「陳情書の郵送での提出を求める」陳情を質疑【2025年1月10日議会運営委員会】
2025年1月10日の議会運営委員会で、陳情の質疑がありました。
陳情の内容
陳情82号 陳情書を郵送で提出できるよう求めることについて
陳情趣旨
陳情書を郵送で提出できるようにしてください
陳情理由
障害者や妊婦、高齢者など一定の事由をもつものは直接区議会事務局に出向き、陳情書を提出することが難しいためです。
(病気や障害など、様々な事情から窓口に来られない方もいらっしゃいますよね。高口としては、至極まっとうな陳情だと思います!)
資料
郵送OKな区が大半
- 直接持参のみ受付→3区
- うち1区→条件付(※)で、郵送も可
※陳情者から正副委員長へ直接趣旨説明を行った場合
- うち1区→条件付(※)で、郵送も可
- 郵送提出も可→16区
- うち3区→本人と連絡がとれた場合のみ受付
直接持ってこないといけないという法律、ルールは?
- 法律上の規定はない
- 練馬区議会は、申し合わせの規定で窓口に「持参」となっている
他会派の質疑
Q:現在の陳情の対応は?
A(議会事務局答弁、以下同)
- 提出に至った理由を聞き取り
- 陳情者が訴えたいことを事務局と共有し、陳情の要旨や理由、文案を、陳情代表者と整理
- 事実誤認があれば訂正
- 場合により、議会ではなく執行機関に提出したほうが意義があると考えるものは、理解をいただき、窓口をご案内する
- 郵送を認めると、この形は難しい
- 事前に提出前にご相談くださいとお願いしている
- メールなどで文案を送ってもらい、電話などでやりとりする
- 電話ではニュアンス・意図が伝わらず、再度やりとりが必要になることも
- そこに労力、時間を要する実態
Q:他区議会の状況は?
- ものによっては、要旨が重複したり、文案が整理されておらず陳情趣旨がわかりづらいことがあると聞いている
- 陳情趣旨が明確でないものは各委員が判断している
- 2割程度は区議会の提出として妥当か疑問を感じているとのこと
Q:合理的配慮で、個別に対応した事例はあったか?
Q:ある場合はどう対応するのか?
- これまで障害を理由に、提出できない事例は聞いたことがない
- 仮に発生したら、合理的配慮もあり、正副議長議長と相談しながら個別に適切に対応していく
Q:練馬区議会のように、議会事務局で内容を精査する議会は?
- 16のうち3区議会
Q:郵送を認めていない3区の理由
- 3区に聞き取りした
- 1区は、以前は郵送可としていたが、要件の不備や審査になじまないものが多く、郵送なしに戻した
- 他→内容が陳情に適さないものが多く、その後のやりとりがしづらいため認めていない
Q:事前相談→メールだけのやりとりで済ます場合は?
- それも多くある
- 面倒くさいこともあるのでは?
- 一方、窓口に来てくださるものもかなりある
- 事前相談で送っていただき内容を精査するうえで、同じやりとりを何度もしている
- 事前相談で窓口に来ていただければ、その場でできることが多い
- 郵送が増えると、事務局の作業に大変な労力を要することになる
高口の質疑
(以上の質疑と答弁を踏まえたうえで、私も質疑しました)
Q:そもそも、精査が必要なのか?
事務局が精査してくれることで議員が質疑しやすくなることはありがたいが、事務局の負担という意味では、そこを省いたり、精査を簡略化したりしてもよいのではないか?
A:
- ご配慮ありがとうございます
- 議員の皆様の意見を踏まえ、考えていくこと
- 事務局で丁寧に中身を精査している
- そういう作業を省いていいという合意形成をとれればいいが
- 精査をしていない議会の中には内容が不明確で、内容を解釈して判断している実態
- そこも含めた議論を
Q:申し合わせで、郵送を不可とした経緯は?
- 申し合わせには「郵送、ファクス、電子メールにより届けられたものは、内容について本人との確認が難しいので、不受理とする」とある
- 受けたあとに主訴がやりとりしづらいので、受けていない
- 申し合わせの文言も踏まえて記載
Q:先ほど、合理的配慮には対応すると答弁した。どういった理由なら郵送で対応するのか?
- ご答弁した通り、そういう案件が生じたら「正副議長と相談」
- 事務局で一律という考えはない
質疑を踏まえつつ、高口の考えを述べました。
- 申し合わせの規定からすれば、本人確認がとれれば、OKなのではないか?
- デジタル化の方向性は、議論の余地がない。オンラインがここまで発達したなかで、直接でないとやりとりできないものか?
- 事務局の負担も考えれば、精査のあり方を見直してはどうか。内容は、各議員が判断すべきもの
- 障害者や妊婦、高齢者、病気、生活が苦しく交通費が厳しい等、様々な事情がある
- 合理的配慮について、申し合わせの文言への記載を検討すべきでは
※陳情の主旨の議論からはずれますが、
陳情の「付託除外」(=陳情の受付の制限)の議論を求める意見が区長与党の会派から出て……
これまでも、陳情の審査を制限するような質疑、発言が続いています。
今回も、危機感を抱きました。