【練馬区議会・予算】インクルーシブな練馬をめざす会の意見表明

※2023/3/8、練馬区議会・予算特別委員会のレポートです。

練馬区議会、予算特別委員会、終了

★結果は?

予算特別委員会が終了しました。

私たち「インクルーシブな練馬をめざす会」は、

  • 2023年度:一般会計
  • 2023年度:特別会計(公共駐車場会計を除く)
  • 2022年度:最終補正

「反対」をしました。

共産党さんとオンブズマンを除く、すべての会派が、「賛成」にまわり。
予算案は、すべて「可決」されました。

あれ?と思った方もいるかもしれません。
そう、国政では”野党”の会派も、「賛成」なのです……。

★区政と対峙できる議員こそ必要!

予算案に「賛成」するということは、賛成ベースでの質疑となります。
厳しく追及をするなら、「反対」の姿勢はとても重要。

今の課題だらけの練馬区議会の状況を考えれば、
しっかりと区長・区政と対峙し、追及する会派や議員が、絶対に必要!

しかしそれが少数派なのです……。

最終補正予算にまで反対したのは、インクルのみ。

だからこそ、高口ようこと、所属するインクル(インクル-シブな練馬をめざす会)の存在は、練馬区議会のなかで、より重要と際立つ、予算特別委員会となりました。

意見表明

予算特別委員会の最終日に、各会派がこれまでの質疑や要望をまとめて述べるのが「意見表明」。

各会派の意見がひととおり網羅されています。

「インクルーシブな練馬をめざす会」の考え方がよくわかって頂けると思いますので、長いですがご覧ください!

※議会では、きみがき圭子区議が会派を代表して発言しました。


★前段:区民の理解が不可欠!

