【高口ようこ一般質問2024-1】学校統廃合の問題、新しい教育と多様性、性的いじめ問題

練馬区議会の一般質問とは?

2024年度(2025年2月12日)、練馬区議会、高口ようこの一般質問。

一般質問は、練馬区議会では、質疑25分+区の答弁20分
(議会によってルールが異なります)。

一年に一度、各議員の問題意識から質疑できる、貴重な機会です。

前半は、学校統廃合問題がメイン。
子どもへの影響など様々な角度から質疑しました。

他にも…
■校則
■こども哲学
■コミュニケーション教育・表現教育
■自由進度学習
■性的いじめ問題
■保育園での性暴力防止策
など、多岐にわたります。

魂を込めていますので……
ぜひご覧頂ければ幸いです。

★録画放映はこちら

練馬区議会HPの配信ぺージ

★字幕をつけてyoutubeにもUPします(後日)


1 学校統廃合が引き起こす様々な問題、特に子どもへの影響について

1.1   学校統廃合は、子どもにトラウマを植え付ける

2013年、大阪府大東市の5年生の男の子が、自殺しました。
少年が通う小学校は、学校統廃合による廃校が迫っていました。

遺書には、
「どうか一つのちいさな命とひきかえに、とうはいごうを中止してください」
と綴られていました。

学校統廃合が、子どもにとってどれほど大きな傷となるか。

教育学者の田中孝彦氏は、
学校統廃合で、「広い意味での心的外傷」を受ける子どもたちがいると指摘。

「子どもの生存・成長に対する影響の大きさ、それが子どもたちに
深刻な影響を及ぼすことがある~ことへの想像力を欠いた学校統廃合の進め方は問題」
と述べています。

練馬区は、豊渓中学校・光が丘第八小学校の統廃合を発表した
『区立学校適正配置第二次実施計画』素案の中で、
子どもに起こり得ることを「不安や動揺」と記載。

このような甘い認識で、子どもの心に傷を残さないと言えるでしょうか?

2004年の東久留米市の統廃合では、子どもたちへのケアもなく、

学級崩壊、いじめ、不登校、転校など、統合後の学校の荒れが問題となりました。

1Q.

まず今、練馬区の統廃合でショックを受けているお子さんは、
ぜひ身近な大人や専門機関にご相談頂きたいと思いますが、
練馬区は計画発表と同時に心のケアについてはどのような体制をとり、
どのような周知を行ったのでしょうか?

2Q.

学校が計画を知ったのは、発表直前の11月末ですが、
学校のケアの体制が約2週間で十分と考えたのかも伺います。

3Q.

また、学校統廃合が子どもに広義の心的外傷を与える指摘についてと、

4Q.

区が行う学校統廃合によって不登校等の問題が起きる可能性について
どう考えるか、伺います。

A:教育長

私から、区立学校の適正配置についてお答えします。

学校は、教科等の知識や技能を習得させるだけではなく、
児童・生徒が集団の中で多様な考えに触れ、認め合い、協力し合い、切磋琢磨することを通じて思考力や表現力、判断力、問題解決能力などを育み、社会性や規範意識を身に付けさせる場でもあります。
そうした教育を行うためには一定の規模の児童・生徒数が確保されていることや、経験年数、専門性、男女比率についてバランスのとれた教職員配置されていることが望ましいと考えています。

※高口注:「男女比率」と…では管理職の男女比率は、どうなっているでしょうか?バランスはとれているのでしょうか?

学校教育の充実を図り、児童・生徒に良好な教育環境を提供するため、
この度、『区立学校適正配置第二次実施計画素案』をとりまとめました。

素案の公表に当たっては、昨年10月中旬以降、対象校の校長に事前に情報提供を行いました。

※高口注:地域説明会では、校長先生が、計画を区教委から知らされたのは「11月末」だったと回答しています。

児童、生徒の状況に変化が見られる場合は、連携を図って対応することとしています。
また、普段から、悩みや、困りごとがある場合には、教員、スクールカウンセラー、
心のふれあい相談員などに気軽に相談できることや、
電話・メールなどでも相談を受け付けていることを伝えています。

※高口注:「普段から」ということは、今回の計画発表にあわせて、心のケアに関する周知は行っていない、ということですね。

1.2   子どもが声をあげられるように

子どもが「自分の学校をなくしてほしくない」と思うのは、当然のことです。
逆に「学校がどうなってもいい」「関係ない」と言うのであれば、
“練馬区の”教育の失敗でしょう。

当事者の子どもたちが「母校を守るためにできることはないか」と考え
声をあげたり、民主的な行動に移すなら、
それは、民主主義の教育に成功している証です。

5Q.

