【帰宅困難者対策】民間一時滞在施設に、富士見中学校高校が追加に

※2022/9/14、練馬区議会「総合・災害対策等特別委員会」のレポートです。

帰宅困難者向け「民間一時滞在施設」→新規指定

3.11、東日本大震災が記憶に新しいですが、帰宅困難者の問題。

練馬区には現在、

  • 練馬区帰宅支援ステーション:7
  • 民間一時滞在施設:10(※)

があります。

民間一時滞在施設に、中村橋にある

「学校法人山崎学園 富士見中学校高等学校」
https://www.fujimi.ac.jp/

が、新たに加わることになりました(9月末協定締結予定)。

先方から申し出てくださったとのこと。
大変ありがたいことです…ありがとうございます!

※10→富士見中高を加えてある数

概要

  • 受入予定人数:300名
  • 受入場所:体育館
    ※生徒は災害時、体育館を使わない
  • 受入面積:1275㎡

★災害時の流れ(想定)

  1. 大規模災害発生
  2. 練馬区から、富士見中高へ、開設できるかの確認
  3. OKだったら開設
  4. 富士見中高の職員が開設、運営
    ※24時間の警備体制→夜間も対応頂ける予定
  5. 区HP、防災アプリ、SNS等で周知
  6. 内容
    • 食料等の備蓄物質の提供
    • 交通機関、道路復旧情報の提供…など
  7. 定員が埋まったら、「受入困難」等と周知

※注意:避難拠点とは違います

こちらは、帰宅困難者が一時的に滞在する施設です。

お住まいの方は、お近くの避難拠点(小中学校)に行ってくださいね。

★備蓄の内容は=3日分

※1人あたり

  • 水:1日3L×3日分
  • 食料:1日3食×3日分
  • 簡易トイレ:1日5個×3日分
  • 毛布:1枚

備蓄物資は3日分。

…ですが、3日を超えても、帰宅困難者がいれば対応するとのこと。
その場合は、練馬区が備蓄物資を追加するなど、サポートすることになるかと思います。

ちなみに、費用の助成:限度額1人あたり9000円(都5/6、区1/6負担)

★充電も重要…

スマホの充電等も重要ですが、充電器などは備蓄されません。

電源が生きていれば、「体育館のコンセントを使うことに」なりそう……との区の説明でした。

★2ヶ月に1度訓練

富士見中学校高等学校には、練馬区とつながる通信機器をお渡ししています。

2ヶ月に1度、通信訓練を行い、発災状況を伝える訓練等をしているそうです。

練馬区の帰宅困難者対策は

ここからは、そもそもの帰宅困難者対策について、解説します。

★会社等で「3日の抑留」

まず東京都では、大地震に備え、各会社・事業所に、
従業員等のための「3日分」の備蓄
をお願いしています。

大地震の際は「帰宅抑制」が出て、
「3日は会社等に留まって頂く」という想定です。

帰れないことも踏まえて、皆様ぜひ、会社等で、3日間留まる準備、備蓄をして頂けたらと思います。

★都の試算

東京都の試算だと、「10km」までは帰宅できる
→その後、1kmずつ、10%の割合で、帰れない方が出てくる

つまり

  • 10km→100%
  • 11km→90%
  • 12km→80%……

という感じで、試算しています。

★練馬区では何人の想定?

練馬区は、区民だけでなく、もっと遠くに帰宅される方の通過点的な位置づけでもあります。

練馬区は現状、

行き場のない方が「27000人」

…という想定で、計画を立てています。

この数字は、東京都が新たに発表した「首都直下地震等による東京の被害想定」を受け、今後変わる可能性があります。

★練馬区内の収容定員


「民間一時滞在施設」とは

★民間の協力あってこそ

その名の通り、民間の事業者等の協力のもとに成り立つ制度です。

練馬区としても東京都としても、今後も増やしていきたい……

との方針ですが、

  • 開設・受入・運営できるだけのマンパワー
  • 備蓄物資を保管するスペース

……など、課題があり、簡単に増やせるわけではありません。

★ハリーポッターの施設は…?

一方、としまえん跡地にて、ハリーポッター、スタジオツアー施設のオープンが近づいています。

この施設ができるとき、「防災」面での協力も、覚書に入っていました。

また、としまえんは、2018年時点の都の調査報告書のなかでは、「帰宅困難者の一時滞在施設としての活用」も指摘されていました。

それを踏まえ、

  • ハリーポッターの施設は一時滞在施設になるのか?
  • 防災面での協力はどうなっているのか?

と尋ねたところ…

  • 練馬区「第一に、3日間お客様をとどめて頂く」
  • 「余力があれば、ご協力を…」
  • ↑これは、ハリーポッターに限らず、「すべての事業所に期待したい」こと
  • 今後、施設ができる
  • 「できるなら、ご協力頂きたい」

……と答弁。

わかりづらいですが、要は、現時点では、

帰宅困難者の一時滞在施設としての協力は頂けていない

ということですね。

防災面での協力がどうなるか、が問われています。


まどぐちは、こうぐち!
高口ようこでした