倒木、伐採が頻発→公共施設の樹木育成保全ガイド、改訂へ【練馬区議会議員】

※2021/1/21、練馬区議会「都市農業・みどり環境等特別委員会」のレポートです。

公共施設の樹木育成保全ガイド、改訂

昨今、練馬区の公共施設で、

  • 健全な木を伐採
  • 点検が不十分→倒木
  • 工事による根の損傷→倒木

等の問題が続いています。

その再発防止として

  • 日頃から職員一人ひとりがみどりの重要性を理解
  • 樹木管理に関する基本的な知識を身に着ける

ため、ガイドを改訂しました。

ちなみに、もとのガイドは、2020年1月に策定したものです。

その課題とは?
「みどりを守る」ために、必要なことは……?
解説します!

参考【街路樹】桜の枝が折れて落下…原因は?対策は?

参考中学校で、突然の倒木…緊急点検を実施

参考練馬区の施設での倒木…2次点検の結果は?


改定のポイント

委員会資料公共施設の樹木育成保全ガイド概要版

★改訂のポイントは6点

  1. 樹木の点検
    • 定期点検のチェックシートを作成
    • 施設管理者は1年に1度、定期点検
    • みどり推進課が行う2年に一度の剪定時、チェックシートを専門業者に確認
  2. 樹木近くでの工事
    • 一定の感覚を確保
  3. 伐採の考え方
    • 健全な樹木は基本的に伐採してはならない
    • やむを得ず伐採する場合、みどり推進課と事前協議
  4. 代替植樹
    • 伐採や倒木→代わりの樹を植える
  5. 事故対応
    • 安全確保と被害報告の流れ→対応フローを作成
  6. 台風対応
    • タイムラインに基づき、台風接近3日前までに樹木点検
    • 被害発生時の対応フローを作成

★「許可制度」にできなかった理由

この中で、特に重要なポイントが……

「やむを得ず伐採する場合、みどり推進課と事前協議」

というところ。

昨年、学校で勝手に木を伐採したケースでは、事前にみどり推進課と協議をし、「伐らないように」と伝えていたにもかかわらず、伐採してしまいました。

そこで、「事前協議」よりさらに踏み込んで、「伐採にはみどり推進課の許可が必要」といった縛りを設けることが重要なのですが……

「施設の財産のため、最終的には施設管理者の判断」(学校なら学校長)

という位置づけのため、「みどり推進課の許可がないと切れない」という仕組みにはできない、とのことでした。

そのため、ガイドラインには「事前協議」としか明記できませんでした。

「チェック機能を取り入れ」
「事前協議で適切に対応」

と練馬区は言っていますが、ガイドの表現としては、それが担保されていません。

★研修が重要!

そこで重要となるのが、研修。

  • このガイドの周知を徹底
  • 職層や職務内容に応じた研修を行う
  • 解説動画を作成

といったことを予定しています。

みどりを守る意識や、その方法をしっかり伝えて、浸透させることが重要です。

その点質疑したところ、

  • 全職員→eラーニング
  • 毎年定期的、継続した取り組みとしてやっていく
  • 具体的には詰めていない
  • 施設管理者(係長級)→人材育成課とも協議

つまり、詳細は検討中。

決まったら議会へ報告してほしいと伝えました。

★根っこの重要性

樹が健全でいるために大切ですが、目に見えないのが根っこ。

根が傷むと倒木につながるため、根っこの近くで工事をしないことが重要です。

↓練馬区はガイドで、この基準を示しています。

  • 練馬区「根本の空間確保は、国の一律の基準がない→いろいろ調べて整理した」
  • 「区立施設の管理の中で、排水溝等工作物を設置するときの整理」
  • 「道路、河川など→基準を適用できないところは、土木所管と別途協議」

ヨーロッパでは、もっと根のまわりを広くとって、工作物をつくらせない基準をもうけているそうです。

みどりを守る、樹を健全に保つためには、より厳しい基準を設定していくことも、求められるのではないでしょうか。


以上、まどぐちは、こうぐち!高口ようこでした。