光八小・豊渓中から、統廃合がスタート…『区立学校適正配置第二次実施計画(素案)』、練馬区の教育の破壊を止めよう!パブコメを送ろう!【2024/12/9文教児童青少年委員会】

2024年12月9日の文教児童青少年委員会のレポート!

重たい計画が多数で…順番にお伝えしていきます。

まずは、統廃合問題から(しょっぱなから重たすぎる…)

読んでいると、数字だけをいじり、
子どもや保護者の気持ちを考えていない、
本当にいい教育をめざそうという気持ちも全く伝わってこない計画
だということが、わかってしまいます。

練馬区はそれに対して「児童数推計、面積、通学距離、人口変動など、複数の観点で検討。数だけじゃない」と答えましたが、
どれもすべて、まさしく「数だけ」……。

練馬区のことを本当に思えばこそ、絶対に、絶対に、実施してはいけない計画です…!


区立学校適正配置第二次実施計画(素案)

https://www.city.nerima.tokyo.jp/kusei/pubcom/oshirase/tekihai2keikaku_soan.html

概要

■経緯

練馬区は昨年度、『第2次区立小・中学校 および区立幼稚園の適正配置基本方針』を策定。

学校統廃合の全体的な方針を示しました。

【参考】『練馬区学校施設管理実施計画』の欺瞞 ~『適正配置方針』とセットでパブコメを送ろう!

今回の『区立学校適正配置第二次実施計画』は、「実施計画」とあるとおり、方針を具体的に進めるための計画が書かれています。

■対象は5校→うち光八小、豊渓中が廃校の計画

大きく分けると、次の5校が対象となります。

  1. 光が丘第八小学校→田柄小学校の位置に「統合・再編」
  2. 豊渓中学校→光が丘第一中学校の位置に「統合・再編」
  3. 春日小学校→学区域の変更

田柄小は過小規模ではありませんが、光八小の統合先として指定されています。

■今回は「対象外=再検討」とした学校

  • 過小規模校
    1. 橋戸小学校
    2. 大泉第一小学校
    3. 大泉学園小学校
    4. 豊玉第二小学校
    5. 南が丘小学校
    6. 南田中小学校
    7. 光が丘第二中学校
    8. 石神井南中学校
  • 過大規模校
    1. 開進第三小学校
    2. 中村小
    3. 中村中学校
    4. 大泉中学校

→対象外だからと言って安心できない…という点は、後ほど述べます。

問題のオンパレード!

何から何まで問題しかない……

どれだけ酷い計画か、
子どものことを何も考えていないかが、質疑からも明らかになりました。

順番にお伝えしていきます。

■対象外の学校も、危うい!

今回は対象外となった過小規模8校は、5年後の次の計画で、対象校となる可能性が高い学校です。
田柄小のように、過小規模でなくても、近隣校として巻き込まれることもあります。

過少規模校だけでも今回の5校+次回検討の8校、統合先が同じ数の8校あると仮定すると、23校。

練馬区内学校の5分の1もが関わってくる計画。
これを許せば、この先もなし崩し的に、統廃合が進められてしまいます。

練馬区全体の学校、練馬区の教育の、まさに、危機なのです。

■「統合・再編」の意味→田柄小、光一中もなくなる可能性

小竹小・旭丘小中での統廃合が、長年地域の問題となり、練馬区の計画によって、地域に溝を作り出されてしまっています。

旭丘小中一貫教育校が先に開校することになり「みらい青空学園」と名称が変わります。
伝統ある旭丘小学校、旭丘中学校の学校名や校歌等がなくなり、旭丘地域にとっても望まない結果になっているのです。

「統合・再編」によって、学校名等が変わることになれば、位置としては残る側の学校にも、大きな影響が及ぶのです。

質疑で、「田柄小、光が丘第一中も、新校になれば、学校名が学校名や校歌や制服が変わり得るか?」を確認すると

  • 準備会で関係者と相談

との答弁。
現時点ではどうするか決めずに、準備会で決めていくことになるでしょう。
ある意味、地域に責任を押しつけるやり方。
その結果、地域に禍根が残ったら、区は責任がとれるのでしょうか?

