高口質疑!外国の子どもたちの支援や文化交流の推進を!

9/18、「多文化共生推進経費」に関連して、伺いました。

1 外国の子どもを取り巻く練馬区の状況

練馬区で外国人の方が増えるのにあわせ、外国籍の子どもたちも増えています。

現在、練馬区内の外国人の子どもの数は、18歳までで1759人、15歳までで1588人。3年間で、200人弱増えています。

学校で働く知人からは、「ある日突然、外国人の子どもが現れ、現場が混乱している」という話も伺っています。

国籍や文化が違っても、みな、同じ練馬の子どもたち。彼らの成長を支えるうえで、もっと区としてできることがあるのではないか。

そして、子どもの頃から、身近な地域で交流し、お互いが”あたりまえ”になることが、差別を克服する道ではないか…

…との観点から、伺っていきます。

2   区が行っている、外国の子ども向け事業

★こども日本語教室

区が外国の子ども向けに行っている事業として、「こども日本語教室」があります。

区内の外国人向けに、毎週土曜日、全6回コースで、しぐさや挨拶、自己紹介までを覚える入門編です。

中国、韓国、フィリピン、マレーシア、トリニダード・トバゴ、ベトナム、スリランカ、タイ、アメリカ、ベラルーシ、ネパール、ウクライナなど、多国籍。

年間生徒数は延べ980人、毎回平均20名ほどが参加しています。

★ボランティア日本語教室

また、ボランティアが主催する「ボランティア日本語教室」が、区内19か所にあります。約2人に1人、マンツーマンに近いかたちとのことで、区はこちらを「中級講座」と位置づけ、教材費は生徒が負担。公共施設が会場でも、場所代を無料にするなどの支援は行っていません。

3   事業の問題点

★こどもたちの課題に、対応しきれていない

2018年度から始まった「練馬区国際交流・多文化共生事業推進連絡会」には、その日本語教室の先生方も、参加しています。

要点記録を見ると、現場が何に直面しているかが、見えてきます。

「始めは小中学生だった子供達が、高校生になっても日常生活で困る事は多々ある。他に頼る人がいないため、教室に相談が舞い込んでくる。高校入学の書類や在留資格等トラブルは多岐にわたり、対応に苦慮する」

「子供が中学生に上がり、ある程度日本語が出来るようになると、親や親戚から頼られるようになってしまい、その相談も教室に持ち込まれる。今後こういう問題が増えてくると考えられる」

「特に中学生の増加が顕著。受験を控えた中学生への対応が課題。子供は、日常会話は学校生活の中ですぐに習得するが、教科学習となるとなかなかついていけず、何年日本で生活しても困難がある」

「中級の講座をやってほしいという相談をよく受ける」

「理想は困る中学生をなくすこと」

……受験という高度な壁に突き当たりながら、親に頼られる子ども。「他に頼る人がいない」という状況のなか、日本語教室が、相談所や居場所となっている現状が見てとれます。

質問1

生活支援、受験対応などは、ボランティア日本語教室の範疇を超えているのではないでしょうか。

たとえば、講師や相談員を区が雇用し、中級日本語教室を開く。

ボランティア日本語教室に対しては、①区の施設を無償提供する、②ソーシャルワークなどの研修費を補助する、③教材を公費負担する、など、支援をもっと強化し、現状の課題を解決する支援を検討すべきと考えますが、区の現状認識と、今後の支援体制についてお聞かせください。

区回答

 

 

 

4 国際交流事業、身近な場所で開催を

日本語教室の先生たちがボランティアで頑張っていらっしゃることはまったく否定するものではありませんが、手を取りながらとおっしゃっていながら、今おっしゃったことのなかに、区がどのようにかかわっているのかといえば、ボランティアの方々に頼っているような印象を受けるご答弁だったと思います。

この連絡会であがった実際の現場の声に、ぜひ耳を傾けて、「困るこども」がいなくなるよう、支援の強化を求めます。

また、区はこどもや保護者向けの交流事業として、「文化交流講座」を行っています。夏休み中に、親子で一緒に料理をつくる、ヨガ、刺しゅうをやるといった内容で、各回20人×3回。楽しみながら文化を知り、交流を深めることができ、とてもよい事業だと感じます。

質問2

開催は「文化交流ひろば」のみですが、各地域でも開催することで、身近な地域での交流のきっかけになると思いますが、区のお考えは?

区回答

こども日本語教室を、手厚く!

文化交流ひろばがとても駅から遠かったり、場所がわかりづらかったりして、なかなか参加しづらいのではないかと思うので、各身近な地域、駅前などで開催することで、参加者も増えていくのではないかと思います。

それから、9月17日付の朝日新聞に、「外国から来たばかりの子どもが、学校に転入する前に、日本語や学校生活の知識を集中的に学ぶ「初期教室」が全国の自治体に広がっている」との記事が掲載されました。

練馬区で言えば、「こども日本語教室」にあたる内容だと思いますが、この新聞で掲載されている事例だと、「1カ月子どもの個性、日本語レベルをじっくり把握して受け入れ準備ができるので助かる」(教員の評価)、「3カ月間、毎日4時間の内容を受け、掃除や給食も体験する」など、手厚い内容となっています。

質問3

「こども日本語教室」も、子どもが学校の習慣に慣れ、スムーズに移行できるよう、回数を増やす、学校との連携を強化するなど、充実させるべきと考えますが、お考えをお聞かせください。

区回答