【練馬区議会視察】 ①福井県「セーレン・ドームアリーナ」 ②石川県小松市「能登半島地震対応」

2024年11月7-8日、練馬区議会、総合・災害対策等特別委員会での視察に参りました。

①福井県「セーレン・ドームアリーナ」
②石川県小松市「能登半島地震対応」

の2か所+@について、レポートします。

【1】福井県「セーレン・ドームアリーナ」(県営体育館)

練馬区の総合体育館が老朽化し、改修の時期を迎えています。
どんな施設にするかの参考に、見学させていただきました。

https://www.pref.fukui.lg.jp/doc/undoukouen/taiikukan.html

■福井運動公園

・「県営は全国的に珍しい」とのこと
・体育館の他にも、野球場、プール、テニス場などがある
・陸上競技場は、通称「9.98スタジアム」
→日本で初めて10秒をきる記録を出した場であることから名付けられた
・この公園内にある体育館が「セーレン・ドームアリーナ」

■県営体育館設置の経緯

・1968(昭和43)年、国体10周年を機に、完成
・約40年後、2回目の国体(2018年)開催に向け、改修

■「セーレン」はネーミングライツ

・地元の老舗の総合繊維メーカー「セーレン株式会社」より
・年1100万、5年契約で5500万円

■コンセプト

・北信越の競技大会などを1箇所で行え、効率的
・全国規模の大会、国際試合が開催できる
・ユニバーサルデザイン

■スポーツを「見る」ことによる参加の推進

・福井県のプロバスケチーム「ブローウィンズ」が2022年発足
・約3600人の観客が集まる
・「県をあげて応援の機運を作っていきたい」

■「ふくい県民応援チーム」

・プロ、プロ化をめざす県内チームを、県民が一体となって応援する取り組み
・県民のスポーツ活動も応援
・6チーム(バスケ、ハンドボール、サッカー、フットサル、ホッケー)

【施設】

●メインアリーナ

・2870㎡
・バスケットコートが3面、バレーボールコートが4面とれる広さ
・天井も高い!
・客席→3975席
→可動式(せり出し式)の客席もある
・客席外周がランニングコースに→1日いても100円!
・プロの大会、インターハイ、大相撲等のほかは、学校やスポーツ協会での利用

★音響設備を改良
→大きなスピーカー6つを、小さめの12個に変え、反響しづらく聞き取りやすくした
・スポーツだけでなく、興業的なイベントも踏まえての対応

※利用料(1時間あたり、1面、照明料込)
学生1530円(冷暖房料は+3260円)
一般4640円(冷暖房料は+9780円)

→1/2面なら利用料も1/2に

●サブアリーナ

・1050㎡
・バスケで1面、バレーで2面とれる
・201席

●他施設

・多目的室
→壁に鏡があり使いやすそう!

・トレーニング室
→ジムの機材が揃い、視察中も多くの方が利用されていました

・ボクシング練習室

・キッズルーム→サブアリーナと直接つながり、ガラス越しに観戦も可能

・授乳室
・会議室3

●全体について

・延床面積→約13900㎡
・県内産の木材を、壁や椅子、柱などに多様
・アリーナの床は、コートを区切るテープを貼っていない状態→薄い色のガイドテープがあり、それに沿って、それぞれの団体が貼る
・車いすスポーツの床材ではない→車いすバスケで床がえぐれ、補修

■運営

・年間スケジュールを、調整会議で決定
・あいているところは一般利用に
→2ヶ月前受付


【2】石川県小松市「能登半島地震に係る対応」

能登半島地震、その後の豪雨に被災された皆様に、改めて心よりお見舞い申し上げます。

その中で視察を受け入れてくださり、本当にありがとうございます。

能登半島地震の状況や現状、小松市さんの広域避難受入れ等について、危機管理室の方から、お話をいただきました。

【小松市の地理的状況】

・大きな二つの川に挟まれ、内水氾濫が長年の懸念
・そのなかで、今回の地震
・地震により、共助、自助の意識が浸透
・自主運営組織の体制つくり

【能登半島地震、豪雨の被害状況】

●山と山の間、盛り土をしたところは弱い
・全部崩れた

●多重災害→津波など

●耐震化率→能登5割、小松8割
・瓦が重く、1階が潰れた
・新耐震基準の家は大丈夫だった
→同じ場所と震度でも…
・耐震化は非常に大事!