■子どもの「不安や動揺」を生み出す計画

現在、教育には様々な課題が山積みです。
不登校やインクルーシブ教育、ヤングケアラー、性暴力対策、教員の多忙化等…

教育学的根拠もあいまいな過小規模よりもはるかに重大で
喫緊で対処しなければならない問題です。

(担当する区の職員は、4人いるそう。
この職員に、子どもを苦しめる統廃合より別の仕事をして頂くほうが、どんなにいいか……
職員も、地域や子どもに恨まれる仕事、したいと思っているのでしょうか?)

この計画で、それらの問題がどのように解消、改善するのかは全く書かれていない。

想定もしていない……というか、慣れ親しんだ環境が変わったり先生と離れたりすることで、悪化すると考えたほうが妥当です。

統廃合によって、問題が生み出されるのです。

練馬区自身も、問題を想定しています。
その一つが「生徒の不安や動揺」

「できるかぎり軽減」とも記述していますが、不安や動揺が「ない」とは、さすがの練馬区も言い切れないのです。

不安や動揺は絶対に起こります。

教育委員会がやるべきことは、子どもに不安や動揺を与えることでしょうか?

子どもが安心して安定した教育を受けられることに心血を注ぐべきであって、動揺させる計画を、作り出して実行することではない。
その動揺への対応も、先生まかせでしょう。

完全に、本末転倒です。

■特別支援学級がどうなるかも、わかりにくすぎる記述

光八小には特別支援学級(わかば学級)があり、環境の変化が苦手な子どもたちがいます。

支援級がどうなるのか、記載が見当たりません。

「※特別支援学級6学級あり」という表の下の注釈がそれに該当する、というのが区の言い分です。

そこからどうやって読み取れというのでしょうか……?

勝手に移設しようとしているくせに、記述まで不親切!

『特別支援教育実施方針』も同日に議会に出したのですが、特別支援教育のあり方としても、どうなのでしょうか?

■過小規模を問題視する練馬区が、過小規模を生み出す

また、計画では、「新校の位置にならない学校の小学1年生が少なくなる」ことも想定しています。

私は、小規模ならではの魅力があると常日頃実感し、主張していますが、
練馬区は「過小規模が問題」と練馬区は言っています。

それなのに、自分たちの計画によって、過小規模が生じることを想定しているのです。

練馬区が自ら問題を作り出しているのです。

それなのに「児童の影響」について、「現時点で確たる対応の検討は行っていない」とも述べています。

子どものことを何一つ考えていない計画だということが、本当によくわかります……。

■過大規模校には対策ゼロ!

小規模な学校はガンガン進めるくせに……
過大規模校はすべて「検討」のみで問題を先送り。

「今後の状況をみて再検討」とするのみ。
つまり、今後5年間何もしない、という対応なのです。

現実的に、教室が足りない、人員体制、ぎゅうぎゅうの環境など…
たくさんの課題があるのに、過大規模校では何もしない。

一体何のための計画なのでしょうか……?

■小規模校を必要とする子ども・保護者がいる!

私自身、子どもが小規模校に通っています。
アットホームで一人ひとりに目が行き届く魅力、環境のよさを実感しています。

練馬区が問題視することが、まーーーーったくピンときません。ピントがずれずれ。

特に中学校は、選択制です。
先日、中学校選択制の質疑で「特色」の話が出ましたが、小規模校という点が、まさしく「特色」そのもの。
それを選択し、入学する子どもや保護者がいるのです。

