【決算・高口質疑】①桜台東部地区→桜台通り正久保通りの対策を②氷川台駅前まちづくり③水害・治水対策④石神井公園駅前再開発の新たな問題
2024年9月30日、決算・都市整備費での高口の質疑です。
以下の4つの問題を取り上げました。
高口質疑→論点まとめ
①道路拡幅で反対の根強い桜台東部地区
- 防災道路を拡げても、桜台通りと正久保通りがブロック塀や電柱倒壊でふさがれたら、緊急車両も物資も入ってこない
- その対策を優先すべき!
②氷川台駅前のまちづくり
- 現在の歩道が狭すぎる問題→対応を!
- 放射36号線ができると駅まで遠くなる問題の対策を
- 残った三角地などを買取ってスペースをつくり、人が集えるまちづくりを
③水害対策
- 「雨庭」の取組を拡げてほしい
- トース土(雨を浸透させる土)→区立施設や学校での導入を
- 「コンクリートから土へ」の世界的な流れ
④石神井公園駅前再開発→学校の教室数は足りる?
- 石神井小学校では、近隣のマンション開発で、教室数が不足→増築の補正予算が計上されたばかり
- 石神井公園駅前の新しい再開発ビル→180戸
- 近隣の光和小の教室数や学童が足りるのか?
→ディベロッパーは考えずに計画を進めている - 今後、別の大きなタワマンが建つ可能性も
- まちづくりとして、地区計画変更に問題がある
↓以下、決算での質疑(文字起こし)です↓
※一部聞き取れない部分があり、議事録ができたら修正します※
【1】桜台東部地区の防災まちづくりは、桜台通り&正久保通りの対策の優先を!
①ブロック塀の撤去→全く進まず…
総務費で触れたブロック塀について
危険な1600件のうち、撤去は231件のみ、との答弁でした。
約5年で14%の進捗なので、
1年で3%として、あと28年はかかる計算です。
時間の流れで建て替わるほうが早い気がしますが…。
昨年度のアクションプランの目標130件のうち98件しか進まず、
KPIもB(※一番最低のランク)で目標に届かず。
一昨年度もBでした。
今年度、防災まちづくり地区内の助成金を増額しますが、
昨年度までの桜台東部地区内において撤去数、撤去率と、今年度の目標数を教えてください。
A:防災まちづくり課長
- 桜台東部地区は木造住宅が密集し、狭隘な道路が多く、大規模な地震が発生した際に延焼や建物崩壊の被害拡大が懸念される為、地区の骨格となる道路や公園整備、建物の具現化・耐震化・初期出火の防止対策など、ハード・ソフトの両面から、様々な災害に強いまちの実現を目指しております。
- 区はブロック塀等の撤去について、倒壊による人的物的被害を防止する為、助成制度を活用し取り組んでおります。
- 特に大規模地震発生時の被害が懸念される密集事業実施地区と防災まちづくり推進地区内では、地区内で指定した閉塞防止路線沿道のブロック塀等の撤去費用助成を今年度から拡充し、一層勢力的に取り組んでいます。
- 事務事業内容等で記載されている通り、貫井富士見台地区を含めた密集事業実施地区における令和5年度末までのブロック塀等撤去費用助成の件数累計は31件です。
- このうち、桜台東部地区における撤去件数を確認したところ累計で11件、この内4件が危険性が高いとされている塀です。
- 早期に危険なブロック塀等の撤去が進むよう引き続き頑張って参ります。
②目標値さえない…
桜台地区ではまだ11件ということで、貫井富士見台地区は20件なのでそれより進んでいないということです。
目標の話がなかったと思いますが、
助成額を上げるなら最低限目標数や目標年度を設定して進めるべきだと思います。
③桜台通り、正久保通り、電柱倒壊対策は?
