【高口・予算質疑】災害時の清掃職員の活躍、豊玉リサイクルセンター移転、練馬大根を守れ!…他

2025年2月25日、練馬区議会・予算特別委員会「環境費・産業経済費」での高口の質疑です。

  • 災害時の清掃職員の対応
  • 区直営の清掃の作業員・運転手を残す重要性
  • 桜台に移転するリサイクルセンター
    →コミュニティづくりの提案
  • 有機給食導入を求めたうえで…
    練馬大根の発育、気候危機下での対策を!
  • 国の第7次エネルギー基本計画
    →区の再エネ拡大のためにも、原発回帰には問題アリ

といった論点で質疑しました!

↓以下、質疑です。

清掃リサイクル…災害対応と職員の重要性

★特殊業務、災害対応は直営職員が大事!

昨年1月の能登半島地震の後、練馬区の清掃職員が
環境省の災害廃棄物処理支援員制度により、七尾市に派遣されました。

こちらは、災害復興支援の廃棄物処理に関わったことのある職員を登録する制度、
いわゆる人材バンクで、

当時23区では練馬区の職員一人しか登録されておらず、
一本釣りで環境省から声がかかって実現したとのことでした。

練馬区の清掃職員すごいな!と誇らしい気持ちですが、
災害の多い日本では、今後も要請があるだろうと思います。

練馬区では、こういった特殊業務は基本的に直営職員が担っており
能登への派遣も、区直営の職員と車で行ったそうです。

Q:高口
  1. 直営職員が行くことのメリットが1点、
  2. 委託事業者に対しての都を越えて他県への災害支援派遣の協定はあるのか、

2点伺います。

A:【清掃リサイクル課長】

まず、清掃職員の取り組みを褒めていただき、ありがとうございます。

まず、直営の職員が災害派遣に行くメリットでございます。

災害支援に行くことで、災害(波及?配給?)処理に必要な知見を得ることができます。
また、区の清掃職員はこれまで収集支援だけではなく公費解体に係る事務や仮置き場の運営の支援に関わってきました。

実際に災害が起きた際に、これらの経験を活かすことが事できると考えております。

次に協定についてです。

23区が被災した際に、災害廃棄物の収集運搬や、
仮置き場等の運営を要するための協定を、23区と民間事業者で締結しております。

ただ、他の自治体へ派遣協力を要請する協定はありませんが、
東日本大震災の際、23区がごみの収集運搬を委託している事業者団体は、環境省の要請を受け、独自に災害支援を行っております。

災害廃棄物の処理責任は、市区町村にあるため、各自治体が災害廃棄物処理に対応できるよう平常時から民間事業者等と協定を締結するなど備えておくことが必要です。

【高口】

直営としてのメリットとしては、知見、これまでの経験、ノウハウを活かせるということ。

それから委託は委託として大切だと思っています。
依頼すればやってくださる委託事業者もあると思いますが、
委託の場合派遣に行った分本来の業務ができなくなって、
経営を圧迫するという課題があると思います。

★練馬区に災害が起きた時は…→直営職員も重要!

災害ごみの処理など、区として責任を負わなくてはいけない業務が絶対にあって、
その一つが清掃だと思います。

今年度末『練馬区災害廃棄物処理計画』が策定予定ですが、

練馬区に災害が起きた際、直営の車両と運転手と作業員がいるかどうかで、
災害時の迅速な対応や機動性に違いが出てくると考えます。

現在、練馬区には、車としては小型プレス車3台、
大型車2台、小型ダンプ車2台などがあります。

作業員は、数年に1回、数人ながら、採用がありますが、
運転手は長年採用がなく、退職不補充で、今10人しかいらっしゃいとのことです。

直営の運転手が退職して減ったり、いなくなったら災害時の対応も心配になりますが、

Q:高口
  1. 直営と委託で、災害時の対応の違いを教えていただきたいのが1点目、
  2. また、能登での災害派遣では、七尾市が清掃事業をすべて委託しているために、市の職員が集積所等を把握しておらず、清掃ルートの地図もなく、支援が困難だったそうです。
    練馬区でも、直営職員がいないと、災害時対応や、そのノウハウもたまらなくて、困るんじゃないかと思いますが、

見解を伺います。

A:【清掃リサイクル課長】

災害時におきましても、集積所での収集などは、可能な限り平常時と同様に委託事業者等と直営で収集を行います。

瓦礫などの災害廃棄物の収集や一時仮置き場の運営など、災害時特有の業務については協定に基づき民間事業者に委託して行います。

いずれの場合も、区は平常時と同様、集積の場所の管理も含め、委託管理を行います。

昨年12月に公表した、災害廃棄物処理基本計画素案では、災害で発生する廃棄物への対応力を向上するため、平常時から、職員や協定協力事業者との共同での訓練に取り組むこととしております。

【高口】

委託の場合は、練馬区で、優先的に配車されるわけではなくて、23区で数を決めて、配備されることになります。

直営であれば、練馬区のために区の仕事を確実にやってくれるということがあります。

委託のみならず、直営の運転士と車があるということは、とても安心だと思います。

今いる区職員の運転手の方からは、自分たちが培ってきた技術や経験、思いを伝え残すことが、新しい方がいないのでできないから、モチベーションにも関わるんじゃないかとおっしゃっています。

組合としても長年採用を求めている中で、他区では、運転士を採用する区も出ており、災害時のためにも、運転士の採用を求めます

★地域係が重要!

