大二中を分断する計画に、どうか反対の声を!『大泉第二中学校の教育環境保全と大泉学園駅南側地区まちづくりの取組方針(素案)』【2024/12/9文教児童青少年委員会】
2014年12月9日、文教児童青少年委員会のレポートです。
大泉第二中学校、大二中を、補助135号線、補助232号線の2つの道路で、敷地を4つに分断するという、とんでもない計画。
学校の教育環境を保全しながら、道路を通すという名目の「取組方針」素案が示されました。
学校より道路を優先する教育委員会の姿勢に、絶望的な気持ちになります。
質疑を通して、その絶望が、さらに深まりました。
課題しかない計画…
今後、オープンハウスも開催されます。ぜひとも声をあげたり署名したりなどし、学校を教育を、子どもたちを守るため、協力いただきたいと思います。
以下解説です。
概要
問題①校庭が狭くなる!
今ある校庭の面積は、9500㎡ 。
計画では、東側敷地に作る校庭が7300㎡ 。
2200㎡ も減ります。
練馬区は、学校から離れた土地に、第二校庭をつくり、そこが4600㎡ あるから良い、としています。
しかし、離れた敷地で、どのように体育祭を実行するのでしょうか??
当たり前のことですが、敷地が同じだからこそ、できる行事や活動がたくさんあるはずです。
これには教育振興部長さえ
「体育祭を分けてやるのは難しい」
と認めました。
一方で、他校に比べて狭いわけではない、「問題なくできる」とも答弁しましたが、
大二中の魅力の大きな一つが、広い校庭です。
そこで、部活や様々な活動ができることが、大泉第二中学校の特色なのです。
「他と比べて狭くない」では、大きな魅力が失われてしまいます。
今までの活動がそのまま継続できる保証は絶対あるのか?
を問うても、明確な答えはなし。
それで、「教育環境が保全」されていると言えるのでしょうか?
「200メートルトラックはしっかり取れる」と言いますが、「あたりまえ」のことです。
特別広いわけではなく、練馬区が最低限設けた基準に過ぎません。
教育環境の「保全」も「向上」も、なし得ないのです。
問題②第二運動場は「不整形」
この「イメージパース」という図では、なんとなくいい感じに見せようとしています。
しかし本当は、学校から離れたところに作る第二運動場は、形が整っていません。
いわゆる不整形です。
そのことがわからないように描かれた図となっています。
本当の敷地の形はこちら↓
練馬区も
「図面上、整った形になっていない」
と認めています。
「これから設計の中で工夫」としており、
4600㎡ という数字だけを見れば、広いように感じますが、
実質使いやすいものになるかはわからない状況です。
問題③イイカンジに見せようと必死!!!
「これからの時代に対応した施設整備」
と書いている項目では、バリアフリーや太陽光発電など、さも素晴らしく良くなるように書いてあります。
しかし、実はこれらは、どれも「当たり前」のことが書いてあるに過ぎません。
大二中が4つに分断されるから、そのデメリットを上回るような特別な良い環境を作ろうとしているのではないのです。
他のどの学校でも守らなくてはいけない最低限の基準が書いてあるだけ。
バリアフリーも耐震も防犯も、あたりまえにやらなければならないことです。
逆に言えば、その程度のことしか書けない、ということです。
学校を4つに分断するというのに、その程度しか言えない。
それをどうにかよく見せようと必死になっているなあ、という印象です。
↑こちらの「グランドデザイン構想より抜粋」の図に至っては、私はこれは印象操作ではないかと思うほどです。
「15-16メートル」の道路で、こんなに広々とした空間が確保できるはずがないからです。
いい感じに見せようと、全体的に苦戦している様子が伺えますが、
印象操作だと誤解されるようなイメージ図の使用は止めるべきです。
問題④学校全体の面積も減る
学校が4つに分断される結果、学校全体の敷地も減ることが発覚しました。
分断後の南西敷地、南東敷地は、学校敷地ではなくなるのです。
今18,900㎡ のところ、14100㎡ に減少します(※第二運動場は別)
↓図の下ふたつ、青い部分
問題⑤生徒の負担が増大
道路ができると、用途地域が変わり、高い建物が建てられるようになります。
大泉第二中学校は、今は3階建てですが、4階まで建てる想定。
4階まで階段で上がらねばならず、体育館や校庭への移動も遠くなる。
生徒の身体的、時間的負担が増大する事は、間違いありません。
この案で、教育環境が保全、向上すると、本気で考えているなら、練馬区の教育の未来は本当に暗いと思います。
これで一体、教育環境のどこが向上すると言うのか?
練馬区の見解は…
- 「有識者委員会」でOKが出たからよし(←非公開ですよね)
- 校舎の標準仕様を満たす(←あたりまえ!!!)
- 大二中がこれまで培ってきた環境を踏まえて検討(←まさかの、これから検討ですか!!!よくなる確証も保証もできていない計画ということですね!)
と、答弁するそばから、突っ込みどころが満載です。。。
唯一具体的に「向上」と言えるのは、体育館の広さのみ。ですが……
- 体育館は2倍になる
- ただし、体育館は練馬区でも狭い方
もともと狭い体育館が2倍になる。
もともと広い体育館が2倍ではない、と言うところは押さえておきたいところです。
問題⑥学校だけ分断されて、道路が完成しない危険性
私が1番危惧していること、
そして、現実的にあり得ると思っていること……
それは、大二中だけとっとと建て替えてしまい、
目的の道路は何十年も完成しない可能性です。
補助135号線、232号線は、現道がありません。
現道のない道路を通すには、用地買収、立ち退きなど、とても長い時間がかかります。
時折、ニュースにもなる練馬区内の放射7号線のように、1人でも、1軒だけでも立ち退かなければ、道路は開通しません。
実際にその実例があるわけです。
練馬区は、10年を目標にすると説明しましたが、
わずか10年で道路ができない事は、他のたくさんの道路事業の進捗を見ても明白です。
このままだと、学校だけ4分割にされ、道路は完成しないままと言う悲劇が起こり得ます。
それが起こらないと確約できるのか?を問うと、
練馬区は私の指摘のような事は「起こらない」と答弁し、驚きました。
どんな根拠を持って、100%起きないと言ったのでしょうか?
責任はとれるのでしょうか?
子どもたちのため、未来のため、教育のため、この計画は何があっても、見直すべきです。
教育委員会は、他の何を差し置いても、子どもたちを守るべき組織です。
しかし今は、子どもと教育以外を優先しているように思えてなりません。
皆様、ぜひとも、ご協力をよろしくお願いいたします。