練馬区のごみ…容器包装プラスチックの分別状況が悪化!
※2022/2/14、練馬区議会「都市農業・みどり環境等特別委員会」よりレポートです。
練馬区「資源・ごみ排出実態調査」
練馬区が毎年行っている、ごみの分別状況の調査です。
令和2年はコロナにより中止でしたが、
今年度、令和3年度は行われました。
★調査方法
- 期間:2021年8月30日~9月4日(6日間)
- 地域を5分類「戸建て中心」「戸建て・低層集合住宅」「中低層住宅・商業混在」「商業地域・高層住宅」「高層住宅」
- 各地域の集積所を抽出
調査結果
①可燃ごみは改善(2%)
可燃ごみの「正しい分別」の率は、2ポイント改善されました!
- 正しい分別
- 前回:82.3%
- 今回:84.3%
★「雑紙」が課題
可燃ごみに関しては、何が悪いかというと、「雑紙(ざつがみ)」です。
例えば牛乳パックなど、実は資源になるものが、普通の可燃ごみとして出されています。
②不燃ごみは現状維持
不燃ごみは、前回と変わらず(若干下がった)
- 前回:77.2%
- 今回:77.0%
★資源化できるものが、ごみに
今回の調査では、バッテリーやびんなど、資源化できるものが混じっていました。
③最大の問題は、容器包装プラスチック…8.7%も悪化!
- 前回:78.0%
- 今回:69.3%
ちなみに、この数字は
69.5%(H29)→75.8%(H30)→78.0%(R1)
…と、コロナ以前は右肩あがりに改善してきたので、やはり急激な悪化といえます。
★悪化の原因は、コロナ禍のデリバリー
練馬区は、プラスチックの中で、容器包装類だけを資源ごみに回しています。
コロナ禍の影響で、デリバリーなどで、容器のリサイクルが増えました。
そのなかで、お弁当の汚れ等がついたまま、汚いまま出されるプラスチックごみが増えています。
汚いと、脂分などが混じり、
「リサイクル不可」
となります。
この「リサイクル不可」ですが
- 令和元年度:4.3%
- 令和3年度:11.3%
と大きく増えました。
それが今回の、「8.7ポイントの悪化」の原因です。
対策は?
分別の正しいあり方を、区民の皆さんに周知・啓発していくことが、とても重要です。
その方法とは……。
★ごみ分別アプリは、DLが頭打ち…
練馬区は「資源・ごみ分別アプリ」を、2020年3月にリリース。
しかし……16000程度しか、ダウンロード数がありません。
しかも、今年度(2021年度)に入って、数百しか伸びていない!
頭打ちの状況と思われます。
(※2021年2月時点で15400DL。また、15000まで来たのも、急激に伸びたわけではなかった)
練馬区自身も、今回の調査とアプリの効果が「相関関係にあると言えるほどのサンプル数がない」と認めています。
これからの時代は、アプリよりも、LINEやスマホサイトなど、汎用性の高いツールを使うべきではないでしょうか。
★周知・啓発は動画で?
練馬区は、洗浄の仕方等を示すために、「映像を使った啓発、作成」を考えています。
一方で、その動画を区民に観て頂く、ということ自体が、難しくもあります。
先日、「板橋防災プラスチャンネル」が面白いと話題、という記事(東京新聞)を読んだのですが、行政の発信も、楽しさ、面白さなどをプラスして、見ていただける努力をしていく必要があるのではないかと思います。
国の法改正「プラスチック資源循環促進法」
「プラスチック資源循環促進法」により、今後、リサイクルされるプラスチック自体が増えていきます。
先日、国から分別の「手引き」は示されたものの、
「最終処分方法」等がわからないまま。
2050年CO2ゼロの目的に沿ったものになるのか等、国から通達がありません。
そのため、練馬区としても、分けずに一緒に集める、どのように収集方法を変更するのか等、決められない状況です。
★コロナでプラスチックごみが急増!
コロナにより、プラスチックの回収量自体も、右肩あがりに増えています。
- 2018年:5089トン
- 2019年:5192トン
- 2021年:5625トン(推定)
リサイクル率をあげる一方で、プラスチック自体を減らしていく対策も、重要です。
皆さんも是非、正しい分別方法を覚えて
リサイクルにご協力いただければと思います!
まどぐちは、こうぐち!
高口ようこでした。