練馬区が子どもたちの声を受けて計画を見直せば、
「自分たちが行動すれば、社会は変わるんだ」という実体験を積ませることとなり、
民主主義の実践として大変有効です。
板橋区は来年度予算で「いたばし子どもワークショップ」を実施。
練馬区でも、結論ありきではない対話を、対象校の生徒達と行い、
その声から計画を見直すよう求めます。

6Q.

逆に、子どもの訴えを練馬区が聞き入れず、
強引に統廃合を進めた場合、子どもはそこから、
「何をしても無駄なんだ」「どうせ何も変わらない」と、
社会へのあきらめ、絶望を学びます。
練馬区は、そんな教育をして、子ども達を社会に送り出すのでしょうか?
そうでなければ、学校統廃合を通じて、
練馬区は子どもに何を教えたいのでしょうか?

2点、見解を聞きます。

A:教育長

子どもの意見については、児童生徒用タプレットパソコンからアクセスできる専用のホームページや、児童館での閲覧などにより募集を行いました。

賛成、反対を含め16件の様々な意見を頂いており、これらに対しては、一つ一つ区の考え方をお答えしていきます。

※高口注:16件!あまりに少なすぎます。子どもに届いていない、説明や周知が不足している証拠です。

そしてまったく答えになっていません汗汗汗

1.3   先生の負担は膨大

単学級は教員の負担が大きいことを統廃合の理由としながら、
統廃合が、教職員に多大な負担となる点も、大きな矛盾です。

通常業務だけでも多忙なのに、
伝統の引継ぎや新しいカリキュラム等のすり合わせ、事務作業、引っ越し、子どものケア等々、
多岐にわたる業務が想定されますが、

7Q.

区としては具体的にどのような教職員の負担を見込んでいるか、

8Q.

それに対し区教委として、教職員の増員は行うのか、
どう支援するのか、伺います。

A:教育長

過小規模校では教員が少なく一人当たりの負担が増加する、教員個人の力量への依存度が高まるなどの課題があります。

適正配置により、将来にわたって負担を軽減し安定した学校運営ができると考えています。

適正配置の対象校の教職員には、今後設置予定の準備会への参加や、統合・再編に向けた各種準備・調整など様々な作業の増加が見込まれます。

今後、教育委員会として全面的にサポートを行い、対象校の負担軽減に努めていきます。

教員の配置増を行う予定はありません。

※高口注:教員を増やさなければ、多忙化解決は望み薄でしょう…

1.4   単学級の課題は克服できる

単学級はクラスがえができないことも、区はデメリットにあげています。
しかし実際、現場では「創意工夫」で十分対応できています。

たとえば他自治体では、人間関係の固定化を避けるため、異学年編成にする小規模校もあります。山梨県の25人学級のように少人数クラスを独自に導入する等、対策はあります。

そうした対策をとらない区は、
単学級を統廃合に利用しているとしか思えません。

光八小の地域説明会では、校長先生が、同校の魅力を
「こども一人一人のニーズに応じた個別の活動が充実」
「全職員が子ども一人ひとりを理解」
「子どもたちの声や希望が吸い上げやすい」
と語りました。

9Q.

単学級の課題解決には、本当に統廃合しかないのですか?

10Q.

現場の創意工夫で対応・解決している事例をご紹介ください。

11Q.

光八小、豊渓中、小竹小について、区が考える3校それぞれのよさ、魅力をお答えください。

12Q.

また現在、練馬区の小中学校の教室の面積基準は、
一人あたりに換算すると、
小学校35人学級で1.82㎡、中学校40人で1.7㎡。
保育園2歳児の基準1.98㎡よりも狭い基準です。
小規模校は、ゆったりした面積基準に変えるチャンスではないですか?

