補正予算解説!①国の低所得世帯給付金 ②電気保安点検業務の事業者、突如撤退! ③物価高騰対策の施設給付金…他【2024/12/10】
2024年12月10日、補正予算の質疑よりレポート。
令和6年度3&4回目の補正予算。
項目は4点のみです。
ちなみに今回、補正予算が上程=議会にかけられたのち、国の給付金が決まり、追加で上程される……というイレギュラーな流れでした(国が早くしてくれたらいいのになあ…などと思いながら…)
低所得世帯への給付金
国の総合経済対策(物価上昇対策)の一貫で、
非課税世帯への給付金「電力・ガス・食料品等価格高騰支援給付金」に、
区独自の上乗せをしたものです。
ちなみに、国会は審議入りしたばかりで、国の補正予算成立前の、区の補正予算となりました。
■概要
- 非課税世帯:1世帯3万円+子ども1人あたり2万円加算
- プラス区独自
- 児童扶養手当世帯(約3000世帯から、非課税世帯を除く)
- 家計急変世帯(今回1000世帯対象/2023年度実績207件)
- 重点支援地方交付金を活用→区の持ち出しはなし
- 23区、代替の区でうわのせあり
- 対象:非課税約85000世帯、子ども7500人
- 給付スケジュール(予定)
- プッシュ型:1月下旬お知らせ発送→2月中旬給付開始「めざす」
- 要申請の方:年度をまたぐ想定(申請を待つ)→申請期限は来年4月頃
- 相談窓口:3ブース設置
- コールセンター:ピーク時1-2月、30回線
- 収入認定はされない見込み(未定)
■課題
- 抜本的な生活保障の対策が必要!
- 同趣旨の給付金が数年続いてきた→今年で4回目
- それ以外にも、子育て世帯への給付金などあり
- 給付金での緊急対応よりも、生活保護の引上げなど、ベースの生活保障の引上げをすべきでは
- 自治体の事務負担も、毎度大変!
- 委託料も、2億円も!
- 非課税世帯は高齢者が多い(65歳以上→約6割)
- 現役世代の困窮にも行き渡る切り分け方を検討すべき
緊急事態!電気保安業務の事業者、突如、来年度以降の契約を撤退!
■経緯
これまで長らく、練馬区の電気保安業務を、随意契約=入札なしで一手に引き受けてきた「関東電気保安協会」。
練馬区立施設、小・中学校、合計185か所を担当しています。
これができないと、「法に触れ」、点検・事故対応等もできなくなるという、「運営上不可欠」契約できない施設があってはならない」、必須の業務と、区も認めています。
ところが、8月に、協会から「来年度以降の業務は受けられない」と、辞退の申し出が。
原因は、やはりというか、「電気主任技術者」の資格を持つ人材確保が困難なため。
区にも事前の相談はなく、「現場」も混乱。
「突然」のことで、「せめて来年度は受けてくれないか」「せめて一部受託を」と交渉したものの、断られ……
「受け入れざるを得ない状況」と区は判断。
事業者にヒアリング等をした結果、他自治体も同様の状況で、次の事業者を探しているため、「先んじて動けるよう、補正予算を計上」となりました。
1.4倍の増額となっています。
技術者や担える事業者の取り合いになることは必至。
練馬区で確保できたとしても、他は……?
日本全体の大問題です!
■原因・背景
- できる事業社が少ない
- 区内事業者をあたっても、経産省のリストに掲載された電気保安法人は、1社かつ小規模。区の求める24時間管理体制は無理
- 資格者の人材難
- 質疑の中では、「電気主任技術者」の資格をとるのが大変、との話もありました
■対策
区は「まず来年度の委託先を見付けることに専念」とし、今後のことはその後検討としています。
■課題
- 今は1年の単年度契約
- 複数年度の契約を検討すべきでは?
- 区も「長期契約も検討」と答弁するも、
- 「長期契約の継続は最長5年」
- 「次回以降担保されない」
- 「長期契約でも今回のようなことは防げない」
- 複数の事業者に委託して、リスクの分散をはかるべきでは?
- 日本全体の人材不足…工業高校の求人がすごいことになっている、との話も。
- その社会状況で、練馬区立美術館のような大規模事業、大規模な建物をつくること自体がリスク!
- なくてはならない業務を最優先すると同時に、建物を小規模にしたり、シンプル・管理しやすくすることも、必要ではないでしょうか?
子ども・高齢者・障害者事業所への光熱費等の給付金
こちらは事業所、施設への給付金。
東京都が実施する「施設等運営支援臨時給付金」に、区独自の対象施設拡大を行う内容。
【参考】以前の同じ内容の給付金(2022年度):教育・子育て・介護・高齢者施設に光熱費&食材費を補助!「施設等運営支援臨時給付金」
■概要
- 10月~来年3月までの半年間
- 都補助の対象とならない事業所に、区独自で補助
- 昨年度の同趣旨の給付金で対象にした施設が基本
■子育て・保育施設
- 都の間接補助=区経由で施設に給付
- 光熱費、食費(給食ありの場合)
■介護施設
- 都の直接補助
- 都の対象施設
- 特養、老健→光熱費、食品
- それ以外の介護サービス事業所(短期入所、グループホームなど)
→燃料費のみ
→区独自に光熱費を上乗せ
■障害者施設
- 都の直接補助
- 区独自→一部対象外の5施設
- 地域活動支援センター3型
- 区の規則に登録した4か所(基準外事業所)
■課題
- 費用の算出が、施設類型によって異なる(タテワリ行政ゆえ?)
- 例:子育て施設→児童1人あたり月額950円、747円(給食なし)
- 介護の入所施設:1人あたり日額114円
- 障害者の通所施設:1人あたり1312円…など
- 下半期半年分では、足りないのでは?
- 子ども食堂は対象外
新型コロナワクチンの補正
10月からすでに開始されている「新型コロナ定期予防接種等委託」。
当初、自己負担額3500円で予算を組んでいましたが、都補助によって2500円と、1000円減ることに。
その減った千円分の補正をする、という内容です。
実際に事業は、すでに2500円で行われているので、今回の補正予算は事業そのものというより、数字上の整理となります。
各会派の賛否
2議案のうち
- 令和6年度補正予算3号→れいわのみ反対
- 令和6年度補正予算4号→全会一致
という結果でした。