子ども・教育の各種計画、策定へ【2025/3/11文教児童青少年委員会】
2025年3月11日、文教児童青少年委員会のレポートです。
子どもの意見を最優先すべき!
この日は、12月に大量に出てきた計画素案の、パブコメの結果と、素案から「案」になったものが出されました。
練馬区議会では、資料は当日しかもらえないので、目を通す時間が少なすぎる問題が。
特に今回のように、量が膨大な場合、事前に目を通し、吟味して質疑の準備「時間があれば、といつも思います。
また、いつもながら、たくさん意見が来ても、ほとんど修正されず。
特に、子どもの計画で子どもから意見が来たら、真っ先に何より最優先で、しっかりと修正、反映させ、
「意見を出してよかった」
「自分の声で、変えることができるんだ」
「また意見を出そう」
と子ども自身に実感してもらえることが大切です。
委員会の場でも、それを求めました。
では、今回の4計画の『案』について、解説していきます。
練馬区教育振興基本計画 中間見直し(素案)→(案)
素案の解説はこちら
https://koguchiyoko.net/nerima/20241209iinkai_bunkyo_kyoikukosodate/
意見件数
107件(58名)
うち子どもの意見は74件(46名)
↓
反映された意見は3件
うち子どもの意見2件
↓反映された変更点はこちら
■学校で取り上げることが大切!
子どもからの意見が多かった理由は、授業で扱ったところがあるから、とのこと。
他計画でも、子どもの意見が多く届いたのは、やはり学校で扱われたとのこと。
学校で取り上げてもらうことが重要だとわかります。
■子どものリアルな声
子どもからのリアルな、生の声の数々。
普段子どもたちが何を考え、どんなことに困り、学校生活を送っているかがわかり、とても参考になります。
そのうち練馬区のホームページにも意見一覧があがるので、ぜひ見ていただきたいですが…
たとえば、勉強に関することの他、
・学校にこんなものがほしい
・学校でうさぎを飼いたい
といった素朴な意見から、
・校則をなくしてほしい
・制服はなくすべきだ
・誰かに迷惑をかけるわけではないため、メイク、ピアス、髪染めを許可してほしい
といった問いかけ、
そして
・男性の先生が女子生徒に身だしなみの指導をしないでほしい
・すぐに怒る先生はやめたほうがいい
・変な教師を増やさないでほしい
という、切実な訴えまで。
後者には、子どもたちが今悩んでいること、
子どもからのSOSの可能性もあります。
練馬区の答え方も、しっかりすべきですが…
「先生が生徒に対して正しい身だしなみの指導を行うことは大切なことです」
「今後も指導法について考えていきます」
「信頼できる大人や信頼できる先生に相談してみてください」
といったもの。
もし、その子が悩んで投稿したとしたら、
この回答で「書いてよかった」と思えるでしょうか?
もっとはっきりと
「ぜひ教育委員会に詳しく相談してください。区としてしっかり指導をします」
といった、子どもが安心できる回答をすべきではないでしょうか?
そう求めたところ、
区からは「SOSを出す方法は繰り返し伝えている」
との答弁でした。
子どもからの意見を大人がどう受け止め、どう返答するか、大人の側のあり方が問われている。
今回のパブコメで、それがより明確になりました。
特別支援教育実施方針(素案)→(案)
素案の解説はこちら
https://koguchiyoko.net/nerima/20241219iinkai_bunkyo_tokubetsushien/
意見件数
55件(23名)
うち子どもからの意見は2件(2名)
↓
反映された意見は10件
うち、子どもの意見は0件
主な変更点はこちらで、
大きな変更はありません。
■子どもに伝わる資料をつくる難しさ
『教育振興基本計画』と比べると、
子どもからの意見が、かなり少なく感じます。
2件のうちの1つは、
「特別支援教育実施方針とは何かわからない」
というもの。
そもそも、この方針が何かがわかるように作るのが、子ども版計画、子ども向けの資料のはず。
それなのに、そもそも伝わっていないというのは、重い意見です。
福祉の部署の障害者計画では、障害当事者をまじえて、わかりやすい概要版を作っています。
特に今回は、障害をもつ子どもにもわかるように資料をつくる必要がありました。
子ども、障害児をまじえて概要版をつくるよう、委員会で求めました。
■石神井小学校増築、特別支援の教室に影響
今回パブコメでは、石神井小学校増築について、
という意見も寄せられました。
現在の計画だと、増築する棟への渡り廊下横に特別支援学級があり、
騒がしさが苦手な子どもたちへの影響が懸念されています。
高口からも、その声があることを質疑。
「今後保護者と意見交換していきたい」
との答弁でした。
練馬区子ども読書活動推進計画(第五次) (素案)→(案)
素案の解説はこちら
https://koguchiyoko.net/nerima/20241209iinkai_bunkyo_dokusho/
意見総数
127件(87名・1団体)
うち子どもからの意見は89件(80名)
こちらも子どもの意見は多め!