以上伺います。

A:教育長

現在、光八小、豊渓中などの小規模校では、異学年交流や、児童・生徒一人ひとりが役割を持って異なる意見を出し合うなど、様々な創意工夫を行っていますが、

過小規模化が進行すると、人間関係が固定化しやすく、多様なものの見方、考え方にふれる機会が少なくなるなどのデメリットの影響が大きくなり、学校運営に大きな課題が生じることが危惧されます。

計画素案でお示ししたとおり、昨年度実施した区の将来人口推計において、現在だけでなく20年後も過小規模の状況が見込まれること、学校の改築時期が迫り、長寿命化改修も不適であることなどに鑑み、今回選定したものです。

対象校に限らず全ての学校で、魅力ある学校づくりに取り組んでおり、統合・再編後も、さらに魅力が高まるよう進めてまいります。

なお、教室の面積については、国の指針等に基づき、全ての学校で適切な面積を確保しています。
一人当たりの面積の拡大のために学校の小規模化を進める考えはありません。

 

1.5       豊渓中はコミュニティスクール

豊渓中の保護者から、切実な訴えが届いています。
以下、紹介します。

「統廃合計画には反対です。
入学前の学校説明会で、先生方が口々に小規模校ならではの良さを伝えてくださいました。

教室をゆったり使えて圧迫感なく過ごせる、
進路指導が手厚くできる。
係や当番が多く回ってくるため責任感をもって取り組める、
自己表現の機会が多く、自分を磨ける…

『大人数の学校で埋もれてしまう子が輝ける学校です』

この言葉で、豊渓中学校に決めました。

豊渓中のキャッチコピーは
『君が知らない先生がいても、君を知らない先生はいない』です。

入学し、本当にその通りだと実感しました。

我が子は小学生の時、長期の不登校を経験しましたが、豊渓中の恵まれた環境のもとで復学できました。

他にも、不登校経験があったり、発達の特性により大規模校が合わない生徒、
大人数では気後れしてしまう気質の生徒など、
遠くても、通学区域外から豊渓中を選んで、通っている生徒がいます。

板橋区の隣接地域では、周囲に小規模の公立中学が無く、
近年、板橋区からの入学者も増えています。

少子化だからと学校を減らし、子どもたちを狭い空間に押し込み一斉指導する
やり方では、今後も不登校は増え続けると思います。

豊渓中学校の少人数の環境こそ、理想の学校の姿だと私は思います。
生徒数の数字だけ見て、統廃合を進める流れはとても残念です。

また、豊渓中学校は、練馬区の中学で唯一のコミュニティー・スクール実証校。
地域から愛されている学校です。
皆さん一番に子どもたちのことを考えて活動くださっています。

放課後の居場所作りがさかんで、『カフェすずしろ』では、
教職員、地域の方、生徒がお茶を飲みながら工作やゲームなどをして交流します。

我が子は参加する度に学校への信頼を高め、コミュニティーの一員として
多くを学び、交流を深め、広げ、成長しています。

「豊渓中を選んで本当に良かった!」と感じてきました。

心が大きく揺れ動く思春期、先生や地域の方、保護者に見守られて過ごす時間は
きっと一生の宝物になります。

豊渓中学校を未来の子どもたちに残してください」

以上です。

13Q.

練馬区はコミュニティスクールの意義をどう考えているのでしょうか?
統合への反対を押し切っても、地域とのつながりも人の心も変わらず、
これまで通り地域からの支援を頂けると考えているのでしょうか?

14Q.

少なくとも、再度説明会を開き、統合ありきでない対話を重ねること。
準備会は、地域の合意形成ができるまでは開催しないことを求めます。

2点、お答えください。

A:教育長

学校運営協議会は、学校・保護者・地域住民等が協議し、学校運営に必要な支援を行う機関です。

豊渓中の保護者や地域の皆様にご支援頂いてきたことについては大変感謝しております。

将来にわたって学校教育の充実を図り、児童・生徒に良好な教育環境を提供するためには、統合・再編を行うことが必要です。

今後、学校運営協議会については、区内各校への拡大を図っていくこととしており引き続きご協力を頂けるよう、丁寧に説明して参ります。

※高口注:中学校唯一のコミュニティスクールである豊渓中は潰すけれど、コミュニティスクールは増やしていきたい……?
意味がわかりません……

1.6       小竹小の問題

今回、『適正配置第二次実施計画』素案では、子ども版の資料を出し、
区も「子どもはそれを見てパブコメを」と言いました。

大元の計画には、小竹小学校の廃校を前提とした方針が書かれているのに、
子ども版資料には、小竹小の記述がありません。

説明がないのに、子どもは意見を言えるでしょうか?