私は桜台で生まれ育ったのでよくわかりますが、住民から見れば、4メートルの防災道路を拡げても、そこに入る前の桜台通り、正久保通りでブロック塀や電柱が倒れたら、結局緊急車両も物資も入ってこられません。
先ほど木造住宅密集地域業の事業は「骨格となる道路」の整備とおっしゃいましたが、まさにその「骨格」が、桜台通り、正久保通りです。
地域の主要道路の対策こそ、緊急に取り組むべき最優先事項です。
ブロック塀の撤去だけでなく建て替え費用の助成も加えて、撤去を促進し、地域の防災性を高めるよう求めます。
そのうえで、住民からも要望の多いのが無電柱化です。
無電柱化や、電柱対策がどうなっているのか、伺います。
A:防災まちづくり課長
- 電柱の倒壊対策等についてお答えいたします。
- 電柱は省令に基づき地震などで通常想定されている影響を考慮し設置することとされており、
- 過去の地震においても、沿道建築物等の影響による被害はありますが、地震等による電柱への直接的被害は少ないものとされています。
- 一方、電柱が倒壊した場合は道路を閉塞し、緊急車両の通行を妨げるなどの恐れがある為、その対策としては無電柱化が効果的です。
- 桜台通りや正久保通りは生活幹線道路に位置付けられており、練馬区無電柱化推進計画において、無電柱化を検討する道路としています。
- 今後、道路整備等と合わせて無電柱化を検討するという位置付けでございます。
- 一方で、地域で消防活動を円滑に行う為には、地域内に6メートル道路が不足しており、防災道路の整備については必要なものと考え
- 地域住民の理解と協力を得ながら着実に進めて参りたいと考えております。
④全く進んでいない無電柱化
無電柱化を二つの通りで検討するということですが、実際には進んでおらず、今進んでいるのは防災道路の方の用地買収がどんどんどんどん進んでいるという印象です。
電柱自体が単独で倒れるというよりも、建物とか他のものが倒れる事によって電線が引っ張られて倒れる、そちらの方が実際には(多く)あるそうです。
建物が倒れて電柱が倒れるということは、充分想定できることです。
それが桜台通り、正久保通りで起きれば、せっかく防災道路を整備しても、緊急車両は入ってこられない。
桜台通り、正久保通りの対策こそ優先すべきです。
⑤耐震性も高められる断熱材
また、防災まちづくりに限らずですが、耐震改修の際は、「耐力補強もできる断熱材」があり、使い回しもでき、SDGsの観点からもメリットがあります。
断熱も耐震もあわせて行える点、区の施策に活かしてほしいと要望します。
【2】氷川台駅まちづくり
続いて、氷川台駅周辺地区について伺います。
①駅に行き来しやすい対策を&今の工事の不便、対策を!
①放射36号線ができると、駅までの長い横断歩道で不便になることに不安の声があがっています。駅とスムーズに行き来できるよう、地下通路等の方策を都に粘り強く要請するよう求めます。
②また現在の工事による狭すぎる歩道についても、できる限りで、工事区域のフェンスをセットバックする等、できるだけ歩行者の不便を軽減する対応を都に求めて頂きたいです。
2点伺います。
A:東部地域まちづくり課長
- 放射36号線整備後の駅へのアクセスについて、地域に与える影響が大きい事は、当然区も認識しています。
- これまでも、道路事業者である東京都と協議をしており、引き続き東京都と精力的に協議を行なっていきます。
- お伺いのフェンスは駐輪場の適切な維持管理上設置されていたものですが、現在、駐輪場が廃止されフェンスのみが残っています。
- フェンスがあることで歩道空間が狭いという事も区は認識をしています。
- 既に東京都に対して、歩行空間を確保できるようフェンスの移動を要望しています。
- 引き続き、放射36号線整備期間中も歩行者が安全に通行できるよう東京都に要望して参ります。
②駅前からお店がなくなる…人が集うまちづくりを提案
認識して求めていただいていると言う事ですが、まだまだこう狭くて不便が続いているので、ぜひ引き続きしっかりと都に要望を行なっていただきたいです。
また、駅前から飲食店やドラッグストアなど生活に欠かせないお店がなくなってしまうことも、住民の大きな打撃です。
今後のまちづくりにおいての対応を求めた上で、
8月6日の地区計画検討会では、小竹町のこたけあそびや池袋グリーン大通りのリビングループが事例として紹介されました。
どちらも、みちあそび、道路をコミュニティスペースとして交流する取組みです。
放射36号線が新たにできることは避けられないので、たとえば、用地買収によって生じる、地権者も困るような残った三角地を区が交渉して買取り、少しでもスペースを確保しつつ、ベンチを設置したり、キッチンカーを招いたり、歩道沿いでマルシェを開いたりなど、道路上やスペースで新たな交流やコミュニティを生み出す新たなまちづくりに、区民と協働で取り組んでほしいと思いますが、見解を伺います。
A:東部地域まちづくり課長
- 放射36号線の用地買収は、東京都が道路事業により行なっています。
- 東京都が残地を買い取ることは通常ありません。
- 残地を区が取得するには、区道が接してないことから買い取り方などに大きな課題があると認識しています。
- 氷川駅前における放射36号線の歩道空間は、バスベイやタクシーベイなど、交通結節機能の必要があるため、通常の歩道空間よりも狭くなると東京都から聞いており、なかなか交流の場として活用するには課題があると認識しています。
③駅前の課題、前向きに取組みを
氷川台の駅前というのは元々人が集えるようなスペースがなくて、道路ができる事によってお店もなくなって、そういうスペースをどう確保するのかということがとても課題だと思います。
残地を買い取らないというのも財源の問題があるかと思いますが、区としてできることをやっていただきたいと要望します。
【3】水害、治水対策
①「雨庭」→広く取り組みを!
