月80時間超え残業が、のべ2783人!~教員の働き方改革と、その実態
※2022/9/13、練馬区議会・文教児童青少年委員会のレポートです。
練馬区立小中学校の、教員の働き方改革
学校がブラック……
教員不足、なり手がいない……
大きな社会問題となっている、先生の働き方。
★練馬区の動き
練馬区は、2019年(平成31年)、『練馬区立学校(園)における教員の働き方改革推進プラン』を策定。
https://www.city.nerima.tokyo.jp/kosodatekyoiku/kyoiku/gakko/hatarakikata_plan.html
その後、在校時間を把握するため、「教職員出退勤管理システム」を導入しました。
システム導入から約1年。
在校時間のデータが発表されました。
※委員会資料はこちら
★過労死ライン80時間超えが、のべ2783人も!
先生の場合、「時間内」在校時間が、7時間45分。
それを超える「時間外在校時間」をはかったところ……
過労死ラインと言われる80時間以上の勤務が、
- 小学校:のべ1240人
- 中学校:のべ1542人
のべ人数ですが、合計で2783人も……。
一刻も早く、なんとかしなくてはならない喫緊の課題です。
★原因は?
区の答弁によると、
- 中学校:部活動
- 小学校
- 若手:年度初めなど時間がかかる
- 副校長:最終的に仕事が集まる、処理が多くなる
との分析。
★月の違いは?
6月が多いですが、そもそも授業日数が多く、休みの少ない月(5月はGWがある等休みが多い)。
フルで授業がはじまり、部活動の大会、授業なども盛んな時期だから、との説明でした。
★練馬区の対策は?
それに対する練馬区の対策をみると↓
- サポート人材の配置
- システムの導入
- 意識改革
……など。
そもそも、やることが多すぎる!業務が多すぎる!
→業務自体を減らしていく!!!
という、抜本的な見直しが必要です。
練馬区は、「コロナで行事が縮小、精選、見直している」と言っていますが、「減らす」対策は、まだまだ不十分です。
★外部人材で十分か?
外部人材ももちろん助かりますが……
たとえば学校生活支援員は、つい先日、20人の募集を見かけたばかり。
- 練馬区「雇用しやすい、人が集まりやすい形」「今後検討」
と言いますが、11~3月という中途半端な任期で集まるのでしょうか?
人手確保のために、待遇や雇用期間などを見直し、安定した雇用環境に変える必要があります。
★部活動指導員が少ない理由
たとえば部活動指導員は、練馬区でわずか8人。
- 単独で引率できる人材が見つかりにくい
- 現在は、教員経験者→退職した方
…ということで、安心してまかせられる人材の少なさが要因の一つに。
★外部人材の限界
外部人材を増やせば、それだけ「最終的」に仕事の集まる副校長先生の仕事が、また増えることになります。
- 支援員などを雇えば、管理が生じることは
- 区「紛れもない事実」
と、練馬区も認めています。
- 「いかに効果的に活用していくか、アイディアを共有」
とも答弁していますが、効果的なアイディアなど、そうあるわけではありません。
★正規職員を増やしていくこと!
やはり、正規職員を増やしていくことが欠かせません。
一方で、練馬区は、給食調理や用務員さんの委託をガンガン進めてしまっています。
これでは、働き方改革に、時代に、逆行しています……。
教員は都の採用ですが、区として、正規職員採用できるのが、給食や用務なのです。
練馬区としても正規職員を増やしていくことが、求められているのではないでしょうか。