【高口・予算質疑】障害児の学童待機対策、保育園等の性暴力対策、中高生の居場所事業

2025年3月3日、予算特別委員会、こども家庭費で、高口が質疑をしました。

  • 障害児の学童待機対策を提案
  • 保育園等、こども施設での性暴力対策、強化徹底を
  • 中高生の居場所事業、様々なニーズに沿った場を提案

↓以下、質疑です。

障害児の学童待機の対策

共働きが増えるのにあわせ、当然、
障害のあるお子さんを育てながら、共働きする保護者も増えています。

一般質問で述べましたが

障害児の受け入れ枠が不足し、待機児童が出ているなかで、
特別支援学校の子も、練馬区の学童や区内の放課後デイサービスに入れたいけれど、

放課後デイサービスでは移動支援が使えなかったり、
学童では移動支援が使えても、事業者が見つからない課題があります。

放課後等デイサービスの移動支援はぜひ使えるようにと求めた上で、

移動支援の事業者不足、運転手不足や、
障害児にとっては移動の負担がより大きいことなど、
そもそもの移動の課題を考えると、
特別支援学校にも、東京都が学童、放課後の居場所事業を実施する必要があると考えます。

Q:

区としても、都に特別支援学校での放課後事業の実施を働きかけていただくよう、
私からも要望した上で、

東京都でも、そういう動きがあるとも伺っており、都の現状や動向について伺います。

A:【子育て支援課長】

東京都におきましても、特別支援学校において、当区で言うところのひろば事業に当たる放課後子ども教室が実施されております。

ただ、実施校につきましては、59校中9校、また、各校の年間実施日数につきましても非常に僅かといった状況だと把握をしております。

また、令和7年度の東京都の予算の中で、新規事業として聴覚障害特別支援学校で空き教室を活用した放課後の居場所づくりが示されたことを区として把握しているところであります。

【高口】

始めたり、少しやっているけれども、学童としてはまだ機能していないのかと思います。

ぜひ学童として安心して過ごせる居場所となるように、都に働きかけをお願いします。

 

保育園等での性暴力対策、強化徹底を!

一般質問で、保育園の性暴力対策を質疑しました。

一義的には施設が対応するので、施設でマニュアル等をつくって対応する。
区としてはそれを、区の園長経験者の職員が巡回支援で
チェックやアドバイスをしているとのことでした。

直営の保育職員は必要だなと思うわけです。

最近は保育園でも性教育でプライベートゾーンを触らせないなどと
教えているところもあります。
ただ園によって意識の差もあるようです。

保育園でも年齢に応じた包括的性教育の実施を要望します。

以下は、保育以外の施設も含めた子ども全般の性暴力対策について伺う主旨ですが、

他の子ども施設でも基本は同じ対応ということなので、
保育施設で伺っていきます。

①専門家につなぐ対策→徹底を

子どもが万が一、性被害を受けた場合、親や保育士、教員等の立場としては、
根掘り葉掘りいろいろと聞きたくなるものです。

しかし実は、詳しく聞かないということが重要で、
本人が話すことは止めずに聞きますが、それ以上は聞かず、最小限、
「誰に」「何をされたか」の2点のみ確認したら、
あとはワンストップセンターや警察や児童相談所に相談をする。

その後、専門家が、調査・捜査面接である司法面接で、
1回で聞き取りを済ませる仕組みになっています。

何度も聞くと、子どもの中で記憶が混同したり、
大人が反応してくれなかったことは言ってはいけないものと思って、言わなくなったり、
日時など細かいことで齟齬があると、後々裁判等で不利になることもあるためです。

Q:

被害に遭った際、大人が子どもに詳しく聞かないという初動対応の重要性が
被害児を守ることになる点について、区の見解が一点、

また、区として施設や保護者にそれを周知徹底いただきたいと思います。

2点伺います。

A:【保育課長】

まず、令和5年に、国が保育所等における虐待等の防止及び発生時の対応等に関するガイドラインを設けています。

このガイドラインには、不適切な保育、また性暴力等の虐待は、どのような行為が該当するのか、また、保育所等での虐待防止や発生時の対応に関して、各保育所や自治体に求められる事項を整理したものです。

被害に遭った子どもへの声がけの方法、または聞き取りの方法など、詳細な内容については記載がございませんけれども、

こういったこのガイドラインを受けて東京都が対応の詳細について各施設に示しています。

こちらの対応の詳細には、子どもからの聞き取りの際の注意点、また、警察や都との連携などについても記載されてございます。

区としましては、巡回訪問などの機会も活用しまして、改めて、こういった対応についての周知啓発に取り組んでまいりたいと考えてございます。

【高口】

保護者としては、子どもにそういうことがあったら聞きたくなるというのが心情ですが、
それが子どもにとってよくないと後から知るのはとてもショックだと思いますので、

ぜひ、施設だけでなく保護者に対しても初動対応の重要性を周知徹底いただきたいと思います。

 

