障害者雇用は、社会全体のため! ~10/11外郭団体質疑、社会福祉協議会レインボーワーク

決算特別委員会のなかで、外郭団体の決算の質疑もあります。10/11(木)、この質疑に、高口がたちました。決算の質疑は2回目…!今度は12分の勝負です。

テーマは、今年度、社会福祉協議会に統合された「レインボーワーク(旧・障害者就労促進協会)」が手掛ける、障害者雇用の問題。

障害者が働きやすい社会は、誰にとっても働きやすい。障害のあるなしに限らず、どんな状況にあっても、誰もがその人らしく働く場があることが大切……そんな視点から、質問をしました。

*一部抜粋しての、未定稿です。正式な議事録は、区議会のHPをご覧ください。

障害者雇用は、社会にとって必要!

高口

今年度、レインボーワークでは、「リ・スタート事業」という新規事業を開始しました。
一度離職した当事者の、再就職を支援する事業です。
まさにそこに表れている通り、障害者の離職の多さ、働き続ける難しさが、課題の一つと言えます。

区内の障害者の職場定着率は、定義が定まっておらず、出していないとのことでしたので、
2017年9月20日に「厚生労働省職業安定局」が発表した資料「障害者雇用の現状等」を参考にしますと、1年後の職場定着率は、知的、発達障害で約7割。身体障害が6割。精神障害は5割を切ります。
*参考:https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11601000-Shokugyouanteikyoku-Soumuka/0000178930.pdf

改善されつつあるとはいえ、障害者が働き続ける難しさが伝わってくる数字だと思います。

なぜ、障害者が働くこと、働き続けることが難しいのか。
もちろん当事者の個々の課題はあるかと思いますが、障害者本人だけに問題があるわけではないはずです。
受け入れる企業や社会の制度、体制に要因があることも多く、それを変えていく支援が、同時に必要ではないでしょうか。

事前に伺ったところ、障害者の雇用に成功している中小企業では、全社をあげて、社内環境の見直しに取り組んだ結果、衛生面や事故などが改善され、コミュニケーションも良好になったとのことです。
「障害者への配慮が、他の職員への配慮にもなり、職場の環境がよくなった」
という声が複数あると伺いました。

障害者雇用は、障害者のためだけでなく、私たちの社会全体のためになる。
そのような視点での障害者雇用を推進していくことが大切だと考えます。

<質問1ー1>企業の現状についての認識

レインボーワークとして、企業の意識を変えるためにどんな努力をなさっていますか。

回答

  • 雇用支援セミナーの実施
  • 区内の産業団体とつながり、理解を深めている
  • 障害者を雇用した企業から、その実情を発信してもらう

<質問1ー2>障害者差別解消法を受けて、企業の意識は変わったか?

障害者差別解消法の施行や、法定雇用率の引き上げを受けて、企業の意識が実際に変わっているのかどうか、教えてください。

回答

  • 一般論としての認識は広がったと感じる
  • 具体的な配慮などの理解は、はかられていないと感じる

<質問2>企業向けの支援は、何を行っているか?

また、レインボーワークでは、「職場定着支援」として、「定期訪問」「相談」「定期面談」などを行っています。障害者本人の支援はもちろんとても大切ですが、やはり重要なのが、障害者を受け入れる企業の支援です。

企業が障害者を採用し、雇用し続けるために、レインボーワークでは、企業に対して、どんなサポートを行っているか教えてください。

回答

  • 具体的な相談や、面談など
  • 企業を訪問し、アドバイス
  • 担当者から相談を受ける…など

<質問3>企業が変わるためのサポートを、レインボーワークとして実施すべき

現状は、生活支援を含めた、働く側の支援、指導、訓練が主になっていると思います。
それも大切なことですが、今後は、雇用側の変化を促す仕組みが必要ではないでしょうか。

事前のヒアリングで、レインボーワークを通じて就労した方は、法定雇用率に関わっている方がほとんど、とのことでした。法定雇用と、合理的配慮はセットです。

さらに、「障害者の雇用の促進等に関する法律36条」にて、被雇用者に対する事業主の合理的配慮は、法定の義務となっています。
レインボーワークとしても、企業に合理的配慮を実現させるための支援の業務が発生した、と言えるのではないでしょうか。

一方で、先ほどの「厚生労働省職業安定局」の資料によれば、「継続雇用の課題として、仕事内容や労働条件、職場の雰囲気や人間関係」などがあげられています。実態として、まだまだ合理的配慮が進んでいない現状があるわけです。

そこで、たとえば、「Aさんに必要な職場改善プラン」といった、個々に応じた実効的な提案をし、共に実施に取り組む。
企業と共同で、「合理的配慮の計画や方針」を策定し、実行に取り組むなど。
そういったことまで視野にいれて支援しなければ、本当に障害者が働きやすい、働き続けられる職場にはなっていかないと考えます。

法定義務である、企業の合理的配慮を達成させる事業に着手すべきと考えますが、レインボーワークとしては、どのような取り組みができると思いますか?

回答

  • 「合理的な配慮をしなさい」では、話が通じない
  • 利用者と企業側の接着剤となって、サポート
  • 企業に気が付いて頂き、就労に結び付く流れを
  • できることで支援していきたい

<質問4>練馬区として、合理的配慮への支援を

合理的配慮を進める事業を、検討いただきたいと思います。

働くとは、収入を得るだけでなく、社会のなかに役割を持つ、社会とつながりを持つ、生きがいを感じるといった、たくさんの意義を持っています。

今、健常者にくくられている人も、いつ事故や病気で、障害を持つかはわかりません。
障害のあるなしに限らず、どんな状況にあっても、誰もがその人らしく働く場がある。
ということは、とても大切なことです。

練馬区としても、合理的配慮の実現に向けた、レインボーワークや企業の取り組みを支える必要があると思います。
区の基本的な認識をお聞かせください。

回答

  • 就労の形は様々
  • 得意分野を活かし、継続して働けるように
  • 昨年度は200人以上の就労を達成
  • 今後もさらに支援していく
*質疑はここまで

<高口のまとめ>

合理的配慮を進めるためには、企業に踏み込み、協力しながら体制を作っていく支援が必要と考えます。合理的配慮は、法定の義務。レインボーワークには、その役割をしっかり担って頂きたいと思います。

練馬区としても、事業の充実に伴う補助のあり方の見直し、企業に合理的配慮を促す条例の策定などが必要ではないでしょうか。

誰もが働きやすい社会にするために、障害者の雇用がさらに促進するよう、一歩踏み込んだ支援を、今後も要望していきたいと思います。