学校司書の勤務時間増や待遇改善が大切!『練馬区子ども読書活動推進計画(第五次)素案』へパブコメを!【2024/12/9文教児童青少年委員会】

2024年12月9日、練馬区議会・文教児童青少年委員会のレポートです。

練馬区子ども読書活動推進計画(第五次)素案

子どもの本を読む時間、冊数などが年々減っていることが、報じられて久しい今。
子どもの読書を支えるための、非常に重要な計画です。

1月15日までパブリックコメント受付中!
ぜひパブコメを送ってください。

練馬区HP:子ども読書活動推進計画(第5次)

概要

概要版資料

注目①「4つのリーディングプロジェクト」

第5次計画で新しいポイントが、以下の4つのリーディングプロジェクトです。

①家読(うちどく)

必要でもありいいことでもあるのですが……

家庭に余裕がどんどんなくなってる今、どのように行うのか、どうサポートするのかこそが、重要だと思います。

②おしゃべりOKの図書館に

館内で声を出しても大丈夫な時間や場所を設定。
小さな子連れの保護者向けには午前中、
放課後の中高生向けには決まった曜日の夕方など、実施の方法を検討するとの事。

図書館の可能性を開く上で大切な方向性だと思います。

③授業で電子書籍を使えるように

2025年1月から電子図書館サービスを開始。
区立全小中学生に電子図書館のアカウントを配布し、朝読書にも活用できるようにするそうです。
中高生向けの電子書籍も充実。

子どもたちが少しでも本に触れる機会が増えるという点では、重要だと思います。

④地域の様々な居場所で、読書を楽しめるように

不登校児童生徒のための教室や中高生の居場所授業で団体貸出など、読書活動を支援するという事業。
日本語を母語としない子どもにも支援をする

……ということで、とても大切な取り組みですね!

この点、高口からは、「民間のフリースクールや不登校の居場所にも行うのか?」と質問しました。

練馬区
「それぞれの居場所の考えがある」
「民間団体から要望があれば考える」
との答弁。

要望を出そうにも、知らなければ要望できないので、
「ぜひ学校教育支援センターとも連携し、情報が行き渡り、情報が出せるようにしてほしい」と求めました。

注目②「学校司書の充実」が「新規」事業に

リーディングプロジェクトには載っていませんが、今回の計画で最も注目したいのが「学校司書」。

これまで、練馬区は、TRC(図書館流通センター)に委託をし、学校図書館管理員らを全校配置してきました。
委託の場合、学校の先生から直接指示ができないなど、「偽装請負」の問題がずっと指摘されてきました。

高口も、直雇用を求めてきたなかで、
今回、「学校司書」とあり、ついに直雇用か!?
と期待したのですが…

「労働派遣法に基づく労働派遣に切り替える」という変更。
つまり、直雇用ではありません。

日数や時間も変更なし。
(年100日、週2日、1日6時間)

労働派遣は、現在学校では、ALTで採用されている方式。

確かに偽装請負はなくなり、
学校での打ち合わせや、会議、先生とのやりとりが自由にできるようになります。
プロポーザルで、1社から派遣してもらう予定。

まあ、これまでも
「学校での打ち合わせや、会議、先生とのやりとり」をやっていなかったのか?
とも思いますが…

少なくとも、今後
「学校での打ち合わせや、会議、先生とのやりとり」という業務が正式に加わるのに、
勤務時間が増えないのであれば、その時間はどう工面するのでしょうか?

業務を増やすのであれば、勤務時間も増やすべきと求めました。

練馬区は
まず人材派遣。直接派遣されるのは大きい」
と答弁。

「まず」ということなので、ぜひ今後は直雇用に向かってほしいと再度要望しました。

時間については工夫していく……といった回答で、そこも改善してほしいと思います。

学校司書の重要性!

子どもの読書に詳しい方から伺ったご意見を踏まえて、以下のことも述べました。

  • 中学高校の不読率が高い理由に、小学生の時の読書指導が関わっている。
    どの子どもにも、その子どもに最適な、面白い本を手渡してくれる学校司書がいること。
    小さいときの読書経験が大切。
  • 子どもたちが自分で必要な本を選ぶ力をつけるためにも、ブックリストを適切に活用できるよう指導してほしい。
  • だからこそ学校司書の質が大切。
    そのためにも、150時間以上の勤務を全校で行ってほしい。
  • 何より、あたたかな指導ができる、子どもをよく知っている学校司書を配置してほしい。

皆様も、ぜひぜひ、学校司書さんの待遇改善なども含めて、パブリックコメントを送ってください!


【参考】2022/10/13文教児童青少年委員会レポート:『これからの図書館構想(案)』を読むと、練馬区のこれからが心配になる理由