区の財政は「依然として予断を許さない財政状況が続く」としています。

そのような中、81億円かけて美術館を整備することや、
地域住民が必要としない道路やまちづくりが今やるべきことなのか、
区民の理解を得られていません。

区の計画に反対の声をあげる区民を置き去りにして
都合の良いところだけ区民との協働を掲げる区の姿勢は
改めるべきです。

以下款ごとに意見を述べます。

財調、財政計画
  • 3年に及ぶコロナ禍に追い打ちをかける物価上昇がある中の予算編成で、最も力を入れるべきは区民の生活を練馬区として主体的に守ること。しかし、「ねりま推し」として外的要因に頼って練馬区をPRし、それに税金をかける姿勢には疑問を持つ。区民の生活を第一にした区政の姿勢を示すべき。
  • 特別区から東京都への要望でも、特別養護老人ホームのこと、DV被害者支援、再犯防止など多様な課題を挙げている。区としてもこのような多様な生活課題の解決に積極的に取り組むとともに、国や都に対応を求めること。
  • 杉並区の区民参加型予算モデル実施のように、税金の使い道について区民とともに考える機会を設けること。
  • コロナ禍でも当初想定したほど歳入は減っておらず、法人住民税等の増収が見込まれている。また、財調協議も調えば、練馬区の財政に良い影響を与えるとのこと。財政面から見てもコロナや物価上昇の影響に格差があるとも考えられる中、苦しい生活をしている区民・事業者の支援に、より一層の力を入れること。
総務費
  • 平和首長会議から、核兵器廃絶に向けて貢献することを政府に要請するよう求められている。加盟自治体であり、非核都市宣言もしている区として、国に核兵器禁止条約の署名・批准を要請すること。
  • 会計年度任用職員の待遇を改善すること。
  • 第5次練馬区男女共同参画計画では、「多様な性・多様な生き方を認める意識の形成と啓発事業の強化」が重点取り組みとして掲げられている。LGBTQ施策が遅れている国の法整備を待つのではなく、パートナーシップ条例を制定すること。
  • ジェンダーという言葉が広まり、「男だから」「女だから」と決めつけることで、男女の間に偏見や差別、不平等が生まれていると広く知られるようになった。第6次計画には「ジェンダー」という表記を取り入れること。
  • 少子化はジェンダーの問題でもある。ジェンダー格差解消のためにも、女性が多い会計年度任用職員の常勤化、待遇改善とあわせ、より待遇の低いサポートスタッフで補う対応をやめること。
  • 2024年に施行される「困難な問題を抱える女性への支援に関する法律(困難女性支援法)」に基づき、区として計画を策定し、関係団体と連携して支援を充実すること。
  • ジェンダー平等施策を前に進めるため、また根強く残るLGBTQへの偏見や差別のない社会の醸成に、男女共同参画推進懇談会の役割が期待される。活発な議論ができる会議運営に努めること。
  • 避難行動要支援者の個別避難計画の作成の目的などを区民に周知し、支援者の協力を要請すること。
  • 女性防災リーダーの育成や男女共同参画の視点に立った災害対策をさらに強化すること。
  • 各部署間の連携強化と日常からの区民参加により、地域の防災対策をすすめること。
  • 「攻めの防災」の目玉施策、危険なブロック塀の全撤去が実現するよう制度を拡充すること。
  • 練馬城址公園の整備にあたり、としまえんの古城の塔を残すこと。
  • としまえんプール跡地のDゾーンは、区民や地域団体と都が連携でき、広く地域の声が設計に反映されるよう、区として支援すること。
区民費・地域文化費
  • 練馬区立美術館の建替えについて、基本設計の選定支援業務を行った事業者が受注事業者の協力企業であり、選定の公正性に疑念がある。また、建築費の総額やランニングコストも不明である。事業の見直しを行うこと。
  • 子ども食堂に対して財政支援を行うこと。また、本来の趣旨に鑑み、子ども家庭部や福祉部が所管となること。
  • 外国籍住民へのボランティア日本語教室について、ボランティアの待遇の見直しを図り、区の制度の中に日本語支援を位置づけるとともに、子ども日本語教室のボランティアの待遇も改善すること。
  • 外国籍住民のための専管部署を設置すること。
  • 区立中学校の進路指導への高等工科学校の参加は、防衛事務次官通達にも反する。2度と行わないこと。
  • 健康保険証と紐づけしたマイナンバーカードは、DVや虐待被害者の情報が加害者に見られてしまう可能性があることから、区に届け出をするよう周知し、きめ細かな対応をすること。
産業経済費
  • 環境保全型農業について、生産者ができる限り有機・無農薬による生産ができるよう取り組みやすい支援をすること。
  • 廃止した農業振興計画を新たに策定し、基本理念に「有機・減農薬事業と生産の過程で生じる廃材(プラスチック容器、ビニールなど)の発生抑制を推進する」ことを示すこと。
  • みんな一緒に食べる公平な食である学校給食こそ、有機食材を取り入れるべき。教育委員会と連携して実現に向けて取り組むこと。
環境費
  • 太陽光パネルとともに、蓄電池も設置しやすい価格に補助金を拡大し、より多くの「市民発電所」をつくること。
  • 区立施設の断熱基準を引上げること。
  • 脱原発で再生可能エネルギー100%によるエネルギー自立都市をめざすこと。
  • 公共施設へのマイボトル対応の給水器設置やペットボトルのない飲料自動販売機に替えるなど、プラスチック削減や区がゼロカーボンシティ宣言をしていることを明確に区民に周知すること。
