中学生自身の思いや課題を、出発点に!~「練馬子ども議会」傍聴しました
2022年(令和4年度)「練馬子ども議会」
意見交換会、政策提言発表会→2日間とも傍聴させて頂きました。
★中学生、すごい!
堂々とした発表、純粋で誠実なやりとり、すばらしかったです。
鋭く突っ込む場面も見られ、質問するほうも、答えるほうも、がんばれー!
と、心の中で応援していました。
とてもしっかりした受け応えで、すごいなあ…と感動しつつ、
そして、「私も頑張らなきゃ!」と、身を正す思いがしました。
★練馬区側の進行に、モヤモヤが…
「課題」「提案」「私たちにできること」
という3つの発表が基本。
ここでまず、疑問が。
通常の議会とは進め方が違っていて、おとなの議員は
「私たちにできること」
は、いわないのに、なぜ中学生だけ…?
子どもたちの立派さや頑張りとは別に、練馬区側のファシリテーションにモヤモヤが……。
たとえば
- 課題
「中学生のみどりのボランティアがすくない」
「防災講座への中学生の参加が少ない」
↓ - 提案
「学校でアンケートをとる」
「チラシを工夫する」
↓ - 自分たちでできること
「自分たちでもまわりに宣伝する」
といった感じで展開するのですが、
中学生の参加やボランティアが少ないのは、中学生自身が困っているのではなく、どう考えても、行政、練馬区の困りごと、おとなの課題だと思うのです。
講座に参加しないことに、中学生が困っているとは、私には思えません。
★”中学生自身の課題”から出発する大切さ
なぜそうなったのか?
会ののち、練馬区に進行等の資料を取り寄せて考えたのですが……。
最初の学習会ののち、それぞれの班で区の施設などへ取材に行く流れになっています。
その時、取材して聞いた課題を、「なんとかしなければ」と思い、そこから提案を考えたから、こうなったのかな? というのが、私の推論です。
それ自体も、中学生らしい優しさや純粋さだと思います。
だからこそ、区職員が上手にファシリテーターをし、中学生自身の思いや課題に引き戻していくことが大切ではないでしょうか。
中学生のリアルな声から出発して、区政を変えるチャンス!
彼らの困りごとや思いを聴いて、制度をよりよくしていく、練馬区にとっても貴重な機会です。
だからこそ、ファシリテーションがとても重要です。
★大人の課題を中学生がどうにかする図式=議会じゃない!
「私たちができること」
という項目も、資料の中に書かれていました。
実際の議会では、議員が「自分にできること」を言ったりしません。
自治体議員の役割は、行政のチェックですから。
しかし、議論を聞いていると、子どもたちは真面目ゆえに、「自分たちにできること」の話が、どんどん膨らんでいくのです。
いつの間にか、
- なぜ中学生が参加しないのか
→中学生の関心・意識が薄いからだ
→そのために、自分たちは●●しよう
……と、「自分たちがすべきこと」に重きが置かれていく印象でした。
ここでも、ファシリテーションが重要です!
「中学生の意識を変える」ではなく、そうなっている根本にある「練馬区の課題を変える」ところに持っていくことこそが、重要。
それが議会ですから。
子どもたちの「興味・関心」という心の問題にしてしまったら、あまりにもったいないのです。
★中学生は核心に気付いている!
たとえば、「食育」のテーマでは、発表のなかで
「栄養士の先生で、食育の教育のできる資格をもった先生が中学校にはほとんどいない」
から、学習の機会がすくない
という発言もありました。
(授業を単独で行える「栄養教諭」は、区内に4人のみ)
まさにそこ!
おとなの制度の問題が、根底にはあるはずです。
むしろこういう所から、提案につなげるようにアドバイスしていけたら……と思います。
(ただ、「資格をもった栄養士の先生を増やして」と子ども議会で提案しても、練馬区は嫌がるでしょうが…汗
子どもからの核心をついた提案を避けたいなら、こども議会を開く意義とは何か、と思います)
★子どもの問題にしない
私がファシリテーターだったら、まず、参加した中学生自身が今何に悩んで困っているかを、とことん出し合ってもらいます。
そこに、区の制度を改善していく”芽”があるからです。
中学生が持っている課題から出発し、引き出し、掘り下げていく。
(もちろん誘導ではなく)
そしてそれを、「中学生の個人的な問題」だけにせず、
社会や制度の課題に目を向けるよう伝えて、話し合ってもらいます。
提案は、その先、その延長線にあります。
その提案を受け止めるのは大人、行政の側であって、
子どものほうが「自分たちでできること」を言う必要はないです。
せっかくの練馬子ども議会。
子ども達の真っ直ぐで誠実な対応を、もっともっと、私なら深めていきたいなあ、と思ったのでした。
★不登校もふくめて、多様な参加の保障を!
以上のことをまとめて、2022/8/23の練馬区議会・文教児童青少年委員会で、述べました。
さらに、不登校の子なども参加できるように、立候補や他薦による公募制も提案。
不登校の子どもたちも、実際にお会いしますが、とてもたくさんいろいろなことを考えていて、言いたいことをたくさん持っています。
現状の校長先生等による推薦だけではない、参加の方法を要望しました。
よりよい練馬子ども議会になるように、今後も追求をしていきます!
以上、まどぐちは、こうぐち!高口ようこでした。