反映されたのは7件
うち子どもの意見は3件。
…ですが、大きな変更はありません。
子どもへの回答の姿勢
高口が気になった区の回答はこちら
練馬区がせっかく電子図書をいれ、学校のタブレットでも使えるようにしたのに、
朝読書に使えるのか心配する意見です。
学校でちゃんと使えるように「通知してほしい」
と求めているのに、
「先生に相談して」
という回答…
冷たいというか、
区として取り入れたものがしっかり現場で使われるように通知すべきでは??
そう問うたところ
「学校に周知したい、していきたい」
との答弁。
(まだしてなかったんかい…?と…汗)
第3期練馬区子ども・子育て支援事業計画(素案)→(案)
素案の解説はこちら
https://koguchiyoko.net/nerima/20241209iinkai_bunkyo_kyoikukosodate/
意見件数
406件(267名)
うち子どもからの意見は255件(227名)
人数ベースでは、なんとほとんどが子ども!!!
素晴らしいですね。
特に最初に、「子どもの権利」についての意見が複数あり、
反映されたことも素晴らしいです。
反映されたのも、76件
うち子どもの意見70件
とても多いですね!!!
(とはいえ、大きな変更はありません)
■児童館の意見が多数!反映されるが…?
特に多かったのは、児童館への子どもの意見。
児童館に遊具(ゲーム、ボール、おもちゃ、マンガ等)を…
という意見が、68件とまとめられています。
しかし…
ゲームがほしい、
ボール遊びがしたい、
マンガを読みたい、
飲食ができるスペース
スポーツができる場所
勉強ができるところ
これらは、すべて、意見した子どもにとっては、別々の要望、別々の意見ではないでしょうか?
スポーツしたい子が、おもちゃがほしいとは限りません。
大人は同じものとまとめてしまうけれど、
子ども一人一人のニーズを、個別のものとしてどこまで尊重し、どう拾い上げていくか、
大人の側のアンテナ、感度の高さが求められているのではないでしょうか。
しかも、反映されていることになっていますが…
↑修正されたのは、このかたち。
「児童館がよいよい居場所となるよう、引き続き子どもの意見を聴きながら充実を図る」
と、これで、意見を出した子どもたちは
「自分の意見が計画に反映された」
と感じることができるでしょうか?
実際に、ボールあそびができるようになったり、おもちゃが増えたりしないと、実感できないのでは…?
子どもが求めていることと、
大人の側の回答との、大きな溝、大きなズレを感じます。
やはり、大人の側の受け止め方に、もっと検討や、研修が、必要ではないでしょうか。
■パブコメを尊重すべき!
注目は、谷原保育園をはじめ、区立保育園を守ってほしい、という意見の多いこと。
区民の声、パブコメを重視するとは、こういう意見こそ取り入れるべきですが、計画には反映されていません。
■子どもに嘘をついていいの!?
「ねりっこクラブがあるといい」
という子どもの素朴な意見に対し
「少しでも早く、すべての区立小学校でねりっこクラブができるように進めていきます」
と回答していますが、
小竹小学校では、どんなに求めても全く進めようとしません。
子どもに嘘をついて、大人として、行政として、恥ずかしくないのでしょうか?
こちらの4計画は、3月末で策定され、成案となる見込み。
パブコメ含め、練馬区ホームページでも見られるようになると思いますので、ぜひご覧ください。