都市化によって地表がコンクリートに覆われた結果、洪水の発生頻度は3倍になったと言われています。
今後、国交省の気候変動シナリオでは、2℃上昇で2倍、4℃上昇で4倍にも達します。
雨水を下水に垂れ流さない取組みが命を左右する問題になるなか、他会派の質問でも「雨庭」が紹介されました。
私も注目する施策で、区民一人一人ができる範囲で、小規模少額から始められ、地域全体に広げるほど効果が高まる雨庭について、区の周知啓発を要望します。
熊本県人吉第一中学校などで、生徒が学校に雨庭をつくる実践例も参考にしていただきたいと思います。
②面的な効果のある「トース土(透水土)」
他にも「トース土(透水土)」といい、改良した土に雨を浸透させ、下水に流れるのを遅らせる方法もあります。
吉野ヶ里歴史公園や山口県の中学校のグラウンドなどで採用され、「面的に広く実施するので流出抑制効果は高い」と、島谷幸宏熊本県立大学特別教授も述べています。
校庭が水たまりになりにくいメリットもあります。
土の改良、トース土による雨水流出抑制対策を公共施設、学校で導入する点について
区の見解を伺います。
A:計画課長
- トース土工法とは、土に添加物を混合をして改良することにより透水性と保水性を向上させる工法と認識しています。
- 区はこれまで学校や公園などの公共施設で雨水浸透処理施設の設置を行なって参りました。
- これらの施設は、雨水を一時的に貯留する事や地中に浸透させることで河川への流出を防ぎ、地下水寛容にも資する取り組みです。
- 雨水浸透処理施設の整備にあたりましては、その効果はもちろんのこと、現場の状況やコスト、調達の容易性、維持管理性など、様々な点を考慮した上で、材料等の選定を行います。引き続き公共施設における雨水浸透処理対策の検討を進めて参ります。
③コンクリートから土へ
トース土も導入コスト的にはそんなに高いものではないと聞いているので、ぜひ前向きにご検討をお願いいたします。
世界に目を向けると「コンクリートから土へ」の流れがあり、これは洪水対策や雨水対策と繋がっているのですが、
ニューヨークでは今、車を最優先とする、車の「優先通行権」の「リセット」を掲げ
2030年までに、道路などの「不透水舗装面積10%」の削減を目標にしています。
練馬区でも、長期的に、「コンクリートから土へ」の考え方が重要と思いますが、区の見解を伺います。
A:計画課長
- 治水対策は東京都が実施する河川・下水道の対策と、区が行う流域対策を合わせ総合的に行うことが大切です。
- この内流域対策としましては、これまで浸透マスなど、雨水貯留施設の設置を行うと共に、公共施設や民間施設の整備に合わせて緑化を推進するなど取り組みを進めて参りました。
- また、雨庭などにつきましても、効果やコスト、維持管理性などを踏まえて、公共施設への設置について検討していく考えです。
- 引き続きこうした取り組みにより、止水対策を進めて参ります。
④グリーンウォッシュではないグリーンインフラの対策を
「コンクリートから土へ」の流れが他の都市でもあるようですので、ぜひ先進的に取り組んでグリーンインフラの対策となるよう求めます。
【4】石神井公園駅前再開発→まちづくり全体の問題
①ディベロッパーは、小学校の教室数や学童の空きまで考えずに売る
石神井公園駅前の新しい再開発ビルはファミリータイプの住戸が200前後、
学務課で先日、180戸と聞いたばかりで、近隣の光和小学校の児童数を推計中とのことでした。
石神井小学校の増築の補正予算が記憶に新しいですが、今回の再開発組合やディベロッパーは、近隣の小学校の教室数や学童の空き状況などまで考えて販売計画を立てているのでしょうか?
A:西部地域まちづくり課長
- 石神井公園駅南口西地区の再開発事業についてですが、地区内の関係権利者の皆様が再開発組合を設立して進めている民間事業です。
- 住宅を整備する事による地域の人口増について、公共施設など、どのように影響するかは私どもが検討する事という事です。
②子どもの教育環境を考えたまちづくりになっているか?
ディベロッパーはそこまで考えないわけですけれども、教室や学童が不足して影響を受けるのは子ども達であり、対応するのはサービス提供者であり、まさに練馬区です。
元々光和小というのは人数が多くて現在で800人くらいいると思います。
地区計画変更によって、この先更なるタワマンが建つ可能性があります。
子ども達の教育環境を考えたまちづくりだとは、私は思いません。
その意味でも大規模マンション建設を可能にしてしまった、今回の地区計画変更には大きな問題があると指摘して終わります。