練馬区議会2023年度決算に反対の討論~タワマンや美術館屋上の高みからではなく、足元の暮らしに目を向けよう!

2024年10月11日、練馬区議会2024年第3回定例会の最終日。

4つの決算に対する反対の討論に立ちました。

※録画配信はこちら
https://smart.discussvision.net/smart/tenant/nerima/WebView/rd/speech.html?council_id=85&schedule_id=6&playlist_id=6&speaker_id=0&target_year=2024
15分頃からです

思いをぶつけました。
お聞き頂ければ幸いです。


インクルーシブなねりまをめざす会を代表し、
議案63から66号、一般会計、国民健康保険事業会計、介護保険会計、
後期高齢者医療会計の、2023年度決算に、反対の立場で討論をします。

練馬区は、昨年度も変わらず、「民間の活力」を理由に、民間委託や民営化などを
熱心に進めました。その「民間」の実情を見ると、物価高騰、人材不足、
その結果の工事の不調などが頻発し、民の疲弊は誰の目にも明らかです。

区が公共の役割を見直さないしわよせで、犠牲となるのは、区民、子どもたちです。

その代表が、谷原保育園の廃園を進め、保護者の反対を押し切り、
1歳児クラスを強制転園させたことです。

元1歳児クラスの保護者は転園した今もなお、苦しみ、こう訴えています。

「子ども達が犠牲となった強制転園に到底納得はできない」

「私立保育園で保育を受けるうちに転園を考えるようになったが、
練馬区で保育園を選べる状況にはなく、
仕方なく転出も視野にいれた転園を考え始めている。
子どもへの負担となるが、区立の安心安全な保育環境を知ってしまった為に
いつまでも比較してしまう事や、
私立保育園にも負担をかけてしまうことが保護者として苦しくなっている」

「地域の子育て環境の質を確保するために区立保育園の必要性を感じている」

練馬区は「子育てを選択できる社会」を掲げていますが、選択できるどころか、
安心して預けられる保育の選択肢を、区自ら奪ったのです。

他にも、「攻めの防災」といいながら、地権者らを苦しめています。
ブロック塀や道路は、区民の権利に抵触するものであり、「攻め」ても逆効果です。
その証拠に、「2022年度に危険なブロック塀の全撤去」だった目標は
わずか14%と、達成に程遠い状況です。

区民を、子どもを犠牲にする「改革」より、区民との対話こそが必要です。

同様に、外環の2や大泉第二中学校を分断する道路計画、
稲荷山公園計画による住民の立ち退き、小竹小の統廃合などは、
区民と対話し、一から見直しを求めます。

社会的擁護では、東京都が練馬児童相談所を設置。
その実情は、練馬区の子どもがどの一時保護所にいるか、区の職員にはわからず、
練馬児相の一時保護所が今後どこに設置されるかも、東京都次第です。

社会的養護の子どもたちの支援について、
ケアリーバーのアフターケア事業、区独自の奨学金、
こどもアドボケイトの導入など、他区がすでに取り組んでいて、
当事者から求められていることは多々あります。

区長は、6月10日の本会議で、
「この子たちのために自分ができることは全てやろうと心に誓いました」
と発言されました。

そう仰ったからには、区ができることを実行すべきです。

今年は子どもの権利条約批准30年目にあたり、
練馬区子どもの権利条例も制定すべきです。

他にも、放課後デイ等への移動支援、
日本語学級や居場所の設置、外国ルーツの子どもの支援、
不登校対策の校内別室の環境整備、教員間のハラスメント対策、
盗撮、児童ポルノ、教育虐待など、幅広い問題の取り組みも求めます。

特に盗撮は、子どもがただ遊んでいるだけでも、
性的な目的で撮影されれば、インターネット上で拡散し、
第三者に付きまとわれる危険さえあります。

練馬区立美術館が改築されると、真横にある学校が屋上から見渡せてしまいます。
何よりも子どもたちを守るため、
学校の真隣に、児童が丸見えの現設計は絶対に見直すべきです。

石神井公園駅前再開発では、行政訴訟が起きた時点で、区の進め方の問題が問われます。

さらに、地裁の判決について、原告らは
「『マスタープランに書いてあれば地区住民の考えは無視して
市街地再開発事業を進めてよいという考え方』は、
地域住民によるまちづくりを根底から否定し、将来に大きな禍根を残す」
と述べ、東京高裁に控訴しました。

このような駅前再開発、美術館改築、施設の統廃合など、
練馬区の施策を俯瞰すると、
「1点豪華主義」と表現したくなります。

タワーマンションや、美術館屋上のような高みから
遠くの富士山を眺めることよりも、
地域に根を下ろし、足元の目線から、
小さく、あたたかな居場所、コミュニティーを
地域にたくさんつくっていくこと。

雨庭のように、地域の人々が未来のために
地道に少しずつ取組める方策を拡げていくことこそ、
練馬区が向かうべき方向性ではないでしょうか。

また、国民健康保険は、保険料の値上がりが生活をさらに圧迫。
マイナ保険証は、情報連携に1ヶ月半もかかると明らかになり、
メリットも破綻しました。

介護保険では、訪問介護の報酬改定引き下げがあり、
尊厳ある在宅の暮らしの支援を難しくしています。

こうした足元の暮らし、区民の苦しい生活に
目を向けることを求め、反対討論とします。