こども基本法が定める意見表明権の侵害であり、
特に、当事者の子どもから意見の機会を奪う、重大な問題です。

15Q.

なぜ、子ども版の資料に小竹小のことを載せなかったのですか?

16Q.

また、パブコメの〆切は1月21日ですが、〆切当日の22時から
ロゴフォームのメンテナンスが実施され、投稿できなくなりました。
なぜメンテナンスを〆切前に行ったのか、説明ください。

17Q.

「練馬区区民意見反映制度に関する規則」第5条には、
「区長は~当該意見の~提出期間~について、計画等の案を公表するときに明示しなければならない」
とありますが、議会資料や区報等にも、〆切は「21日」と記され、22時までとの説明はなし。
適正な手続きに満たないと考えます。
子ども版資料を是正したうえで、パブコメのやり直し、または期限延長を求めます。お答えください。

A:教育長

小竹小については、令和元年度に対応方針を策定しており、計画素案には対応方針に基づく現在の進捗状況を記載しました。

子どもの意見募集における資料は、新たに取り組む内容を中心に作成したものです。

※高口注:小竹小の記述は前回から変更が生じています。説明になっていません。

ロゴフォームの運営事業者が実施するメンテナンスにより、意見が投稿できない時間帯が生じることは、事前に区ホームページで注意喚起してきましたが、投稿できない間もメールで意見を受け付けるとともに、投稿できないという問い合わせに対しては、受付期間を延長するなど個別に対応しました。

パブリックコメントをやり直す考えはありません。

※高口注:区の規則では、計画発表時点で明示しなければならない規定です。その後でHPに載せたから問題なし、ということにはなりません。

先月、統合・再編、学区域変更の対象となる各学校で説明会を開催しました。

そのなかで、特に、令和11年度の統合・再編の方向性をお示ししている豊渓中においては、PTAや保護者、町会の皆様などから、通学距離や跡施設の活用方法、計画の進め方、適正規模校の考え方、避難拠点や地域コミュニティのあり方など様々なご意見・ご要望を頂きました。

こうした状況を踏まえ、現在、豊渓中での再度の説明会の開催に向けた検討を進めています。

今後、学校での全体説明会のほか、必要に応じて、保護者向けの個別説明を行うなど理解を得られるよう、丁寧に進めてまいります。


2Q. 教育と多様性、性的いじめについて

2.1       なぜ化粧はダメなのか?

練馬区は、過少規模校では「多様なものの見方、考え方」に触れる機会が少ないこともデメリットとしています。

では、学校で、どれだけ多様性を認めているというのでしょうか?

たとえば、化粧や、髪の色を変えること。
私自身が推奨したいわけではありませんが、
「化粧をしたい」というのは、まさに多様な考えの一つであり、表現の自由です。

18Q.

多様性を統廃合の理由にしながら、
なぜ多様な考え方を認めないのでしょうか?

19Q.

また、社会に出た時のために校則があるというのなら、社会にあわせて、
当然、化粧も髪染めも認められるべきです。見解を伺います。

A:教育振興部長
  • 教育長に代わり、なぜか部長が登壇しました。
  • 区長与党の会派には、子どもの質問にはすべて教育長が答えています。
  • 野党の答弁のみ、教育長・部長と、両方が出てきます。
  • 質疑をわざわざ分けて、部長を登場させる。何がなんでも、与党と野党で対応を分けたい、差別したい、という強い意志を感じます。
  • 教育委員会には、差別をしてほしくありません!!!
  • 差別しながら、どれだけもっともそうな、正しそうなことを言っても、その言葉は届かないと思います……。