  • プラスチックの一括回収、水平リサイクルの早期実現に向けて、まずはモデル地区での実証をおこなうなど、できることからはじめること。また、東京二十三区清掃一部事務組合で協議するようはたらきかけること。
  • 環境学習に取り組むこと。
保健福祉費
  • 1月から特例貸付の返済が始まったが、必要な人に十分な支援が届いていないおそれがある。相談体制の充実とともに、社会福祉協議会と連携をしながら食料配布などの機会を作るなど、相談しやすいきっかけづくりの工夫を進めること。また相談員の処遇改善を図るとともに、利用しやすい生活困窮者支援施策の構築を国に求めること。
  • バリアフリーマップは民間施設の掲載を増やすなどの充実を図るとともに、多くの区民が活用できるよう情報発信を工夫すること。
  • 自殺対策は生きることへの支援という観点から、生活保護や精神疾患に対する社会の偏見を払拭し、だれもが困ったときに医療・福祉への相談がしやすい体制の充実を図ること。
  • 意思疎通支援事業は障害のある当事者の参画のもとに進めること。
  • 介護認定審査会で新たなウェブシステムを構築するとのことだが、介護分野のICT化は情報共有の安全性の確保をしながら、迅速な対応ができるよう進めること。
  • 高齢化が進展する中、身近な地域に定期的に集える場の必要性はますます高まっている。従来のいきがいデイサービスは減らさず、むしろ増設し、より利用しやすい事業にすること。
  • 30億円以上を要するコロナワクチンの大規模接種会場について閉鎖も含めて検討すること。
  • ワクチン接種副反応について、区が病院とのやり取りを仲介するなど支援の改善をすべき。また、練馬区予防接種健康被害調査委員会の開催頻度を増やし、手続きの迅速化に取り組むこと。
都市整備費・土木費
  • 東京都第3次交差点すいすいプランに位置付けられている区内3か所の交差点のうち、石神井中学校前交差点は歩道が狭いなど、交通安全上の課題がある。歩行者の安全性確保のためにも早期の事業化を東京都にはたらきかけること。
  • 外環の2(前原交差点~新青梅街道間)のまちづくりは、計画ありきではなく住民の合意形成に努めること。
  • 石神井公園駅前再開発や稲荷山公園再整備、大泉第二中学校を分断する道路等は、反対の声を受け止め計画を見直すこと。
  • 桜台東部地区防災まちづくりは、道路拡幅ではなく、ブロック塀撤去等緊急性の高い事業に注力すること。
  • 密集事業では建替費用も負担するなど、撤去制度を拡充すること。
  • 小竹向原駅練馬側エレベーターを早期設置すること。
教育費
  • 学校給食費無償化は、第一子を含め全ての児童生徒を対象とすること。
  • 学校での性暴力、性被害・性加害防止を徹底すること。そのために、非正規教職員採用での他区や庁内での連携・面接時の自己チェックシートや、学校環境の改善、教員の増員や負担軽減、二次被害の防止、ジェンダー平等やリプロダクティブヘルス&ライツを基礎とした性教育等の対策を行うこと。
  • 旭丘中学校の過少規模解消や、地域全体の教育環境向上のためにも、小竹小学校は不可欠。小竹小は存続させ、早期改築、学童も設置し、小規模を活かした新しい教育を構築すること。
  • 学校図書館管理員が年度途中で辞めた事例が、昨年度だけで18校にものぼる。管理員は直雇用とし、日数増や待遇改善をすること。
  • 学校での合理的配慮を徹底するとともに、学校生活支援員が「過重な負担」ではないことを、学校・保護者に周知すること。
  • 就学相談に子どもが十分に意見を言えるよう、子どもアドボケートを導入すること。
  • 都立高校入試に導入された英語スピーキングテストESAT-Jは配点方法や他生徒の音もれ、採点ミスなど、多くの問題を残した。中止するよう都に求めること。
子ども家庭費
  • 保育園での職員配置基準について、区として現状を踏まえて独自の加算を拡大すること。
  • 子どもの事故や虐待防止のため、保育士を増員、指導検査回数を増やすこと。
  • 保育園等で子どもの権利を徹底すること。
  • 練馬区子どもの権利条例を制定すること。
  • 保育士の待遇改善について、委託費の弾力運用の課題等にも責任をもって取り組むこと。
  • 私立保育園での障害児受け入れ拡大に向け区として支援を強化すること。
  • 家庭的保育事業について、練馬区が代替保育制度を確立し、子ども達を安全、安心に預けられる環境を整備すること。
  • 家庭的保育事業について、延長保育実施時の1時間400円の報酬を改定すること。
  • ファミリーサポート制度について、現在の時給800円の報酬に区として補填すること。また、区を通した金銭のやり取りとするよう改善すること。
  • 子育て応援券の一時預かり、子ども家庭支援センター、民設子育て広場、ファミリーサポートそれぞれで時間の整合性を図ること。
  • ヤングケアラーについて、ニーズに合わせ新たな支援サービスや制度を迅速に構築すること。
  • 区として「社会全体で子育てする」という姿勢を前面に打ち出すこと。
国民健康保険事業会計、介護保険会計、後期高齢者医療会計

保険料が上がり続け、区民の生活は苦しくなる一方です。

制度の抜本的な見直しを国に求めること。

以上で意見表明を終わります。


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