それから、先ほど国のガイドラインの話もありましたが、各園が作っているマニュアルは不適切保育全般で作ってあって、性的虐待に特化したものではないと伺っております。

こういった性暴力特有の課題があるので、ぜひ、区としてその周知徹底をしていただきたいと思います。

 

②専門の研修を

それを求めた上で、チャイルドファーストジャパン主催のリフカー研修(RIFCR™研修)というのがあって、

「適切な機関につなげるために子どもたちから何をどのように聞くべきなのか」、
「通報後に実施される司法面接で、彼らに被害事実の詳細を語ってもらうためには、
最初の聞き取りの際、どういうことに気をつけなければならないのか」

を学ぶ専門の研修です。

練馬区でも聞き取りの研修をやっているそうですが、子どもに関わる職員が
全員研修を受けて、適切な対応ができるようにしていただきたいと思います。

Q:

区が行っている研修の内容と、今後受講者を増やすための工夫についてどうするのか
伺います。

A:【保育課長】

研修につきましては、今年度、「ねりまな」と呼んでおります区の研修で、性的虐待に関する研修を2回実施しています。

全ての保育施設の職員が受講できるもので、合計135名の参加がございました。

研修内容としては、性的虐待防止の啓発、それから、事実発生時の子どもへのヒアリングを含めた対応方法となってございます。

各施設におきましても、ご紹介のあった内容も踏まえて独自に様々な研修を実施しているものと承知してございます。こういった研修を活用して知識の底上げを図っていただくよう、各施設にも働きかけてまいります。

【高口】

「ねりまな」以外にも受けている園もあると思いますが、135名ということで全部の方ではないと思うので、
ぜひ、多くの保育士だったり職員の方が受けていただくように、
積極的に働きかけや周知の工夫など、区としてやっていただきたいと思います。

昨今は、保育に限らず社会の様々な分野で性暴力の問題が起きていて、根底には、
日本社会が抱えてきた根強いジェンダー差別があります。

その上で、バックラッシュとか、被害者たたきとか、二次被害がSNSを中心に広がる
恐ろしさもあって、子どもへの性加害を深刻にしていると思います。

こういったところへの対応も視野にいれていただきたいと思います。

③トラウマケア

性暴力を受けた子どもたちには、専門のトラウマケアが必要なケースが少なくありません。

性暴力によるPTSD発症は、戦争よりも多いというデータもあります。

Q:

トラウマケア、PTSD治療のできる専門の医療機関は少なくて、
被害者やその家族が探しても見つからないという課題があります。

区として情報収集をして、情報提供したり、
専門の医療機関につなげる体制を保険相談所などとも連携して

整えていただきたいと思います。見解を伺います。

A:【保育課長】

区としても、被害児童へのケアは重要だと考えてございます。区内を含めて都内でも専門的に対応できる医療機関は少ない状況でございます。

東京都は、都の性犯罪・性暴力被害者ワンストップ支援センターの「子供・保護者専用ホットライン」、

また、警視庁の被害者支援室の相談電話の活用を推奨してございます。

また、区のこども家庭支援センター、学校教育支援センターと連携しまして、必要に応じて外部の専門家、カウンセラーなどの活用も含めてご案内をしてまいります。

【高口】

ケアを受けたいと思っても見つからない中で、区としてホームページに一覧を出すことはできなくても(※補足:難しいかもしれないので)、こういうところの評判がいいといった情報を収集して、いざというときに被害者に提供できるようにしていただきたいと思います。

中高生の居場所事業

①栄町児童館の移転後

栄町児童館が令和8年度、(2026年度)旭丘の小中一貫教育校の校内に移転します。

学校に児童館が入るのは区で初めてで、
中学校併設も、唯一のケース、おそらく今後も唯一ではないかと思います。

Q:

小学生はランドセル来館ができますが、中学生についても、せっかく同じ敷地なので、

放課後部活の生徒は1回家に帰らなければいけないのですけれども、

下校後にそのまま立ち寄って居場所にできるよう、学校とも連携をはかって頂きたい点が1点。

中学生が運営にも関わったり自主的な活動ができるように積極的に連携してほしい点が1点。

2点伺います。

A:【子育て支援課長】

学校から直接児童館に立ち寄るケースは、ランドセル来館の場合も必ず事前にご登録等々をいただいて運営しています。

中学生が自宅へ帰らず直接児童館に来る場合は、例えば、帰宅路の保険の問題など様々に検討しなければいけない課題がございます。

中学校と一体で整備される児童館が最大の特徴になりますので、こちらを生かして、どのような運用ができるか検討してまいりたいと考えております。

次に、中学生の企画等の参加でございます。現在、区内の児童館では様々な形で参加していただいております。

いくつかの例を紹介させていただきますが、なかよし児童館におきましては、中高生が小学生向けの行事を光が丘体育館で企画運営いたしました。

ドッジボール、しっぽ取り、ドロケーといった遊びを仕切って大変盛況な状況でした。

また、平和台児童館におきましても、中学生が毎日ダンスの練習にいらっっしゃっていて、職員がお声がけをしたところ、小学生向けに教えていただくダンスクラブが発足したという事例もたくさんございます。

学校の敷地に位置する特徴を生かしまして、こういう中高生の参加がさらに活発に行われるよう工夫をしてまいりたいと考えております。

【高口】

職員の声がけが大事で、栄町児童館で今までやってきたことをぜひ生かしていただきたいと思います。

中学生は忙しいので、1回帰ってということが無いように、(行き来の)時間も短縮することが中学生の居場所が活発になる要因だと思うので、ぜひ前向きな検討をお願いします。

 

②居場所のあり方

中高生の居場所の在り方をいくつか調べて考えたのですが、それぞれの多様なニーズがあると思います。

今、話の出た北町はるのひ児童館や青少年館のように、楽器等の趣味ができる環境、

あるいは、Wi-Fiがあって、充電ができて、友達と集まってゲームしたり、
おしゃべりしたり、お金を使わずまったり過ごせる場。

これについては今の児童館での事業の拡充や改善でできると思うので、ぜひ対応お願いします。

また、NPO法人CLACKが今年1月に、練馬区近接に開設した
テクリエさぎのみや」は

「家庭の事情や経済的事情などに関係なく、中高生が最新の技術に触れる機会や安心して学べる環境」を目的として、

VRや3Dプリンター、レーザーカッターなどのデジタル機材が揃い、ものづくり、クリエイティブ活動に取り組める施設です。

Q:

こういったデジタル機材が自由に使える場を求めている中高生もいると思いますので、ぜひ練馬区でも設けて頂きたいですが、伺います。

A:【子育て支援課長】

練馬区におきましては、北町はるのひ児童館の例が出ましたが、改修、改築のタイミングにおきまして、中学生、小学生のご要望を踏まえて、最新の動向、例えば今お話がありましたデジタル等も含めて、区民の方に喜んでいただけるような施設となるよう検討して整備しております。

引き続き、そのように取り組みをしてまいりたいと考えております。

A:【高口】

他にも、NPO法人カタリバでは、2022年から、「地域接続」をスタートして、活動に参加したい中高生と、参加してほしい地域団体をつなぎ、中高生の居場所を地域に増やしていく、作って行くという取り組みを行っています。

ぜひ、こうしたことも踏まえて、それぞれの様々な居場所が作られるように、他部署と連携していただきたいと要望して、終わります。


※時間切れで最後の質問がしきれなかったので、以下に準備した原稿を掲載しておきます。

他にも、NPO法人Learning for allの運営する居場所では、
「規範や固定された関係などから来る息苦しさから離れられる」場として、
「普段の自分が出せる」ゆるい関係性を大切にし、
不登校や、集団にいづらい子どもも来ています。

「自分のことをたくさん話したい子どもが多い」
「様々なルールに縛られない場所を欲しがっている」
「そのままの自分でいいんだよ」と承認される場がほしい」
とのことです。

NPO法人カタリバでは、2022年から、「地域接続」をスタート。

活動に参加したい中高生と、参加してほしい地域団体をつなぐことで、
中高生の居場所が地域に増えると同時に、中高生が社会に目を向ける機会になれば
という狙いで、実際に

「仕事の中での成功体験や、外の社会で認められたことから、大きな変化が生まれた」
「大学進学後に挑戦してみたいことが新たに見つかった」
というプラスの効果が出ています。

まとめると、

①趣味を充実させる
②友達と自由に過ごせる
③学びや体験につながる
④家や学校に居場所がない子も自分らしく過ごせる
⑤地域の中に居場所を広げる

といったパターンがあるのかなと思います。

Q:区も、中高生それぞれの多様なニーズにあわせた、様々な場をつくることを
他所管と連携して取り組んでいただきたいですが、見解を伺います。