塵など総合的な配慮を」
教育振興部長 A「ゼロにはできないが、可能な限り影響ないよう、授業のない時間にするなど(対応)」
委員C
Q「改築工事、小学校中学校で連続する事態に配慮を」
区A「一般的には、小中で一定程度あける」
「先に中学校、小学校で行う(のが一般的)」
Q「体育祭、地域の方がたくさん参観する伝統行事。参観スペースを確保いただけるか。配慮をよろしくお願いします」
区A「今後ご意見をいただきながら、教育環境の確保を(検討)」