カバンが重すぎる!! 小中学生の「置き勉」問題の背景

小中学生の、カバンが重すぎる……そんなニュースが騒がれて、数年はたつでしょうか。

原因は、「脱ゆとり教育」による、教科書のページ数増加、副教材の多様化などの影響だと言われています。体重の一定割合を超えた荷物は、子どもの体にゆがみなどの悪影響があるとも言われます。

高口自身、子どもがかなり遠い学童に通っているため(往復3キロ)、「置き勉」を認めてもらうよう、学校に掛け合ってきました。

そんななか、9月6日に文科省から、「児童生徒の携行品に関わる配慮」を求める通知がありました。「重さや量について改めて検討のうえ」「適切な配慮を講じ」るように、との内容です。

これを受けて、練馬区は、「学校に置いておくことを認めているものについて」という「工夫例」とあわせ、各学校に通知を出しました。

工夫「例」には、

<小学校>

  • 音楽の教科書
  • 図工の教科書
  • 保険の教科書
  • 道徳の教科書
  • 社会資料集
  • 地図帳
  • 体育副読本
  • 習字道具
  • 絵具セット
  • リコーダー
  • 鍵盤ハーモニカ
  • 体育着
  • 裁縫道具

<中学校>

  • 書写の教科書
  • 音楽の教科書
  • 美術の教科書
  • 保健体育の教科書、ノート
  • 技術・家庭の教科書、ノート
  • 国語資料集
  • 社会資料集
  • 地図帳
  • 理科資料集
  • 国語辞書
  • 英語辞書
  • 各教科ファイル
  • 習字道具
  • リコーダー
  • 体育着
  • 裁縫道具

そもそも、教科書等の持ち帰りは「家庭学習」のため、とされています。家庭学習がなぜ必要なのか、宿題は必要なのか……別の角度での議論や問題意識もありますが。

そもそも、小中学生が通学用カバンの負担に苦しむ問題は、以前から、個別に学校や教育委員会に相談しても対応されないケースがありました。

それは、カバンの問題だけに限りません。たとえば、今年の夏は酷暑で、「見学の子どもたちがプールサイドにいるのが心配だ」という声が多数あり、区にお話しましたが、各学校の対応にまかせるとの回答でした。

各学校は、一定のルールを画一的に押し付けるのではなく、一人ひとりの子どもたちの状況に寄り添うこと。
教育委員会は、保護者の意向や意識をていねいに受け止め、学校の裁量に任せて事態を放置することのないようにすること……。

カバンの問題の背景にある、学校や教育の体制自体の問題を感じ、変えていきたいなと思います。