【練馬区・予算特別委員会】「本物のアート=本当によいもの」?迷答続出の美術館再整備問題…ほか

※2022/2/21、練馬区議会・予算特別委員会「区民費・地域文化費・国保会計・後期高齢者会計」のレポートです

※練馬区の答弁のまとめです


練馬区立美術館、再整備問題

再整備にいくらかかるかも示さないまま、設計(4400万!)を進めようとしている練馬区立美術館問題。

予算質疑も、紛糾しました。

★美術館の収支→完全赤字

  • 令和4年度予算
    • 区の支出が80%
    • 入場料:収入の14%
    • 図録等売上:19%
    • その他貸館利用料等

※高口注:↑このように、美術館というのは基本的に赤字経営。あの有名な21世紀美術館でさえ、半分は税金に支えられているそうです。それを踏まえて、豪華な美術館を作っていいのか?という問題があるわけですが…。

★いくらかかるか、いつわかるのかも、不明

  • 来年度進める基本設計→プロポーザル
  • 練馬区「概算工事費の提示を含めて検討」
  • 「設計を詰めるなかで明らかにする」

※高口注:まず設計の前に、概算を示し、コストを含めて、区民に賛否を問うべきです!

★改築の費用=すべて練馬区の税金で!補助金はナシ!

  • 国や東京都からの補助金の制度は…
  • 練馬区「現時点ではない」

※高口注:貴重な区独自の税金を、ガンガン投入して、豪華なハコモノを作っていいのでしょうか?

★検討会で全く議論されていない「公開承認施設」…なぜか「提言」に突如登場

※これまで再整備は、「基本構想策定委員会」のなかで議論されてきました。
その議事録には、一度も登場しない「公開承認施設」。これは、重要文化財や国宝を展示できるようにする基準のようなものです。その議論が一度もないまま、突如、委員会がまとめとして出した提言に「公開承認施設」が登場します。その経緯は、ブラックボックスとしか思えませんが、それを問われた練馬区の答弁は……

  • 練馬区「委員会の中で提言をもらった」
  • 「7回の検討会の中で議論をした」
  • 「結果、提言となった」

※高口注:議事録に一言も出てこないのに「議論をした」というのは、明らかにおかしな説明です。議論したのであれば、議事録に出てくるはず。議論もしていないのに「議論をした」と答弁したのであれば、大問題です!!

★「公開承認施設」→5年間で重要文化財を3回展示しないと指定されない。その事業費は?

※答弁せず

※高口注:「公開承認施設」とするためにかかる費用を示さないことも、大きな問題です。フタをあけたら何百億円?かかるかもわからない建物だとしたら? いくらかかるかわからず、計画に賛否など出せません。

部長が(その質問には)「答えようがない」「心外です!」と声を荒げる場面までありましたが、そもそも何も示さない、きちんとした答弁をしないことが問題ではないでしょうか。

★現美術館、当時の建築費用

  • 14.9億円

★改築ではなく「改修」で済ませた場合の費用=70億円の根拠

  • 令和元年度、業者が試算した
  • 近年の事例として「長野県立美術館」を参考に、算出

★「本物」のアートとは?

※区が美術館整備構想のなかのコンセプトの一つに掲げるのが、「本物のアート」。
「本物」というのは価値判断を含む言葉。今までの展示は「本物」ではなかったということでしょうか?
それなら逆に、「本物ではない」アートとは何か?という質問に対し…

  • 練馬区「(本物とは)本当によいもの」を表現している

※高口注:……との答弁。つまり、まったく答えになっていません!!ひどい答弁ですね…

ほかに、「行政が自分たちの判断で「本物を提供する」というのは「権威主義」ではないか?」という指摘もされていました。

★サンライフ練馬の代替は?

  • 体育室→年間利用90%以上
  • 中村橋の阿波踊りの練習でも使用
  • 練馬区「300㎡の多目的室を設置」
  • 「多様な活動に柔軟に対応」

※高口注:…と練馬区は言いますが、今のように利用しやすい施設になるのか?逆に大きすぎて使えない、予約できない等、様々問題が起こることも予想されます。

★美術の森緑地

  • 練馬区「一体的整備を検討」「建物とあわせて改修内容を検討」

※高口注:できたばかりなのに!!?税金がモッタイナイです!!!

★年代別利用者

  • 令和2年度有料展:33279人のうち
    • 一般:17150人
    • 高校生・大学生(割引):4791人
    • 小中学生(無料):763人
    • 75歳~(無料):3013人
  • 無料・割引→在住・在勤の要件なし
  • 23区の区立美術館6館のうち、区民割引があるのは「2館」
  • 価格設定「今後の再整備のなかで検討する中身」
    価格変更について示唆する答弁

※高口注:豪華な美術館をつくって、子どもや高齢者の割引や無料を値上げするのだとしたら、一体何のため、誰のための美術館なのでしょうか?

★中村橋駅周辺のバリアフリー

  • 「バリアフリー基本構想」
  • 中村橋駅周辺で実施
  • 練馬区「完璧ではないが」「駅周辺のなかでは整備が進んでいる」

★一体的な整備、どうする?

  • 練馬区「駅をおりたら美術館のあるまち」

※高口注:駅を降りると民間の建物に挟まれるのですが、区として整備が可能なのでしょうか? また、商店街に入らず、高架沿いに美術館に行く人がほとんどです。商店街との連携をどうつくっていくのでしょうか? そこも不透明です。

ハリーポッターイベントに、2800万円!?

  • ハリーポッターの全8作品を、数日に分けて上映するイベント

※高口注:予算計上は「2873万円」!
特定の作品を、多額の税金をかけて宣伝・応援する…

特に、としまえん、練馬城址公園の問題が解決していないなかで、特定の作品に2800万円も税金をつぎこむことに、違和感や、公平性への疑問が残ります。

国民保険料

★こども(未就学児)の均等割り

  • 令和4年度より5割軽減
  • 対象:2851人(1月末)
  • 6700万円→1/4を区が負担
  • 低所得者→割引からさらに5割軽減

★コロナ減免

  • 国から現時点で情報ない

窓口改革

★キャッシュレス決済

  • クレジットカード、QRコード、交通系→3種類予定
  • チャージ→先行自治体で可能なところはない
  • 20-30%の利用を見込む

★お悔やみ専用窓口

  • 令和4年6月~:専用窓口を設置
  • 申請書一括作成、関係機関などを案内
  • 練馬区「(遺族の方に)寄り添った支援」

マイナンバーカード

★交付率→2倍に

  • 令和2年度から「24.2%増加」
  • 2倍以上に

★年代別

  • 9歳まで:29.2%
  • 10代:34.1%
  • それ以上:40%超

★医療保険証

  • 昨年10月より本格運用

★自治体独自のシステム

  • 練馬区「一定のコストが必要」

町会

★SNS利用

  • SNS:2%
  • HP:17%

★加入者→微減

  • R2:36%
  • R3:34.64%(7/1時点)

★町会館の所有

  • 253町会のうち、30町会

★協力掲示板

  • 費用補助を引き上げ
  • アクリル→175基、全整備

外国人住民

★住民投票条例

  • 練馬区「現時点で区が取組む考えはない」