私から教育についてお答えします。

はじめに、多様性についてです。

学校では遵守すべき学習上、生活上の規律として校則を定めています。
教育委員会では、毎年校則の内容を確認、社会環境や児童生徒の状況の変化に応じて、
見直しを検討するよう指導しています。
見直しに当たっては、各学級や児童会・生徒会、保護者会等で確認したり
議論したりする機会を設けています。
その結果、現在区立中学校で、化粧や髪染めを認めている学校はありません。
区が各学校に働きかける考えもありません。

2.2   こども哲学、サークル対話→教室の安心感

多様性を認め、理解しあうためには、「対話」が必要です。
前向きな「対話」のためには、場の安心感も不可欠です。

クラスでの話し合いでは、日頃の人間関係、力関係が作用します。
教室で、人間関係などを気にして、自由に発言できない子どももおり、
教室の不安感は、不登校にもつながる問題と考えます。

安心感、場の安全性を確保しながら行う対話が、「こども哲学」です。
イエナプラン教育でいう「サークル対話」も似た理念です。

こども哲学では、最低限のルールを設けます。
何を言っても大丈夫、言わなくても大丈夫。
ただし悪口は言わない、人格否定をしない。

ファシリテーターのもと、輪になって、ルールに守られながら話し合い、
みんなで一つの問いを考え合うのが、「こども哲学」です。

20Q.

考える力、問う力を養うだけでなく、安心して、自由に話せる場があることは、普段の教室の安全性・安心感にもつながると考えます。
朝と帰りの時間に、サークル対話を採り入れる学校もあります。
練馬区でも、道徳や総合学習、学活などで取組んでください。
お答えください。

2.3       表現教育、コミュニケーション教育

経団連調べで、新卒に求める能力のダントツ一位がコミュニケーション能力ですが、
「コミュ障」と表現されるように、
人によって得意・不得意があると誤解されがちです。

本来は、教育を受ければきちんと身につくのが、コミュニケーション能力です。

コミュニケーション教育では、
人は一人ひとり違う、「わかりあえない」というスタート地点を共有し、
「わかりあえないからこそ、どうするか?」をともに考えていく。

答えのないこれからの多文化共生社会で、まさに必要とされる教育です。

先進自治体である兵庫県豊岡市では、全校で実施。
メタ認知・非認知能力、自己効力感、自制心、協働性の向上等の効果という検証結果も出ています。

ワークショップの内容は、言葉では伝えづらいのでぜひ体験頂きたいですが、

一例をあげると、輪になって、目に見えないボールを相手に投げ、
受け取った人がまた別の人に投げる…というゲーム。
相手と目線や呼吸をあわせ、集中し、相手の動きを予測しないと、見えないボールはうまく取れません。

相手がボールを早く投げれば早く受け取る、など、相手にあわせて自分の表現が変わります。

体験的にコミュニケーションのベースを学びつつ、
「次は大きいふわふわのボールを投げよう」など、
自分で考え、決断・行動することを、活動の中で育みます。

ゲームのようなワークショップを通じて、楽しみながら互いの関係性をつくり、
表現に慣れていったのち、オリジナルの物語を作り上げたり、
国語の教材を使って演じたり、展開します。

教科での導入は、体と心を動かし、主体的で深い学びへ繋がる等の効果もあると言われます。

21Q.

練馬区でも、コミュニケーションの授業、表現の授業の取組みを
ぜひ進めてください。
表現力やコミュニケーション能力を育てる必要性とあわせ、見解を伺います。

A:教育振興部長

学校での学びについてです。

各学校の授業では、課題に協働的に取り組むグループ学習やタプレットを活用した意見交換など、対話的な学びを行っています。

学級活動や道徳の授業では、話合いのルールを理解し、自他の意見を尊重して話し合う中で、自分の考えを深め、他人を思いやる心を育んでいます。

こうした取組を通して、子供同士が様々な場面で対話する機会を設け、表現力やコミュニケーションカを高めています。

※高口注:全然回答になっていないんですよね…

2.4   自由進度学習

名古屋市では「ナゴヤスクールイノベーション」を掲げ、学校改革を進めています。

特に注目を集める、名古屋市立山吹小学校の「自由進度学習」を視察しました。

イエナプラン教育の日本版ともいうべき内容で、子どもが自ら時間割を組み、
自主的な学びを進めます。

休み時間でも、目をキラキラさせながらドリルを続ける子どもの姿は、衝撃的。
自由があり、自分で決めたからこそ、責任をもち、自ら進んで楽しく学べることを実感しました。

