多胎児支援の陳情、練馬区議会で採択!事業実施へ大きな一歩…!
練馬区議会「保健福祉委員会」のレポートです(12/4、8、9)。
双子、三つ子…多胎児の育児の大変さ…。
私も、「ひとりでさえ大変なんだから、多胎育児はどれだけ大変なんだろう」と、いつも思います。
実際、多胎児のお母さん方にお会いし、当事者にしかわからない苦労なども伺ってきました。
★練馬区の現状
国や都の支援が動いたこともあり、2020年4月策定の「練馬区健康づくりサポートプラン」にて、初めて「多胎児家庭へのサポート」が計画に位置付けられました。
内容は、
>多胎児家庭の育児負担の軽減を図るため、育児等のサポート体制の充実について検討します。
…というざっくりしたもので、実際の事業は、まさにこれから…!
★多胎児支援の陳情、採択へ!
そんななか、多胎児支援を求める2本の陳情が、採択されました。
内容はどちらも似ており、
- 外出時の「移動支援」(タクシー)
- 経験者による交流会、相談など、「ピアサポート事業」
- 家事や育児の「支援サポーター」
の3点を求めています。
陳情80号
陳情86号
*上の画像は保健福祉委員会、下の画像は文教児童青少年委員会と、担当の委員会が分かれています。
★陳情審査=事業に前向きの証拠!
実は練馬区は…ほとんどの陳情を、審査しません。
陳情が提出されると、担当の委員会に付託され、初日に読み上げと、議員による資料請求があります。
その後、ほとんどが「塩漬け」の状態で、4年間の議員の任期が終わると、一緒に無効になってしまいます。
だから、今回、多胎児の陳情が審査(質疑)され、採択されたということは、つまり、練馬区がこの事業をしっかりやりますよ、という意味でもあります。
それはとてもよかったですし、ぜひしっかり事業化して頂きたい。その事業の内容も、しっかりチェックしたい!
と思う一方で……区民からの貴重な意見であり、想いの詰まった陳情。今回に限らず、他の陳情もしっかり審査すべきです!
議会でも、審査するよう、要望しました。
★多胎児支援、他自治体の取り組みは?
23区の多胎児支援の実施状況
- 移動経費補助:実施6区
- 文京区、台東区、江東区、板橋区→24000円分のタクシー券
- 杉並区→東京無線24000円分
- 荒川区→チェッカーキャブ共通乗車券、2万円上限の償還払い
- 多胎児家庭サポーター事業:実施5区(台東区、中野区、杉並区、荒川区、板橋区)
- 多胎児の相談・交流:実施22区
全国のピアサポートの実施状況
練馬区内(21駅)のエレベーター・エスカレーター設置状況
区内の多胎児の出生数、家庭数の推移
★国、都の支援は?
すべての事業、国と都をあわせれば100%=区の持ち出しナシ…ですが、年度が限定されているものが多く、補助金が切れた後どうするが、課題の一つです。
- 移動経費補助
- 面接、母子保健事業利用時
- 補助基準額:24,000 円/年
- 補助率:都 10/10(令和2年度~令和6年度)
- 多胎児家庭サポーター事業
- 家事育児サポーターを派遣し、産後の家事・育児支援や外出時補助を実施
- 補助基準額:1世帯あたり 2,700 円/時
- 補助率:国 1/2(令和2年度~未定)、都 1/2(令和2年度~令和6年度)
- 多胎ピアサポート事業
- 多胎育児経験者家族との交流会等や、経験者による相談支援事業
- 補助基準額:1自治体あたり 215,000 円/月
- 補助率:国 1/2(令和2年度~未定)、都 1/2(令和2年度~令和6年度)
- ベビーシッター利用支援事業
- 都が認定するベビーシッターの利用料を助成(多胎児以外も対象)
- 補助基準額:児童1人当たり月8時間(多胎児は月 16 時間)
- 補助率:都 10/10(令和2年度~未定)
★ピアサポーター事業も、とても重要!
移動支援(タクシー)については、かなり前向きな印象だったので、一番気になるピアサポーターについて質疑しました。
Q 高口
・移動支援も含めて陳情にある事業全部すべてやってほしいと強く要望した上で、ピアサポーターについて伺います。
・子育てを支えてくれるのは、やはり仲間
・多胎児育児の経験者だからこそわかる情報、思いをもった方々をつなげる事が大変重要
・予算としてもボランティア価格にならない事業としてしっかり回るような予算を確保していただきたい
・区のピアサポーターの重要性について見解を伺いたい
A 区
・非常に重要なことと考えている
・保健相談所の多胎の会で、機能を果たしていると考えている
・現在、事業についてはいろいろと考えている
・アンケート結果は、ピアサポーターの訪問支援よりも、まず多胎児交流会の要望が多い
・まずは交流会の充実を図ってまいりたい
Q 高口
・交流会もぜひ充実していただきたいです
・「ピアサポーター」という言葉が聞きなれないが、ピアサポーター事業もぜひ実施をしていただきたい
・保健相談所の多胎児の会だけじゃなく、実際に主体的に活動している双子サークルがあり、貴重な存在
・保健相談所等と連携、協働していただきたい
A 区
・今後も連携をして事業の方をやっていきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
Q 高口
・多胎児の育児の方に聞くと、「そういう情報を知らなかった」「そういう制度があるならもっと早く知っていたら」という声をいただくことが多い
・例えば世田谷区では、多胎児専用の多胎児向けのメールを発信している
・多胎児の方専用の情報というのもぜひ出していただきたい
A 区
・多胎児への支援ということでは非常に広報活動も重要
・練馬区は今後、電子母子手帳システムを導入予定
・効果的な、みなさんに必要な情報が伝わるような情報提供を行っていきたい