通常の清掃業務についても伺って行きますが、

練馬区の特徴として、「地域係」という所を作って、ふれあい環境学習や、
地域のお困りごと、クレームの対応部署なんかを専属に作って対応していますが、

Q:高口

この具体的な業務と、地域係があることのメリットを教えてください。

A:【清掃リサイクル課長】

地域係は両清掃事務所に設置し、令和6年度は統括技能超を含め区全体で56人を配置しております。

地域係は、環境学習やあおぞら集会、集積所相談、事業者への排出指導など、住民対応、事業者対応を行っております。

また、福祉部などと連携し、ごみを溜め込んでしまった高齢者等の環境改善を図る「アシスト事業」を行っております。

清掃事業における地域のお困りごとを解決する、専属の係を設置しているのは、23区で練馬区のみです。

専属の係を設置することで、きめ細やかな住民対応ができています。

【高口】

細やかな、住民対応ということで…

他区では作業員が作業の合間に対応するということで、
専用の係があることは、区民対応が手厚くなるとか、高齢者への支援なども手厚くなっていって、
とてもよい、メリットのある事業だなと思っています。

地域係での困難なクレーム対応なども、
普段から清掃業務をやっていて、収集のノウハウがあるからこそできることだと考えます。

★豊玉リサイクルセンター移転後→コミュニティを育む施設に!

清掃の方々の心意気、熱意も伺ったんですが、とても素晴らしくて、
「もっと区民のためにできることはないか」
「もっと新しく区民サービスができないか」
と、みずから勉強し、提案までされていて、すごいなと思います。

たとえば先日行われた練馬区職労主催による清掃リサイクルの勉強会では、

誰もが日々関わるゴミ出しと、高齢者支援やコミュニティづくりを一緒にできないか、

という話があったり、

超高齢化社会で心身が弱ったり、認知症が進行したりなど、
ごみ出しが難しくなっていて、ごみ屋敷とかにも進んでいく、
となってしまうことがある中で、

「日々地域をくまなく回り、知り尽くしている清掃職員だからこそできることがある」
という話が出ていました。

その中で、奈良県生駒市では「ごみ捨て」と「コミュニティ」を掛けた
「こみすて」という取り組みを行っているそうです。

生ごみから堆肥をつくり、それを待っている間に、
“井戸端会議”ができるよう工夫され、コミュニティを育む仕掛け、ということです。

https://jichitai.works/article/details/800

豊玉リサイクルセンターの移転が示されていて、
移転先が実家に超近いんですけど、

練馬区でも、新しいリサイクルセンターで、
井戸端会議ができたり、コミュニティが醸成できる施設にしていただきたいなと思います。

建物としてはやはりエコハウス、高断熱で、
災害時にも避難できる施設にしていただきたいと思います。

あのあたりは農地がまったくないということもあって、
施設の一部を畑にしたりして、みんなで農園をつくって、
持ち込まれた生ごみで堆肥をつくって、
そのできた野菜で野菜パーティ♪をしたり、

JAあおばも隣接しているので協力もあおいだりして、
コミュニティを育むような仕掛けをしていただきたいなと思います。

Q:高口

練馬区は方針として体験型の施設、とおっしゃってるんですが、
一度体験に来て、それで終わり、というものではなく、畑があったり、
リサイクルに触れたり、何度も通って、コミュニティーの育める施設になるようにして
いただきたいと要望しますが、見解を伺います。

A:【清掃リサイクル課長】

リサイクルセンターは、現在においてもボランティア中心に、様々な講座やイベントを実施すると共に、再利用家具の販売などにより多くの方が来館しております。

令和5年度の来館者数は、4館合計で約153000人でした。

移転後の豊玉リサイクルセンターについては、講座や、再利用家具の販売に加え、民間事業者などと連携して、体験、実感できる展示スペースを設置いたします。

ボランティアの方たちの意見も踏まえながら、来館した人が楽しみながら環境について学べる施設を整備してまいります。

【高口】

コミュニティを育む、という視点が大事だと思いますので、新しい方が来やすくて、更にそこが一度来たら終わりじゃないってことを考えていただきたいなと思います。

都市農業の暑さ対策…練馬大根を守れ!

★品川区でオーガニック給食導入…練馬区でも!

品川区が来年度予算で、オーガニック給食の導入を発表しました。
款が違うので要望ですが、練馬区でもぜひ、有機給食の導入を求めます。

災害級の暑さで、物価高騰以外にも、米の等級が下がったり、
野菜の収穫にも影響が出ています。

練馬区が誇る都市農業でも、つくれる野菜が変わったり野菜の出来が悪くなったり
暑さの影響が出ているのではないかと心配です。

Q:高口

昨年は、毎年恒例の練馬大根の全校への給食提供が難しかったと聞いていますが、

ねりまといえば練馬大根!