●朝市
・防火水槽が東海家屋で使えず
・隆起して水をとれない
・津波警報で海も行けない
・水がない
・どうにか生きている防火水槽で消しとめた
・水をかける→輻射熱による延焼防止措置
・5メートルの道路で止まる
→4メートルは輻射熱で止まらない

●建物倒壊
・2-3日前に解体開始
・原因追及するところは残してある

●土砂災害
・警戒区域に入っていなくても、山沿いの家は崩れるリスク

●隆起
・逆断層型
・2メートル近く上がった
・輪島港→漁に出られない
・底を掘り、一定程度出られるようになっているが、調査の段階
・復興まで至っていない

●津波
・押し流され、電柱も傾いた
・津波の経験は何度も、訓練もしている
・大津波警報出るとすぐに避難

●迅速な受援体制が重要
・小松市でも

●トイレが大事!
・最初に言われたのは「トイレが使えないことが大変」
・「市役所の前でも用意したほうがいい」
・「使えるようにしたほうがいい」「考えておいたほうがいい」
・携帯トイレ、簡易トイレ
・トイレカー
・マンホールトイレ→下水、配管がダメになったら使えない

●奥能登豪雨(9/21)
・1時間120mm
・流木が人命救助の邪魔に
・仮設住宅に水→腰まで水
・せっかく避難し、持ってきたものも泥だらけに
※仮設住宅の場所がない
・学校グランドも仮設に
・200-300メートル、狭いところにも
・場所がないところに作ったからか?
・検証、対策考えなければ

●支援物質
・今だいぶ充実
・不足→豪雨は土嚢袋、手袋、ブルーシート
→家から泥を出すときに土嚢袋に入れていく

●1日避難する方の想定→備蓄
・その他は自助で呼びかけなくてはいけない
・2-3週間すれば物資も充実する

【小松市における能登半島地震の対応】

●震度5強

●災害対策本部の設置
・9回開催(1-2月)
・対応方針、近々の市の行事をどうするか、能登からの避難者の受け入れ、支援一覧ホームページ公開…など

●県内交通機関→停止
・すべて運転見合わせ、欠航

●観光客の避難どうするか?
・小松駅200人→備蓄あり、対応
・空港400人→備蓄なし→指定避難場所に誘導

●市内の道路被害状況
・液状化によるヒビ割れ発生
・陥没→下水道入っているところ
→まだ下がっている

●第一報ではまだわからない(1/1 19時)
・3日にかけ少しずつわからず「多数」
・10日たっても「多数」
→まとめきれない
・日に日に被害が増す、被害がわかってくる

●10/29段階でも、「一部破損」が増えている
・災害関連死も

●広域避難者の対応
・『地域防災計画』でも、受け入れを想定していなかった

・孤立集落→小松市が受け入れの手をいち早く手をあげた
・能登空港から小松基地にヘリで運んでくる

・名簿もない、どこ受け入れか決まってない状況
・どこに避難させる?

・市内の宿泊施設、温泉に電話→あき確認→あいているところに入ってもらう
・ホテル等はキャンセル→お客さんが来ない状況があった

・すべて高齢者→介護が必要、車いすの方多い
・今後ケアをどうするか?

・福祉部局→介護施設、ケアマネに声をかけ、ホテルで健康チェック
・独自のカルテを作り、既往歴など確認
★受け入れ後の生活をどうするか、待ったなしで来る→ノウハウ必要