私の求めに対し、練馬区に
「この冊子だけでわかるとは思っていない」
「1月に説明会を開催」
と答弁させることはできました。

ちなみに光八小の校歌は、先日お亡くなりになった
谷川俊太郎先生の作詞!
「♪おひさまの見えない指が 友達のほほをくすぐる」
とてもいい歌詞…♪

これも廃校となれば、なくなってしまうでしょう。

■当事者である子どもの声の、耐えられない軽さ…

『こども基本法』に定められた子どもの意見表明権の観点からも、何より重視されるべきは、子どもの声。特に、当事者の子どもの声です。

子どものことは、子どもの声を聞いて決める。
当事者抜きに決めない。

もはや常識、遵守せねばならないことです。

しかしこの計画は、子どもの声は全く聴かれずに作られました。

「準備会」にも、子どもは入れません。

アンケートを学校タブレットPCのブックマークに入れる程度。

最低でも、練馬区が潰そうとしている学校に、直接、教育委員会が赴き、対象の子どもたちに丁寧に説明したうえで、他のないよりも重視して、計画に反映させるべきです。

それさえできないなら、やるべきではありません。最低限のことです。

それなのに練馬区の答弁は

  • 該当校の子どもから「意見があれば説明」
    ↑「あれば」と限定付きで、意見反映するとも言わない
  • 小竹小・旭丘小でも投票など意見を聞いている
    ↑統廃合については、何度求めても一度も聞いていません!!!
    子どもに何の説明も意見聴取もしないのに、こんな事例としてさらりと小竹・旭丘を出してくるのは、保護者としても本当に腹が立ちます!!!!!!!!

■小竹小はどうなる?

旭丘の小中一貫教育校に、今後統合されると、練馬区が方針を出している小竹小学校。

今回の計画の中では

「小竹小学校については、令和8年度の新校開校後の状況を確認し、統合に向けた調整を進めます」

と書かれています。

練馬区は、これまでの方針と「変更はない」という説明をしましたが、これまでは「児童生徒数の動向」などの状況を見て、という説明でした。今年3月の答弁でも「両校・児童・生徒数推計を踏まえ、教室数、周辺環境、隣接校との位置関係等も加味して、総合的に判断」としています。

それが「開校の状況」という、どうとでもできる文言に、さらりと変更しています。

Q:生徒が減らないことが推計でわかっているから、生徒が減らなくても小竹小を廃校にできるようにしたのではないか?
Q:「児童生徒数の動向など」は勘案するのかしないのか、その点はこれまでの答弁と変わりないのか?(であれば、文言を追加すべき!)
Q:また、開校までは少なくとも何も動かさない、水面下で動いたりもしないということでよいか?

を詰めたところ……

  • 小竹小に関しては、令和元年度に基づく方針の進捗状況であり、検討経過の記載ではない
  • スタンスは変わっていない
  • 動かないかという点→書かれている通り。説明、調整は必要な場面で呼びかけすることはある。「令和8年度の新校開校後の状況を確認」以外の何物でもない

■「適正規模適正配置検討委員会」の構成の偏り

練馬区は、この計画は「練馬区立学校の適正規模適正配置検討委員会」の答申を受けたからよいんだ、という主旨の答弁を繰り返していました。

しかし、その検討委員会の構成をみると…

12人中、区の管理職(部長、課長)が6人!
4人は校長。

あとはPTA1人、有識者1人という構成です。

さらに、委員長は教育振興部長で
副委員長は、統廃合担当の部署である教育施策課長。

「様々な立場の方」がいて「偏りがあるとは考えていない」と答えていますが、区の管理職と校長でほとんどを占める構成の、何が語っていないのでしょうか……?

区管理職の比重が多すぎて、「答申でOKと言われたからいい」とは、とてもではありませんが、言えません。


パブコメを送ろう!

パブコメは、12月11日よりねりま区報や練馬区HPなどでスタート。
小中学校のタブレットPCにもブックマークされるそう。

ぜひ多くのご意見を送り、
「教育を壊すな!」「学校を守ろう!」
の声をあげていただければと思います。

https://www.city.nerima.tokyo.jp/kusei/pubcom/oshirase/tekihai2keikaku_soan.html