練馬大根引っこ抜き大会もめちゃくちゃ楽しくて良いイベントなので、

気候危機における練馬大根をはじめとした野菜の生育の課題と、
対策について伺います。

A:【都市農業課長】

昨年の7月8月は一昨年に比べまして降水量が多かったことや気温が高い日が続いた事により、まず夏野菜につきましては暑さの関係から成長が早まり、例年に比べ収穫時期が前倒しになるケースもあったと農業者から伺っております。

また今練馬大根の話もいただきましたけれども、秋冬野菜の練馬大根につきましては種を蒔いた後発芽せず、種の蒔き直しを行なった事例や、暑さによって葉の呼吸が過剰になったため、葉に含まれる水分が蒸発して根の部分まで充分に届かず例年に比べ生育にばらつきがあった旨伺っております。

区ではこれまでも農業者から、農作物の生育に関する技術的な相談を受けた際にはJA東京あおばや都の農業改良普及センターと連携して、これらの機関から技術的な指導を行っていただいております。また、年に3回発行しております農業委員会だよりを通じて生育に関する技術的な情報を区内の全農家にお伝えし役立てていただいております。

引き続きJA東京あおばや都と連携しながら農業支援に取り組んでいきたいと考えております。

【高口】

練馬大根が育たないと抜きやすいことは(農家さんにとっては)良いことなのか、

(でも)練馬大根らしくなくて…長い練馬大根を守っていただきたいなと思います。

その為にも気候危機対策が重要なわけです。

原発と再生可能エネルギー

政府は2月18日、第7次エネルギー基本計画を閣議決定しました。

原発回帰への転換に、パブリックコメントや説明会で批判が多数寄せられています。

第7次計画で、再エネは主力電源とするものの、電力構成に占める割合は4~5割程度、
再生可能エネルギーの導入が進まず、火力の発電量が増加する「リスクシナリオ」
も初めて示しており、この”後退シナリオ”こそ本命ではとも報じられています。

原発については、1基新設あたり、1兆円以上のコストがかかる財政面でのデメリットや

老朽化した原発を使い続ける危険性、福島第一原発事故の後も、大きな地震が相次いでおり、
万一、再び原発事故が起きたらどうなってしまうのかという懸念もあります。

一方練馬区は、今年度、練馬区役所庁舎の再エネを100%導入し(※年間1.5万トンのCO2削減)、
来年度予算で、区立施設への再エネ導入を発表して素晴らしいなと思います。

ぜひ、低圧電力の施設のほうも、着実に再生可能エネルギーの導入を進めていって欲しいと思います。

国の方針として、原子力発電に依存せず、再生可能エネルギーにしっかりと財源を振り分けていくことが引いては、練馬区として再生可能エネルギーでの電力の安定供給を続けるために必要なことだと思いますが、見解を伺います。

A:【環境課長】

仰った通りエネルギー基本計画は国の方針ですので、区としては引き続き100%の導入取り組みを進めると共に、一時消費エネルギー量の一層の削減に向けて着実に対策に取り組んで参ります。

【高口】

区としてもリバーシオークションという方式をとっているので、
事業者が増えていくことが重要だと思いますので、再エネの転換を国に求めていただきたいと申し上げておきます。


※ここで時間切れ……

議会では言えませんでしたが、用意していた質疑も、以下に掲載しておきます。


こどもの遊び場、暑さ対策

★こどもの森の暑さ対策

信じられない暑さの中で、もはや夏は子どもが外で遊べない状況にあります。

こどもの権利条約31条の遊ぶ権利が、気候危機によって侵害されており
対策をしてほしいと思うなかで、

こどもの森には夏場、ミストやタープ、専門用語で「寒冷紗」が設置されています。
道路公園課など他部署と連携し、他の遊び場にも設置いただきたいですが、

Q:こどもの森他、みどり推進課が所管する屋外施設での暑さ対策について教えてください。

★憩いの森を遊びやすく

ねりまの森こどもフェスタで昨年憩いの森に真夏に行った際も、
2-3度は涼しく感じました。

憩いの森で子どもが遊べることを周知したり、
子どもが遊びやすい環境を整えてほしいと思いますが、その点も伺います。

区の会議のあり方

区商連や、商店街の高齢化が、課題になって久しいですが
なかなかなり手がいないために、交代したくてもできないという状況もあります。

町会やPTAでも同様の問題がありますが、
今やっていることをそのまま引き継ぐのは難しいので、若い世代ができる形で、
業務の削減や効率化をしないと引き継いでいけないのかなと思っています。

その中で、練馬区からの会議の出席の要請、これが負担の1つになっていると考えます。

Q:練馬区も、商店街の会長さんや、区商連の役員の方々に、
様々な会議に出席いただいてると思いますが、
負担軽減の観点からも、区の会議のあり方、構成メンバーの考え方を、
考え直す必要があるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。