先生にとっては、授業の準備時間が減り、個別対応の時間と余裕ができるメリットも。

教室のあり方も、生徒と教員が話し合って決めます。

担任の机が、教室の真ん中で生徒の机に囲まれていたり、
カフェのように窓に向かって一列に並んで座っていたり、
広い机にグループで集まったり、

子どもそれぞれの学びやすい形が尊重され、教室は明るさと活気に満ちていました。

建物自体は、特に新しくなく、どこにでもあるごく普通の公立小学校ですが、
廊下や図書室など、学校全体が学ぶ場になるよう工夫されています。

22Q.

練馬区でもぜひ、自由進度学習の取組みを始めてください。
見解を伺います。

A:教育振興部長

自由進度学習とは、児童生徒が自ら学習内容や進度を決めて取り組む学習方法であり、自発的な学びへの意欲を育む効果などが期待される一方、教員が学習の進捗をどう確認し、どう評価するかが難しく、子供の意欲により学習効果が二極化する懸念なども示されています。

各学校では、総合的な学習の時間において、子供一人一人が興味・関心に応じた課題を自ら設定し、学習の計画を立て、主体的に解決する探究的な学びに取り組んでいます。

こうした取組を継続し、自発性や学びへの意欲の向上に努めていきます。

 

2.5       性的いじめ問題

子どもを取り巻く社会状況は、悪い意味でも変化しています。

生徒間の性的ないじめが、大きな社会問題となっており、
昨年、札幌市の当時小学3年生の男子児童が、当時中学1年の男子生徒から
性的ないじめを受けたことが「重大事態」と認定されました。

性的いじめは、加害者は、ふざけ程度に捉える一方、
被害者はPTSD、トラウマや、自殺に至る深刻な事例もあります。

23Q.

練馬区では、生徒間の性的いじめ・性暴力についての対応、対策や
マニュアルはどうなっているのか、今後強化するつもりか、伺います。

24Q.

2021年に起きた旭川中学生いじめ凍死事件で、
旭川市は昨年12月、再発防止策として、
人権やジェンダー平等の尊重を含む包括的性教育の推進を掲げました。
教育評論家の尾木直樹氏は、
「包括的性教育が行われていれば防げる可能性は高まる」と指摘。
練馬区でも、セクシュアリティ教育を明確に打ち出すよう求めます。

25Q.

あわせて、保育園での性暴力防止について伺います。
他自治体の保育園で、保育士による性加害が報じられていますが、
練馬区では、保育園における性暴力対策はどうなっていますか?

26Q.

また今後、保育園・未就学児でも対策を見直し、強化徹底すべきと考えますが、見解を伺います。

A:教育振興部長

性暴力についてです。

区では、子供たちが性暴力の加害者、被害者、傍観者にならないよう、命を大切にする考えや、自分や相手を尊重する態度等を発達段階に応じて身に付けることを目的に、「生命(いのち)の安全教育」を全区立小中学校幼稚園で実施しています。

いじめや性暴力の対応フローチャートを定め、生徒間の問題にも適切に対応できるようにしています。

性暴力等防止特別対策委員会の提言を受け、現在、「人権を基盤とした教育・研修等プログラム作成委員会」で区独自のプログラムの作成に向けた具体的な検討を進めています。

令和7年度から全区立小中学校幼稚園で実施していきます。

A:こども家庭部長

保育園の性暴力防止についてです。

現在、区内全ての保育施設では、国が策定した「保育所等における虐待等の防止及び発生時の対応等に関するガイドライン」に基づき、環境整備や職員の意識啓発など性暴力等を未然に防ぐための取組が行われています。

区は、国のガイドラインに基づき、性暴力等に係る通報などがあった際の対応について、保育施設や幼稚園等も対象とした独自のマニュアルを作成しています。

また、区内全ての保育施設の巡回支援を通じて助言等を行っています。


一般質問、後半はこちら!

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