●2次避難
・情報が錯綜→「うちじゃない」たらい回しも

●1.5次避難所
・いしかわ総合スポーツセンターメインアリーナ
・介護認定など情報を集約
→必要な方を2次避難所につなげる体制

●県のLINEで登録
・その情報が市にくる
・ピークで小松市に1109人、まだいる人も

●小松市の避難状況
・ほぼ夜には帰られた

●被災者支援の対応
・「広域避難者対応チーム」
・二次避難所付近の公民館に「サポートデスク」

●被災者支援制度一覧
・とりまとめてすぐ出したほうがいい
・生活、住まい、生活再建…
・一覧を作っておくとよい
・窓口の混乱もなくなる

●被災者支援の受付状況
・列を作って並んでいた

●被災者支援システム
・被災者データベース
・県がデータを入れて、市が閲覧できるようにする
・各部局で共有する
・情報の一元化が必要

●災害救助費の適用
・避難所の設置(ホテル旅館借上げ含む)
・仮設住宅
・炊き出し、食品
・寝具、生活必需品←着の身着のまま来る
・学校用品
・輸送費、職員賃金

●義援金
・小松市独自の義援金も配布
・小松市の配分

●能登への支援状況
◯物資支援→小松市で仲介
・物資受け入れるところなかった
→こまつドーム集会室をあけて物資受け入れ
・ストックする場所→受援計画で決める必要
◯人的支援
327名職員派遣

●受援状況
・小松市も被害あり、支援受けている

●県・他市との連携
・各担当課との取りまとめ大変
・県との連携大事→日頃から対策の話し合い必要
・広域避難者→県が主体で進める→情報共有大事
・「災害救助費」細かい→適用されるか県に問い合わせ→答えの記録をしっかり残しておき、調整
→後から精査が入る際、記録を見せるとスムーズ
・消防・病院関係

【これからのビジョン】

「誰もが暮らし続けられる生涯安心のこまつ」

●地域防災力の強化
・洪水、津波ハザードマップ
・地区防災計画作成の呼びかけ

●避難所運営の強化
・デジタルキーボックスの設置
→数名の方で避難所が開けられるように
・避難所運営協議会の活性化

●防災リーダーの育成
・防災士の育成→5000人超え

●自主防災組織と防災士の関わり方
・自主防災組織に入れる防災士がたくさんいることが判明
・誰が防災士かわからない
・お互いの意識が噛み合わないことも
・ざっくばらんに話したり勉強会をしたり
→顔の見える関係構築、協力し合える関係づくり

★今後について

・迅速な実態把握→状況判断→決断→命令・実行→評価が行えるよう日頃からの訓練が必要
・被災情報や被災者、広域避難者の情報共有(県・他市・各部局間)
・早い段階での被災者支援の提供
・地域主体の災害対応能力の強化

【質疑応答】

Q受け入れた方の状況は?
・ヘリで運んだ方はすべてお帰りに
・仮設住宅が当たって帰った方
・住民票を移し、転入してきた方も
・知人の家に避難する方→把握していない部分もある

Q LINEについて
・県が主導

Q職員の時間外労働
・数百時間
・1週間帰れない時期も
・その後お休みも頂いた

Q自衛官の危機管理部門の採用について
・必要な時は、市に来て情報連携する
・市の職員として常駐する必要はないのでは

【※小松市議会について】

「小松基地・空港対策委員会」
・過去に、部品が落ちたり、亡くなられたことも
・騒音などもある→離着陸時は会話が聞こえなくなるほど、二重サッシにする地域も
・議会に報告をいただき、把握するための委員会
・定例会は月1回

【3】自主視察

あき時間はほとんどありませんが、
できる限り、公共施設を中心に、
駆け足ですが、見てくるようにしています。

■福井駅前

・どこもかしこも恐竜、恐竜、恐竜!
・動く恐竜、おどろき…!
・駅前ビルには、まちづくり施設、観光施設、プラネタリウム、ボランティアの紹介パネルなどがあり
→恐竜つながりで、モンハンとのコラボイベントも

■小松駅前「こまつの杜」

・KOMATSUの本社の跡地に、大型シャベルカーやダンプカーがどーん!
・ほかにも、未来館、こども向け施設、子どもたちと耕すたんぼ、ホタルの生育など、盛りだくさん
・シャベルカーを動かす体験シミュレーションも、超!楽しかったです

■小松駅前「コマツナイン」

・小松観光交流センター
・フードエリア、お土産コーナーのほか
・カフェ、ギャラリー&イベントエリア、コワーキングスペースも!

■小松駅前「サイエンスヒルズこまつ」

・無料!で、科学を体験的に学べる施設
・こども向けの体験教室等も
・芝生の屋上に登れるのが楽しい!


大変勉強になりました。

受け入れてくださった職員の皆様、お忙しいなか、ありがとうございました。